トランプの財政刺激策「大規模で素晴らしい法案」は意図的に市場を崩壊させるために仕組まれたもの

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マイケル・ハドソン アメリカ

トランプの財政刺激策「大規模で素晴らしい法案」は意図的に市場を崩壊させるために仕組まれたもの

国際経済システムの現状 / 西側が「民主主義」と呼ぶものは少数の金融エリートによる支配体制のことを意味する

竹下雅敏氏からの情報です。
 動画の内容はとても面白いので、字幕を入れてご覧ください。世界三大投資家のウォーレン・バフェットは株を売り払って、現在3500億ドルの現金を保有している(30秒)のですが、一方でトランプは、自ら「大規模で素晴らしい法案」と呼んでいる財政刺激策を推進(39秒)しています。

 “彼は再び関税をちらつかせ、FRBに圧力をかけ、市場が新たなアメリカの奇跡であるかのように宣伝している。さて、これが単なるバブルではなく、計画したバブルだとしたらどうなるでしょうか? もしこれが意図的で、ゲームを膨らませ、揺さぶり、リセットする戦略の一部だとしたらどうなるでしょうか?(45秒)”と言っています。

 私は、意図的に市場を崩壊させるために仕組まれたことだと思っていますが、詳しい内容は動画をご覧ください。

 現在の国際経済システムがどういう状況にあるのかは、Alzhacker氏のツイートをクリックして、マイケル・ハドソン教授の重要な記事『世界の大多数が米国の金融植民地主義からいかに解放されるか』の要約をご覧になると、とても良く分かります。

 私は、グローバリズムのことを「経済的植民地政策」と呼んできたのですが、ハドソン教授は、“19世紀に独立したハイチやメキシコ、中東諸国は、独立のために外国銀行から借金をした。しかし返済に行き詰まると、債権者が各国の財政を直接管理するようになった。これが現代まで続く「金融植民地主義」の始まりだった。”と言っています。

 現在、「金融帝国主義 対 経済主権」の戦いが起きており、西側が「民主主義」と呼ぶものは、少数の金融エリートによる支配体制のことを意味しており、経済主権を求める中国やロシアの体制は、“実は自国民の利益を外国の投資家より優先する、まっとうな主権国家の姿なのかもしれない。”とあります。

 この「少数の金融エリートによる支配体制」は、世界銀行を中核とする300人委員会による支配体制のことです。この枠組みの中に日本はガッチリと組み込まれています。「財務省の闇」は、この観点から追及されなければならないのですが、深追いすると死人が出るテーマではあります。

 トランプの「大規模で素晴らしい法案」は、リセットする戦略の一部だと考えられるのですが、その後の世界支配をトランプの背後に居る者たちはどのように考えているのでしょうか?

 恐らく、アメリカは覇権を中国に譲る気はないでしょう。そして、「大規模で素晴らしい法案」は、“連邦政府および主要州の高速道路全体にわたって、顔認識、プレートリーダー、自律監視タワー、24時間365日のリアルタイム追跡とデータ収集など、AIを活用した監視に25億ドルを投入する。”というもののようです。

 世界覇権がアメリカであるか中国であるかに関係なく、人権が無くなる方向に向かっているのは確かなようです。

(竹下雅敏)

ウォーレン・バフェットとトランプの「計画的」な株式市場バブル崩壊

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『地球規模の多数派はいかにして米国金融植民地主義から脱却できるのか』

経済学者マイケル・ハドソンが、現代の国際経済システムの構造的問題を詳細に分析した評論を発表。なぜ発展途上国は豊富な天然資源を持ちながら貧しいままなのか。なぜ中国の経済成長が西側諸国をこれほど恐れさせるのか。 その答えは、軍事力に代わって債務と金融システムで世界を支配する「新しい植民地主義」にある。

昔の植民地支配は軍隊で土地を奪い、現地の人々を直接支配していた。しかし現代の植民地主義はもっと巧妙だ。借金という見えない鎖で縛り、「自由貿易」という美名のもとで富を吸い上げる。発展途上国の政府は形式的には独立しているが、実際は外国の債権者と投資家のために働く徴収係に過ぎない。

この仕組みを作り上げたのがアメリカ主導の戦後国際経済システムだ。1945年のブレトンウッズ会議で設計されたこのシステムは、表向きは平和と繁栄を約束していたが、実際はアメリカとヨーロッパの金融エリートが世界から富を搾取するための装置だった。そして今、中国の台頭がこの支配構造を根底から揺るがしている。

✅ 1. 借金の罠で世界を支配する現代版植民地システム

19世紀に独立したハイチやメキシコ、中東諸国は、独立のために外国銀行から借金をした。しかし返済に行き詰まると、債権者が各国の財政を直接管理するようになった。これが現代まで続く「金融植民地主義」の始まりだった。

