石破首相「退陣へ」報道に秘書官「世紀の大誤報」つぶやくも

スポンサーリンク
居眠りする石破首相 政治・経済

石破首相「退陣へ」報道に秘書官「世紀の大誤報」つぶやくも

“包囲網”着々で浮かび上がる“次の総裁候補”の名前

 石破茂首相は退陣するのか、しないのか――。

《石破首相、退陣へ 8月末までに表明 参院選統括踏まえ》

 7月23日午前11時過ぎ、毎日新聞は「スクープ」として、石破茂首相が退陣する意向を固めたなどと報じた。

 石破氏をめぐっては、7月21日午後、本人が記者会見し、首相を続投する意思を表明していたが、参院選での自民公明与党の歴史的大敗の責任を問う声が党内外からあがっており、自民党の地方組織からも続々と退陣を求める声が出ていた。

 23日には、朝8時過ぎに米トランプ大統領が、SNSで日本に対する相互関税は15%になると投稿したとの一報が入り、石破氏は午前11時ごろ、首相官邸で記者団の取材に応じていた。日本に対する相互関税が15%とし、また最大の焦点となっていた自動車への関税を当初の25%から半分の12.5%にし、もともとの関税率2.5%と合わせて15%にすることで合意したという内容を述べ、胸を張っていた。

 退陣報道について自民党関係者が言う。

「相互関税が25%から15%に引き下げられ、自動車への関税も25%から15%になったことにより、これが石破政権の功績となって、続投の可能性に一縷の望みを託したと見られました。しかし、関税交渉がまとまったことで、首相続投の大義名分がなくなってしまいました。やはり退陣へという既定路線は変わらなかったようです」

 同日正午前にも、TBS NEWS DIGが「【速報】自民幹部 関税合意受けて石破総理退陣との見通し示す」と報じ、午後1時前にも読売新聞が「石破首相退陣へ、月内にも表明する意向で調整」と、号外まで出る騒動になった。

 そうしたなか、石破氏は予定どおり午後2時から自民党本部で麻生太郎党最高顧問、菅義偉(よしひで)副総裁、岸田文雄前首相ら3人の首相経験者と、森山裕幹事長同席のもとで“異例”の5者会談に臨んだ。

 約1時間20分の会談後、石破氏は報道陣に対し「私の出処進退につきましてはいっさい話は出ておりません。一部にそのような報道がございますが、私はそのような発言をしたことは一度もございません」とし、退陣報道について「報道されているような事実はまったくございません」と否定した。

 続いて森山幹事長は「まず、石破総裁から日米関税交渉について報告がございました。そのうえで選挙の総括については、できるだけ早くおこなわなければならないという意見が出ました。今後については、より具体的な道筋を示すことが大事であるという意見もございました。また、党員・党友や地方組織、友好団体等にもいろいろな意見があるので、丁寧に耳を傾けるべきであるという意見もございました。そして、自民党の現状については強い危機感をもって臨み、党の分裂はなんとしても避けるべきとの考え方が共有されました。最後に私のほうから、今後とも必要に応じ総裁経験者の方々にお集まりをいただき、ご協議いただくことを私からお願いをいたしました」と述べた。

 会談のなかで石破氏から、辞任をしないという考えや続投に対して理解を求めるといった発言はなかったのかとの問いには「いずれもありませんでした」と回答。そして、「進退に関することはまったく議論にはなっていません」と話した。

 5者会談後のぶら下がり取材で、石破氏が毎日新聞や読売新聞の退陣報道を否定するという予期せぬ展開になり、ある官邸関係者は「石破首相が退陣報道を否定した直後に、首相秘書官は『世紀の大誤報だ』と話していました」と語る。

 この関係者が続ける。

「午前中、首相は周囲に『トランプ関税の交渉を最後まで、しっかりやり抜くことを最優先にする。国内のさまざまな対策もあり、それを考える以外(退陣は)いまの時点でない』と話しており、退陣についてはまったく考えていない様子でした」

 はたして、5者会談では石破氏の進退問題についての言及は本当になかったのか。

 政治部デスクが言う。

「たしかに『進退』という言葉は出ていないようです。石破氏は、辞めるとも続けるとも言っていません。ただし、遠回しに退陣を促すような話は出ていたようです。岸田氏は、トランプ関税の対応が終わった後の道筋がはっきりしないと、党が分裂しかねないと伝えたと聞いています」

