長崎大学「BSLー4」施設 国の指定取り消し求め住民が提訴
ことし1月、長崎大学が国から指定を受けたエボラウイルスなど危険性が最も高いとされる病原体を扱う「BSLー4」の施設について、耐震強度を満たしていないなどとして、国に対し、指定の取り消しを求める訴えを起こしました。
訴えを起こしたのは、施設の半径1キロメートル圏内に住む住民3人です。
「BSL−4」は、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスなど危険性が最も高いとされる病原体を国の許可を得て持つことができる施設で、ことし1月、長崎大学が国内の大学で初めて「BSL−4」の施設として国から指定されました。
これについて、原告の住民たちは、17日会見を開き、「BSLー4」の施設に課されている耐震強度の基準を満たしておらず、大地震が起きた場合、ウイルスが漏れ出るおそれがあるなどとして、国に対し、指定の取り消しを求める訴えを長崎地方裁判所に起こしたことを明らかにしました。
この施設をめぐっては、今回の訴えとは別に、長崎大学に対し、施設の情報公開を求める裁判が起こされています。
訴えを起こした住民の1人の山田一俊さんは「なぜ住宅地に施設を作るのかという申し入れに、聞く耳を持たない大学側の対応に非常に気をもんでいる。まだ施設は稼働されていないので、最後まで抵抗していきたい」と話していました。
厚生労働省は「まだ訴状が届いていないので、現時点では回答は差し控える」とコメントしています。
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