人工甘味料の毒性

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トレハロース 健康問題

人工甘味料の毒性

入谷さん
「私は研究というものをあまり信用していません。それは、たとえばトレハロース。林原で研究開発に携わってきましたが、無害な甘味料ということになっている。『消化吸収されない糖分』だとか『消化されても代謝されない糖分』だとか、メリットのように宣伝されているけど、そういうのって自然に逆らっています。甘いものを食べれば、血糖値が上がって、脂肪になる。それが本来の糖分です。そして、一見デメリットのようなそんな本来の糖こそが人間を健康にします。都合のいい糖分なんてのは存在しません。
缶コーヒーでも何でもいいけど、『シュガーレス』をうたっている商品の原材料を見れば、アセスルファムカリウムとかスクラロースとか書いてある。腸内細菌はこういう不自然な人工物を嫌います。菌は我が身を守るために生理活性物質を分泌して、それが人間の膵臓にダメージを与えて、糖尿病を引き起こす。普通の砂糖のほうがはるかにマシです。もちろん、砂糖も量が過ぎれば糖尿病になりますが。

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アラビノース

昔、某大学の先生が、アカルボースの講演会をした。『砂糖の吸収を阻害し、血糖値の上昇を抑制する』ということで糖尿病の薬になっているけど、私は『これはアラビノースそのものだな』とすぐに気付いた。懇親会で先生をつかまえて、『先生、これ危ないよ。砂糖を吸収阻害したら、腸内細菌の大半は砂糖が好きだから、細菌叢が乱れて癌リスクがあるよ』と言いました。否定されたけどね。

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ポリデキストロース

同じことは、ポリデキストロースにも思った。大塚製薬のファイブミニって商品があって、1本で5gの食物繊維(ポリデキストロース)がとれるっていうのがうたい文句。食物繊維というのは、腸で適切に発酵するから健康にいいのであって、合成の食物繊維は発酵せず、むしろ大腸の内壁が削れてしまう。体にいいどころか毒になる。それで私は、研究所まで実際に出向いて、『毎日1日3本も飲めば癌リスクが上がる。販売をやめたほうがいい』と言いました。

私はそういうことを、牛から学びました。合成の甘味料や合成の食物繊維を牛にとらせた後で、解剖する。ルーメン、第2胃、第3胃、第4胃、小腸、大腸を開いて、病変を探す。牛の場合、ルーメンだけは人間と違うけど、小腸も大腸も人間と同じなので、これを研究すれば人間の消化管のことは全部わかる。胃腸の機能や病気のことを、私は牛から学びました。論文よりも何よりも、観察こそが一番多くのことを教えてくれます。

牛はゲップをして、そこにメタンガスが含まれていて、地球温暖化の原因だって言われることが多いけど、ゲップに大量の水素が含まれていることはあまり知られていない。この水素が牛の健康に大きな役割を果たしている。
一時期水素水が流行ったけど、あんなのわざわざ買う必要ない。キャベツの葉っぱを3枚も食べれば、胃腸で大量の水素が発生する。これは私が実験で確認しました。さらにいうと、これは実験の途中でたまたま発見したんだけど、マルチトールという糖があって、これを食べても腸で水素が発生します。

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マルチトール

ダイエット甘味料としてマルチトールを使った商品を売ってたんだけど、ゼロカロリーをうたい文句にしていたものだから、省庁から指導が入った。「本当にカロリーゼロなのか実験データを出せ」と。
それで、会社から私に白羽の矢が立って、韓国まで行って、放射性炭素で標識したマルチトールを飲んだ。飲むと、大便、小便、精液、呼気、汗などに発散されるのか、あるいは、体内を循環するのか、蓄積するのか。結果、7割は排出され、3割は体内に残った。こういう放射性物質を使った実験は日本では人道的に認められていなくて、それで韓国まで行って調べたんだけど、今も私の体には微量の放射性物質が残ってると思う。
このときの実験結果を、1987年京都の国際学会で発表した。

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マルチトールとマルトースとの比較で、マルチトールは食後、水素が呼気に含まれる。でも、マルトースを食べても小腸で吸収されて大腸にはいかない。だから、水素は発生しない。
別の研究で、マルチトールを食べると酪酸、プロピオン酸、酢酸などの短鎖脂肪酸が生じることを発表しました。
研究から30年ほど経って、世間はようやく水素や短鎖脂肪酸の健康効果のことを言うようになった。時代がようやく私に追いついたわけです(笑)

特に健康法というほどたいそうなものではありませんが、私が日々の食事で気を付けていることがあるとすれば、夜同じものを食べていることです。
キャベツを3枚食べると、水素が発生します。これはキャベツじゃなくて、白菜でもいい。生じゃなくて、炊いたものでもいい。
夜の食事には必ずキャベツか白菜を食べる。
朝や昼は変わってもいいけど、夜だけは、腸内細菌にエサを与えるつもりで、同じものを食べる。そうすると、まず、おならのにおいが変わる。食物繊維からエネルギーを生み出すような体に変化していきます。
30年ほど前、ヤクルトホールで400人を前に講演をして、そんな話をしました。

ポリデキストロースのような人工的な食物繊維は、大腸での発酵を阻害する。未消化の繊維で大腸の内壁が削れてしまう。
昔、O-157騒動があったとき、私の住む市内でも死んだ子供がいた。調べてみると、アトピーの子が多かった。アトピーは肌の病気というよりは腸の病気で、こういう子供たちの腸壁は削れていて、なんでもかんでも取り込んでしまう。O-157の産生するベロ毒素も吸収して、それで死んでしまう。逆に健康な人では、腸のパイエル板に免疫細胞がいてIgAを分泌していて、それが毒物をブロックする。こういう人は、たとえO-157に汚染された食材を食べても、ケロッとして何の症状もない。腸壁を大事にすることが健康のかなめです。
牛が粗悪な食物繊維を食べ続けるとどうなるか。腸内でアンモニアが発生する。腸の蠕動運動が止まり、ゲップとして上にも、おならとして下にも出せず、ルーメンが巨大に広がり、たとえば癌になる。善玉菌が足りなくて、脂肪酸を作る前にアンモニアが発生して、それがいろんな不調を起こす。程度の差はあれ、人間の腸でも同じことが起こっています。
どう治せばいいか?いい食物繊維を与えることです。牛はあまり発酵の早いものを与えると弱るから、発酵の早いもの、遅いものをバランスよく与える。
粗悪なエサを食べて病気になった牛の肉は、おいしくない。アンモニアが混ざってて、色もどす黒い。でも、うちの発酵バガスを与えた牛の肉はうまい。ブラジル人も喜んで食べている。
私が作った技術ですが、あまり儲かりませんでした(笑)でも、多くの人に食の喜びを与えることになった。私にとって、それが何よりです」

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