日本で分離された致死率の高い多剤耐性真菌カンジダ・アウリスがヨーロッパで急速に拡大中。原因が「免疫不全の蔓延」である可能性も
結局はコロナワクチン接種後に起きている感染症なので、ワクチンによる免疫不全症による可能性が高い
世界同時多発的に流行が始まった奇妙な真菌
多剤耐性を示す新興の真菌であるカンジダ・アウリス(正式名は、カンジドジマ・アウリス)という菌が、ヨーロッパで急速に拡大していることを、欧州疾病予防管理センターが声明で発表していました。
このカンジダ・アウリスが最初に分離されたのは 2009年の日本でしたが、その後、同時多発的に世界中に拡大し始めたのが、2016年頃のことでした。真菌とは、すなわちカビです。
これについては、以下の In Deep のの記事で取り上げています。
・感染した人の半分が「打つ手がないまま死亡する」史上最強の耐性真菌カンジダ・アウリスが世界中に拡大。しかも、この真菌は地球で同時多発的に「突如」現れた奇妙な存在
In Deep 2019年4月7日
カンジダ・アウリスには、以下のような特徴がありました。致死率については、流行している地域によって異なるので、一概にはいえないですが、かなり高い致死率を持つ真菌です。
カンジダ・アウリスの特徴
・日本で最初に症例が発見(日本が発現地のひとつである可能性)
・しかし、この真菌の遺伝子を調べると、最初のひとつの発生地が特定できない(同時多発的に複数のゲノム配列のこの真菌が発生している)
・あっという間に世界中に拡大している
・感染した人の半数が90日以内に死亡 (スペインの病院では、 41%が 30日以内に死亡)
・ほとんどの病院が「対応手段を持たない」という現状がある
これは細菌ではないですので、一般的に用いられるのは、抗生物質ではなく、抗真菌剤ですけれど、「それが効かない」のです。
そして、これはカンジダ・アウリスに限った話ではないのですが、一般的に、カンジダ菌(多数あります)の感染は、
> 多くの場合、カンジダ症は免疫力が低下している人が病院で罹患する。 Wikipedia
となっていまして、つまり「免疫不全」の入院患者などが罹患しやすい病気です。カンジダ・アウリスの死亡率が高いのは、入院しているような人たちに感染しやすいことと、もともと免疫が弱っている状態であるということもあるかもしれません。
仮にですが、現在のカンジダ・アウリスの流行の原因が、
「免疫不全の人たちが多くなっているため」
だったとした場合、この「免疫不全」という状態が「いつ頃から始まったか」ということについて、アメリカ CDC のグラフが興味深い点を示しています。
「 2021年が起点になっているように見える」
のです。
アメリカ国内のカンジダ・アウリスの臨床症例報告数の推移
CDC
2023年(4,514件)は、2019年(477件)の 10倍近くの症例が報告されています。
何となくですが、最近 In Deep に書きました以下の記事にあるイスラエル兵の PTSD 症例の推移とどこか共通するグラフになっています。
・脳死へ向かう人類:数十億の人間の「脳」が2021年以来損傷し続けていることを示すイスラエル兵のデータとアメリカの統計…
In Deep 2025年9月15日
免疫低下が蔓延しているとした場合、推定される原因(ここではあえて書きません)が「仮に」世界共通であるなら、日本でも、カンジダ・アウリスの流行が発生する可能性はあり得ます。
欧州疾病予防管理センターの報告を取り上げていた米エポックタイムズの記事です。
多剤耐性菌がヨーロッパで急速に拡大:欧州疾病予防管理センターの報告
Multidrug-Resistant Fungus Spreading Rapidly in Europe: ECDC
Epoch Times 2025/09/12
米国では2016年に最初の症例が報告されて以来、1万件を超える臨床症例が確認されている。
米CDCの研究所でペトリ皿で培養されたカンジダ・アウリス株。
欧州疾病予防管理センター(ECDC)は 9月11日の声明で、多剤耐性菌が欧州の病院で急速に蔓延し、医療システムと患者に大きな脅威を与えているとして、以下のように声明で述べた。