 自民党は、当初7月31日に予定していた両院議員懇談会を、前倒しして7月28日に開催することを23日に、石破総裁と有村治子両院議員総会長名で、両院議員と参院選新人当選者に通知した。議題は「総裁より挨拶」である。7月28日に石破氏が何を語るのか注目が集まっているが、党内では“石破おろし”の機運が高まっているようだ。

「両院議員懇談会は議決権がないため、単なる“ガス抜き”で終わってしまうという批判が出ています。そのため、重要事項の議決権を持つ両院議員総会を開催するために中堅・若手を中心に署名活動がおこなわれています。

 党所属国会議員の3分の1以上の要求があれば両院議員総会を招集する、との党則があり、中心でやっている議員は『簡単に3分の1は集まりそう』とは言っていますが、実際に総会を開くまでいくかどうかはきわめて不透明です。また、国会議員と都道府県連代表の過半数の要求で、総裁選を前倒しできる『リコール規定』も党則で定められており、このリコールを求める声も出ています」(前出・自民党関係者)

 一方、23日に電撃合意となった日米関税交渉については一定の評価が出ているようだ。経済部記者が言う。

「石破首相が胸を張ったように、合意はいい内容で、経済界では自動車産業だけでなく、中小企業からも賛意が出ています。農業関係についても、無関税輸入ミニマムアクセス米は77万tの枠内に収め、野放図にコメの輸入に道を開いたわけでないので、一定の評価がされています」

 28日に予定されている両院議員懇談会で、石破総裁がどのようなあいさつをするのかはいまのところ不透明だが、石破氏は8月20日から横浜で開催されるアフリカ開発会議(TICAD)に意欲をみせているという。

 前出の政治部デスクが言う。

「首相は、アフリカの首脳を招いて日本で開くTICADは必ず成功させたいと言っており、少なくともここまで退陣表明などはおこなわないと思います。立憲民主党が8月1日から5日までの臨時国会で、内閣不信任決議案を出しそうにない雰囲気も、こうした動きを助けています。

 ただ、だからといって石破政権が何カ月も続くとも思えません。9月には自民党役員の任期が切れますが、党四役のなかでも『続投要請があっても断る』という幹部がいます。内閣改造・党役員人事ができない事態に追い込まれ、この少し前に退陣せざるを得ないのではないかとみられています」

 つまり、長くても8月末、もしくは9月の党役員人事の手前までで、石破政権の命運が尽きる可能性が大きいようだ。

 そして、石破首相が辞任を表明するなり、リコールされるなりすれば、自民党総裁選となる。ポスト石破はどうなるのか。

 もっとも有力な3人は、高市早苗前経済安全保障担当相、小泉進次郎農水相、小林鷹之元経済安全保障担当相とみられている。この3人は、2024年9月の総裁選にも立候補した。

「高市VS.小泉VS.小林の戦いになると思います。安定感があると評価されている林芳正官房長官は、石破政権で官房長官をやった手前、岸田氏は『同罪的責任は免れない』と言っており、難しいとみられています。

 高市氏は『保守票を取り戻せ』という地方県連からの支持がありますが、保守層をまとめ上げるだけのリーダーシップに欠けているという声もあります。進次郎氏も経験不足が指摘されるなど、どうなるかはまったくわからない状況です」(同前)

 前出の自民党関係者は「麻生さんは高市さんを支援。菅さんは小泉さんを支援します。岸田さんは『(首相を)高市なんかにするわけにはいかない』と嫌っていることもあり、こちらも小泉さんを支援するのではないでしょうか。ただ、一部で齋藤健前経産相の名前が急浮上しており、支援体制は変わる可能性もあります。石破さん本人は続投したいのかもしれませんが、もう包囲網ができあがりつつあり、悪あがきにしか見えません」と話す。

 首相秘書官から「世紀の大誤報」といわれた毎日新聞と読売新聞は24日朝刊で、ともに1面トップで「石破首相、退陣へ」と打った。

 焦点は「いつ退陣するか」に絞られているようだ。

コメント

  1. マリー より:

    SNSで読んだのですが、アメリカのシナリオで自民党と公明党敗北で政権交代、改憲させて日本と中国を戦争させるという計画があるそうです。

    • hide229406 より:

      マリー 様

      それはあり得る話ですね、何しろ野党はほとんどが改憲支持ですから。
      そして、DSは何としてでも日本に戦争をさせたいと思っています。

タイトルとURLをコピーしました