進次郎農相の痛恨ミス…備蓄米5キロ1800円でも相場が下がらないカラクリ

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コメ5kig2000円を打ち出した小泉農相 食糧問題

進次郎農相の痛恨ミス…備蓄米5キロ1800円でも相場が下がらないカラクリ

〈備蓄米の随意契約の初日、予想以上の好スタートです〉

 自らぶち上げたコメの“官製値下げ”に手ごたえを感じている様子をXに投稿した小泉進次郎農相は29日、食味に疑問の声があがっている備蓄米のおにぎりを食べ比べて、「どれを食べてもおいしい」と太鼓判を押した。

 前年の2倍程度まで高騰したコメ価格の抑制を狙い、江藤拓前農相が過去3回10万トンずつ一般競争入札で備蓄米を放出。だが一向に効果が見られないことから、新任の小泉農相が随意契約に切り替え、大手小売業者との直接取引で、6月上旬には備蓄米が現在の半値程度の5キロ1800円台から2160円(税込み)で店頭に並ぶという。

 だが、このやり方に専門家は懐疑的な見方をしている。

「温度、湿度が管理された倉庫で保管されても、玄米に含まれている油分の酸化までは止められません。また、集荷業者は通常の主食米より品質が劣るコメを備蓄米として政府に出荷する傾向があります。本来なら安いコメが出てくると相場全体が連れ安になりますが、古古米、古古古米は今売られているコメとは全く異なる物のため、別の相場が形成されている状況です」(米流通評論家・常本泰志氏)

■専門家が断言するワケ

 実際、小泉農相が新たに備蓄米放出を発表した後も、相場は5キロあたり100円程度しか下がっていない。特にマズかったのが直接販売を選択したことだという。

「小売りへの直接販売だと古古米、古古古米がそのまま売られてしまいます。もしこれが卸に出されていたら、他のコメとブレンドされるため、通常のコメに近い状態でにおいが気にならなくなり、おいしくなります」(常本泰志氏)

 今回の備蓄米をブレンド米として販売していれば、相場を下げる効果があったとみられている。

「例えば、第1回から3回の備蓄米(取引価格60キロ約2万円)を8割、今回の4回目(60キロ1万円)を2割混ぜると、5キロ2000円台前半のコメができます。そもそも買い戻しなしで古いコメから順に競争入札で放出していたら、4月以降の価格上昇は防げた可能性もあります」(常本泰志氏)

 しかも今回放出される30万トンは、日本人が消費するコメのたった半月分でしかない。小泉農相は残り30万トンの放出も示唆しているが、備蓄米が空になった状態で大規模災害が発生したケースを想定すれば、無限放出は避けるべきとのこと。「5キロ1800円台」は見た目のインパクトだけで、令和の米騒動を根本解決するものではないという。

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