今日のシステムはさらに洗練されている。発展途上国は「自由貿易」の名のもとで、自国の農業や工業を保護することを禁じられる。一方でアメリカやヨーロッパは自国産業を手厚く保護している。1994年のNAFTA(北米自由貿易協定)では、高額な補助金を受けたアメリカの農産物がメキシコに流入し、メキシコの農民を破綻させた。結果、メキシコは食料をアメリカに依存せざるを得なくなった。

さらに悪質なのが「投資家国家紛争解決制度」だ。これにより、もし政府が外国企業への税金を上げたり、環境規制を強化したりすると、その企業は政府に損害賠償を請求できる。つまり、国民のための政策を行うと外国企業から訴えられるという、主権を完全に無視したシステムが出来上がっている。

✅ 2. 中国モデルが暴露した西側システムの欺瞞

中国が恐れられる理由は軍事力ではない。西側の「自由市場経済」よりも優れた経済システムを実証してしまったからだ。中国は政府が銀行を所有し、国民経済の発展のために資金を供給している。これに対し、西側では民間銀行が不動産投機や金融ゲームのために資金を供給し、実体経済を疲弊させている。

西側の経済では、住宅価格や株価の上昇による「資本利得」が実際の経済成長を大きく上回っている。つまり、モノを作ったりサービスを提供したりするより、金融取引で儲ける方が簡単で儲かる仕組みになっている。これが製造業の衰退と格差拡大の根本原因だ。

中国の成功は、19世紀の古典派経済学者たちが理想とした経済システム、つまり不労所得(地代や金融収益)を最小化し、生産的な投資を最大化するシステムを現実化したことにある。皮肉なことに、資本主義の本場を自認する西側諸国が、真の資本主義から最も遠ざかってしまったのだ。

✅ 3. ロシア制裁が自ら墓穴を掘った米ドル覇権

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、アメリカとヨーロッパはロシアの外貨準備3000億ドル(約45兆円)を凍結した。この措置は短期的にはロシアにダメージを与えたが、長期的にはドル基軸通貨体制の終わりの始まりとなった。

なぜなら、他の国々が「明日は我が身」と考え始めたからだ。アメリカの気に入らない政策を取れば、自国の外貨準備も凍結される可能性がある。これではドルに資産を預けることはリスクでしかない。

実際、世界中で「脱ドル化」の動きが加速している。中国とロシアを中心とするBRICS諸国は、ドルに依存しない新しい国際決済システムの構築を急いでいる。トランプ政権の一方的な関税政策も、発展途上国がドルを稼ぐ手段を奪い、結果的に対米債務の返済を不可能にしている。

✅ 4. アメリカが恐れる途上国の集団反乱

発展途上国が真の独立を達成するには、二つのことが必要だ。第一に、外国投資家が独占している天然資源や土地から得られる利益に重税を課すこと。第二に、返済不可能な対外債務を「悪質な債務」として帳消しにすることだ。

これは決して過激な社会主義政策ではない。イギリス、フランス、ドイツ、アメリカなど、今日の先進国がすべて自国の発展過程で実行した政策だ。アダム・スミスをはじめとする古典派経済学者たちも、経済発展のためには地代や金融収益への課税が不可欠だと説いていた。

しかし現在の国際システムは、途上国がこうした政策を取ることを巧妙に阻んでいる。「自由市場」や「民主主義」という美しい言葉の裏で、実際は西側金融エリートの特権を守るシステムが構築されているのだ。

📌 結論

今、世界は歴史的な転換点に立っている。発展途上国は、外国債権者への返済を続けて自国民を犠牲にするか、それとも債務を帳消しにして真の独立を目指すかの選択を迫られている。

アメリカは「民主主義対専制主義」の戦いだと宣伝しているが、実際は「金融帝国主義 対経済主権」の戦いだ。西側が「民主主義」と呼ぶものは、少数の金融エリートによる支配体制に他ならない。

そして「専制主義」と批判される中国やロシアの体制は、実は自国民の利益を外国の投資家より優先する、まっとうな主権国家の姿なのかもしれない。

この戦いの行方は、私たち一般市民の生活にも大きく影響する。なぜなら、西側諸国の一般市民もまた、金融エリートによる搾取の犠牲者だからだ。住宅価格の高騰、賃金の停滞、製造業の衰退、格差の拡大—これらすべてが、金融化された経済システムの必然的な結果なのだ。

出典:How the Global Majority Can Free Itself from US Financial Colonialism (2025) -Michael Hudson

https://eaarthnet.substack.com/p/how-the-glob

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