トルコに次々とシンクホール（陥没穴）が出現している。その数なんと700

世界の出来事

2025.12.14

預言的な話か歴史的な水不足からの話か

トルコで、ここ数年、次々とシンクホール（陥没穴）が発生していることが報じられています。その総数は 700近くに達していて、中には冒頭のようなかなり巨大なものもあるようです。

シンクホールの発生自体は珍しいことでもなく、世界中で日常的に起きていることですが、トルコの場合、発生頻度が高すぎるようです。

今回ご紹介する英デイリーメールの記事のタイトルは、「聖書の預言を反映するようにトルコで約700の巨大な陥没穴が出現」というような挑発的なものとなっていますが、これは、聖書の「民数記」というものにある以下の部分を指していると思われます。

民数記 16章 32節

地は口を開き、彼らとコラの仲間たち、その持ち物一切を、家もろとも呑み込んだ。

この「コラ」という人は、モーセに反逆し、結果的に穴の中に飲み込まれて消えてしまう人です。

シンクホールが多発すると、こういう解釈が出やすく、9年前の以下の記事では、世界的にシンクホールが多発していた頃、イスラエルのメディアがやはり民数記と結びつけていた記事をご紹介しています。

この「福岡の」というのは、2016年11月8日に、福岡の街中に巨大なシンクホールが発生した以下のときのことを示しています。

2016年11月8日に九州・福岡市で発生したシンクホール

実際のところは、トルコのシンクホールの多発は干ばつによる部分が強いらしく、地下水が消失していることによって、シンクホールが発生しやすくなっているようです。

干ばつが発生している地域は今の地球にはかなり多く、シンクホールの発生も今後も増えていく可能性が高いのかもしれません。

もちろん、干ばつとは関係のない、要因が謎のシンクホールの発生も結構ありますけれど。

聖書の予言を反映するように、トルコ全土で深さ数百フィートの巨大なシンクホールが次々と開いている。

旧約聖書の民数記第6章には、大地が裂けて人々を飲み込んだのは反逆に対する神の罰であると記されており、主要な小麦栽培地域であるコンヤ平原で大規模な崩壊が起こったことから、この関連性を指摘する人たちもいる。

多くの人たちが、この現象の増加を「神が動いている」兆候だと解釈している。

しかし、科学者たちは、はるかに現実的な原因を指摘している。トルコの災害緊急事態管理局は、コンヤ平原で 648個の巨大なシンクホールが発生したと報告しており、その主な原因は深刻な干ばつと過剰な地下水汲み上げだという。

コンヤ工科大学の研究者たちは、過去 1年だけで 20カ所以上の新たなシンクホールを発見しており、2021年までに地盤がゆっくりと沈下したり陥没し始めている場所がすでに 1,900カ所近く地図上に追加された。

2000年以前は、10年ごとに数個のシンクホールが出現しただけだったが、気候変動と長期にわたる干ばつにより、過去 25年間で陥没穴が劇的に増加したとされている。

現在、毎年数十件の巨大な崩落が発生しており、その中には幅が 100 フィート（約 30メートル）を超えるものもある。

地下水位の低下が問題を引き起こし、井戸の干上がり、生態系の悪化、作物の減少、地盤沈下などを引き起こしている。テンサイやトウモロコシの収穫量を確保するために、農家がより多くの水を汲み上げていることが、状況をさらに悪化させている。

科学者たちは、地下水位の低下が地域社会や生態系を脅かしている米国、アジア、中東、地中海、オーストラリアの一部地域でも同様のリスクが発生する可能性があると警告している。

トルコ・トゥデイ紙は、一部の農家はすでに作物を失ったり、危険すぎると判断された畑を放棄せざるを得なかったりしていると報じた。

NASA の地球観測衛星によると、トルコの貯水池は 2021年に 15年ぶりの最低水位に達した。

トルコの地質学的研究によると、コンヤ平原の一部の地域の地下水位は過去数十年間で劇的に低下しているという。