これを受け、自民党ではあす午前8時半から臨時の役員会を開き、予定されていた“総裁選前倒し”の書面提出を中止する決定がおこなわれる見通しとなりました。

石破総理はこれまで、自身の進退をめぐり、物価高対策や日米関税交渉のほか、防災や農業政策などに道筋を付けた上で「きちんとした決断をする」と話し、当面は続投する考えを示していました。

石破総理はきょうも、岩屋外務大臣や村上総務大臣と面会するなど対応を協議してきましたが、辞任することで「党の再生」に繋げたい考えです。

石破総理は午後6時から記者会見を開き、辞任を決めた理由などについて説明する予定です。

【石破総理は、なぜこのタイミングで辞任の意向を固めたのでしょうか】

石破総理はギリギリまで続投する道を摸索していましたが、党を分裂させないこと、また、今後も党内で自身の影響力を残すため、このタイミングで辞任の意向を固めたものとみられます。

きのうの夜には、自民党の菅副総裁や小泉農水大臣と面会した石破総理ですが、この場で菅氏や小泉氏からは“党を割るようなことがあってはならない。議員に書面を提出する判断をさせてはいけない”などとして、“総裁選の前倒し”の意思確認がおこなわれる、あすまでに進退を判断するよう迫られていました。

これまで、続投に意欲を示す石破総理は“総裁選が前倒しされるなら、衆議院の解散・総選挙をおこない、国民に信を問うことも選択肢”との考えを周囲に示してきましたが、党内から“そんなことをすれば反党行為だ”などと批判の声が上がっていました。

こうした中、石破総理も最終的には「党内を分裂させてはいけない」との思いや、総理経験者の菅副総裁や岸田前総理も自ら辞任したことで、その後も党内に影響力を残していることから、石破総理も自ら退陣を決意したものとみられます。

石破総理の決断については、ある閣僚経験者からは「党内が混乱している状況を収めるには、これが唯一の道だった」と評価する声が上がる一方、中堅議員からは「本来なら参院選の翌日に表明すべきだった。この間、党内が混乱し政策が前に進まなかった」と指摘する声も上がっています。

石破総理が辞任を表明すれば、自民党では「ポスト石破」レースの号砲がなることになります。