都内の「梅毒」患者が過去最多ペース。直近10年で約15倍に(でも、唐突に増えだしたのは2021年から)

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梅毒スピロヒーター 感染症

都内の「梅毒」患者が過去最多ペース。直近10年で約15倍に(でも、唐突に増えだしたのは2021年から)

この直近10年で約15倍というのは、「梅毒」が流行中、都内では過去最多ペース… なぜここまで感染拡大しているのか医師に聞く、という報道からですが、報道の内容はともかく、グラフを見ますと、「増加した契機」がとてもわかりやすいです。ワクチン接種が始まった 2021年から飛躍的に増加しています。

2006年-2024年の東京都の梅毒患者の推移

東京都感染症情報センター

原因はわりとわかりやすいと思うのですが、しかし「高止まって」いるのですよね。

今でも免疫低下の影響は続いているのでしょうか。あるいは、IgG4 の誘導の問題が続いている?

2021年からと言えばワクチン接種後の免疫低下が影響していると思われます。

「梅毒」が流行中、都内では過去最多ペース… なぜここまで感染拡大しているのか医師に聞く

東京都感染症情報センターは、第27~第30週にかけての4週間で、それぞれ90人、60人、71人、50人の「梅毒」の新規感染を報告しました。年初からの累計感染者数はすでに2079人に達しており、過去のデータと比較しても高い水準が続いています。この内容について小幡医師に伺いました。

監修医師:小幡 史明(医師)

梅毒の感染状況

東京都感染症情報センターが発表した梅毒の感染状況に関する内容を教えてください。

小幡 史明 医師小幡先生

2025年の東京都における梅毒の感染状況は、依然として深刻な状況が続いています。東京都感染症情報センターの報告によると、第27~第30週にかけての4週間で、それぞれ90人、60人、71人、50人の新たな感染者が報告されており、1週間あたり50〜90人程度で推移しています。年初からの累計では、すでに2079人にのぼっており、過去と比較しても高い水準での感染が継続しています。

また、台東区の公的な情報によれば、東京都の梅毒報告数は前年と比べて男女ともに増加傾向にあり、特に女性の増加が顕著で、直近10年間で約15倍に急増しています。感染者の年代構成をみると、20代の若年層が最も多くの割合を占めており、性的接触を通じた感染拡大が強く示唆されています。

こうした状況を踏まえると、引き続き注意喚起と早期発見・治療の徹底が求められる段階にあると言えるでしょう。

梅毒が感染拡大している要因

都内を中心に梅毒が感染拡大している要因はなんでしょうか?

小幡 史明 医師小幡先生

現在の梅毒の感染拡大には、マッチングアプリやパパ活といった匿名性の高い出会いや、複数のパートナーとの性的関係が影響していると考えられています。これらの手段を通じた出会いは、相手の性感染症の有無を把握しにくく、予防策が徹底されないまま性行為に至るケースも多いでしょう。

何をすると梅毒に感染する?

梅毒の初期症状・感染経路・予防法について教えてください。また、現在の感染拡大をどのように受け止めればいいですか?

小幡 史明 医師小幡先生

梅毒は「梅毒トレポネーマ」という細菌が原因となる性感染症で、感染者とのセックスやキス、オーラルセックス、アナルセックスなどを通じて、粘膜や皮膚の小さな傷口から体内に侵入します。感染部位に直接触れることによって感染が広がり、口や性器、肛門、さらにはのどや直腸にも症状が現れる可能性があります。感染すると粘膜に炎症が生じるため、HIVなどの性感染症にもかかりやすくなるというリスクが伴います。

梅毒の初期症状としては、感染から約3週間後に感染した部位にしこりや潰瘍、ただれなどが生じます。しかし、治療しなくても自然に消えることがあり、見逃されがちです。その後、1〜3カ月の間に、手のひらや足の裏をはじめとした全身に発疹が表れる第二期へと進行します。さらに時間が経過すると、症状がないまま長期間を過ごす潜伏期に入り、その間も体内では病気が進行していきます。最終的には、数年〜数十年の経過を経て心臓、血管、神経などに重大な障害を引き起こす「後期梅毒」に至る恐れもあります。

梅毒の予防の基本は、不特定多数との性的接触を避けることと、性行為時にコンドームを正しく使用することです。ただし、コンドームで覆えない部位からも感染することがあるため、100%の予防にはなりません。皮膚や粘膜に異常がみられた場合には性行為を控え、早めに医療機関を受診することが重要です。また、梅毒は一度治療しても再感染することがあるため、完治後も引き続き予防に努める必要があります。

編集部まとめ

梅毒はキスやオーラルセックスでも感染する性感染症で、若者を中心に東京都内で急増していることが分かりました。誰にでも起こり得る感染症として正しい知識と早期受診、日常的な予防行動が求められています。性のあり方が変化する今だからこそ、自分と相手を守る意識を持つことが大切です。

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