カンジダ・アウリス(C. auris)は、通常、医療施設内で蔓延する真菌であり、抗真菌薬に耐性を示すことが多く、重症患者に重篤な感染症を引き起こす可能性があります。様々な表面や医療機器に生息し、患者間で感染を広げる能力があるため、制御は特に困難です。
感染者数は増加しており、感染拡大の規模も増大しており、いくつかの国では地域内での感染拡大が続いていると報告されています。
米クリーブランド・クリニックによると、 カンジダ・アウリス感染の症状には、発熱、心拍数の上昇、体温の低下、疲労、耳の痛みや圧迫感、低血圧などがある。
欧州疾病予防管理センターが 9月11日に発表した調査報告書によると、2013年から 2023年の間に、欧州連合(EU)または欧州経済領域(EEA)諸国でカンジダ・アウリスの感染または定着の事例が 4,012件あった。
定着とは、病気を引き起こさずに宿主の体内に真菌が存在することを指す。
欧州疾病予防管理センターは、感染が急速に拡大しているのは、以前は感染していなかった地域でも流行しているためだと述べている。
報告書によると、この期間にカンジダ・アウリスの症例数が最も多かったヨーロッパの上位 5カ国は、スペインの 1,807件、ギリシャの 852件、イタリアの 712件、ルーマニアの 404件、ドイツの 120件だった。
2020年以降、症例数は急増しており、2023年には 18か国から 1,346件の症例が報告されたという。
「この増加にもかかわらず、多くの国で組織的な監視が実施されていないため、記録された症例数は氷山の一角を反映しているにすぎない」と報告書は警告している。
ギリシャ、スペイン、イタリアでは、最初に記録されたカンジダ・アウリスの症例から、その地域で感染が風土病になるまでに 5年から 7年が経過していることを受けて、声明は以下のように述べている。
これは、カンジダ・アウリスが病院ネットワークを通じていかに急速に広がる可能性があるかを示しています。
カンジダ・アウリスの急速な拡散は深刻な懸念事項であり、ヨーロッパの医療システム全体にカンジダ・アウリスが蔓延し続ける高いリスクを示唆していいます。
カンジダ・アウリスの症例が増加し、地理的に広範囲に分布するにつれて、持続的な制御はより困難になると思われます。
報告書は、患者への影響を軽減するために、早期発見・監視システムや迅速な感染予防・制御措置を実施することを提案した。
欧州疾病予防管理センターは声明の中で、ヨーロッパ 36カ国のうち、現在カンジダ・アウリスを監視する国家監視システムを備えているのは 17カ国のみであり、国家レベルで具体的な感染予防および管理ガイドラインを策定しているのは 15カ国のみであると述べた。
「カンジダ・アウリスは、わずか数年の間に、散発的な症例から一部の国で広く蔓延するまでに広がりました」と、欧州疾病予防管理センターの薬剤耐性および医療関連感染部門の責任者であるディアマンティス・プラショウラス博士は述べた。
「これは、病院内でいかに急速に定着するかを示しています。しかし、感染拡大阻止は避けられないことではありません。早期発見と迅速かつ協調的な感染対策によって、さらなる感染拡大を防ぐことは可能です」
アメリカ疾病予防管理センター (CDC)の 2024年4月の投稿によると、カンジダ・アウリスに感染または定着した患者は、ベッドレールやドアノブなど、医療現場の物体に菌を拡散させる可能性がある。
CDCによれば、他の人がこれらの表面と接触し、菌が定着したり感染したりする可能性があるという。
「カンジダ・アウリスは、主に重篤な基礎疾患を抱える患者や、複雑な医療ケアと侵襲性医療機器を必要とする患者に感染します。侵襲性医療機器はしばしば必要となりますが、カンジダ・アウリスが体内に侵入する経路を作り出してしまうのです」と CDC は述べている。
侵襲的医療機器 (体内に器具を挿入したりするような医療器具)の例としては、呼吸チューブ、尿道カテーテル、栄養チューブなどがある。
CDC によると、米国では、最初のカンジダ・アウリス感染が報告された 2016年以降、臨床症例数は増加し続けており、2023年には米国で 4,514件の新たなカンジダ・アウリス臨床症例が確認された。
2016年から 2023年の間に合計 10,788件の臨床症例があり、カリフォルニア州、ネバダ州、フロリダ州、ニューヨーク州、イリノイ州で最も多くの症例が発生している。
コメント