8.31に「備蓄米販売リミット」が…進次郎農相は売れ残りにどう落とし前をつけるのか?

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コメ5kig2000円を打ち出した小泉農相 食糧問題

8.31に「備蓄米販売リミット」が…進次郎農相は売れ残りにどう落とし前をつけるのか?

テレビを賑わせた備蓄米フィーバーは過去の話で、ブーム終焉は米価全体にも影響を与えている

 政府備蓄米が売れ残っている。日刊ゲンダイ記者が先週土曜夜8時過ぎに都内スーパーを訪れると「5キロ1980円(税別)」の値札の下で備蓄米が山積みに。横5列に50袋以上が置かれたまま、客の多くは目にとめもしない。テレビを賑わせた備蓄米フィーバーは過去の話で、ブーム終焉は米価全体にも影響を与えている。

 農水省は4日、全国のスーパー約1000店舗で7月21~27日に販売されたコメ(5キロ)の平均価格は3625円と発表。前週より40円高く、上昇に転じたのは10週ぶり。備蓄米を試したいという需要が一服し、より高い銘柄米を求める客層が相対的に増えたとみられる。

 問題は5月末以降、小泉進次郎農相が随意契約で放出した備蓄米について、販売期間のリミットを設定していることだ。その期限は8月31日。今月末までに売り切れる量を条件に、大手スーパーなどにバンバン放出してきた。

 しかし精米や出荷の工程は遅れに遅れ、ようやく店頭に滞りなく並び出した途端、熱狂は沈静化。整理券配布や販売量の制限が消え、自由に購入できても備蓄米は余る。このままだと、申し込んだ量を今月末までに売り切るのは困難ではないか。これまでの申込数量が計2.5万トンと最多のイオンに聞いた。

「7月中旬ごろより出荷が増え、多くの店舗で展開できるようになってきました。店頭に並べると速やかに完売しており、お客さまから支持は高いと考えています。売り切りを目的としたセールの予定は特にありません」(広報グループ)

■古古古米の6割以上は買い手つかず

 進次郎農相は「8月末に売り切るという条件で売り渡しているので、その約束が果たせるよう責任を持って最大限の努力を追求する」と強気だが、足元の備蓄米の申請状況も絶不調だ。6月11日の2021年産「古古古米」12万トンの受け付け開始から2カ月ほど。この間、対象を中食・外食・給食の事業者に拡大しても、申し込みの確定数量は4万4708トン(4日午後5時現在)と6割以上は買い手がついていない。

 農水省は「随意契約の売り渡し価格は、流通コストや利益を乗せても5キロ=2000円程度で販売できるように設定したが、業者側の店頭価格に制限はない。独占禁止法に抵触しかねませんから」(農政局貿易業務課)と答え、実際、5キロ=1800円(税別)と想定の10%引きで販売するスーパーも現れている。イオンはともかく、いつ備蓄米の「叩き売り」が始まってもおかしくない。その時、進次郎農相は販売期限を延長するのか、売れ残った備蓄米を政府に買い戻させるのか。やることなすこと場当たり感が漂う。

 自民惨敗の参院選でも進次郎効果はなかった。「小泉劇場」とともに備蓄米ブームも忘却のかなたに…。関連記事【読まれています】「備蓄米ブーム」が完全終了…“進次郎効果”も消滅で、店頭では大量の在庫のお寒い現状で詳報している。


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