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積み上げてきた平和国家、一瞬にして瓦解 歴史に刻まれるであろう2.8総選挙の暗黒とこの国の行く末(中)

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歯止めのかからない円安 政治・経済

積み上げてきた平和国家、一瞬にして瓦解 歴史に刻まれるであろう2.8総選挙の暗黒とこの国の行く末(中)

日銀が金利を上げても円安・株高が止まらない異様経済の行く末は?

「責任ある積極財政」を掲げる高市政権が大勝したことで、さっそくマーケットは「円」と「国債」の暴落を警戒している。高市政権の発足以降、すでに円と国債はモノ凄い勢いで売られている。

 新発10年物国債の利回りは、昨年10月の高市内閣の発足時には1.6%だったのに、昨年12月に2%まで上昇(国債価格は下落)し、高市が「行き過ぎた緊縮財政を終わらせる」と発言した翌日(1月20日)には、27年ぶりの水準となる2.380%に達してしまった。

 為替も、1ドル=150円前後から一時、1ドル=159円まで「円安」が進み、足元では1ドル=157円前後の円安水準となっている。

 日本円と国債が売られているのは、市場から「財政悪化に歯止めが利かない国」とみられているからだ。恐ろしいのは、本来、金利を上げれば「円高」に振れるのに、日銀が利上げしても「円安」が進んでいることだ。「利上げが利かない」状況は、「トラスショック」(株安・通貨安・債券安)直前の英ポンド相場でも起こったことだ。

 円安が進めば、輸入インフレが止まらず、さらに家計は苦しくなってしまうだろう。また、国債価格が下落して金利が上昇すれば、企業の借り入れや住宅ローンの金利が上がり、こちらも家計を直撃する。

 いずれにしろ「円安」も「国債安」も庶民にはマイナスが大きい。

 問題は、高市自民党が選挙で圧勝したことで、この「円安」と「国債安」がどうなるかだ。

「円安も金利上昇(国債価格下落)も、止まらない恐れがあります。そもそも、高市首相は『円安』を望んでいるフシがあります。選挙中『円安は輸出産業にとっては大チャンス。外為特会の運用、ホクホク状態だ』と口を滑らせたのはホンネでしょう。さらに、ホンネではインフレも歓迎しているのだと思う。インフレになれば黙っていても税収が増えるからです。インフレが進行すれば、当然、それに合わせて長期金利も上昇してしまいます」(経済評論家・斎藤満氏)

 いつ日本版「トラスショック」が起きてもおかしくない。

 はたして中国との関係はどうなるのか──。これも高市自民党が歴史的な大勝をしたことで懸念されていることだ。

 いわゆる高市の「台湾発言」以来、日本と中国は、修復不可能なほど関係がこじれてしまった。 政治家の往来だけでなく、財界人の往来までストップしている状態だ。

 8日フジテレビの選挙特番で高市は、靖国参拝について「環境を整えるために努力している」と、またしても中国を刺激しかねない発言をしている。

 元外務省国際情報局長の孫崎享氏がこう言う。

「タカ派の高市首相は“対中強硬姿勢”を示すことで有権者の支持を集めたこともあり、もはや中国に対して弱腰姿勢は見せられないでしょう。台湾問題が絡んでいるから、中国も日本と妥協する余地がない。どちらも譲歩できない状態です。最大のリスクは、やはり尖閣諸島でしょう。一触即発の事態になった時、自国の領土だと主張している中国は引かず、強硬姿勢が売りの高市首相も引くに引けないでしょう。最悪の事態も想定されます」

 しかし、軍事大国、経済大国の中国と対立することが国益につながるのかどうかは、疑問が残る。

「中国に対して強く出れば、支持者から称賛され、高市内閣の支持率もあがるでしょう。しかし問題は、中国とケンカして勝ち目があるのかどうか、ケンカに勝つ“手札”があるのかどうかです。中国にとって日本は、輸出全体の3%しか占めないから、日本市場を失っても打撃は小さいでしょう。一方、日本は中国からレアアースの輸出を止められたら、日本経済が壊滅的な打撃を受けかねない。半導体もEV自動車もつくれなくなってしまう。残念ながら、中国の方が“切り札”が多い。あのトランプ米大統領も、中国にケンカを売ったはいいが、マイナスが大きいと判断して関係修復に動いているほどです。米国だけでなく、昨年末から今年にかけて、英、仏、加、アイルランド、フィンランド……と、欧州の首脳が次々に中国を訪れ、関係を深めている。ドイツの首脳も今月、訪問する予定です。このままでは、日本だけが中国と対立しているということになりかねません」(孫崎享氏=前出)

 高市政権が続く限り、日中関係の修復は絶望的だ。その間、国益が損なわれる恐れが強い。

 高市自民バカ勝ちの流れに棹さした要素のひとつは、大手メディアの報道だ。

 高市は昨年まで「解散について考えている暇はない」と繰り返してきたが、年頭会見では「いずれにしましても、まだ2カ月半です」と歯切れが悪かった。すると5日後、政権寄りの読売 新聞が朝刊トップで「解散検討」と特報。そこから一気になだれ込み、解散から投開票まで戦後最短の16日間、真冬の総選挙に突入した。序盤に「自民、単独過半数うかがう」と朝刊トップで報じたのも読売だった。

 前出の金子勝氏は「高市首相が大義のない衆院選で勝利を収めたのは、自身への信任を求め、構図を極端に単純化したからです」と言い、こう続ける。

「物価高に苦しむ有権者の関心事である消費税減税をめぐっては、前向きな姿勢を見せて野党に抱きつき、争点潰しをした。結果、総選挙は人気投票化。総務相時代の高市氏に『停波』をチラつかされたテレビの多くも忖度したのか、選挙報道というよりは、首相の動きを実況中継していたと言っていい。メディア側の腹が据わる前に奇襲のような解散を打たれたとはいえ、有権者に選択の材料を与えたとは言い難い。ましてや、序盤で自民圧勝の流れをつくるような報道は、投票行動に少なからず影響を与えたはずです。野党がここまで力を失った今、メディアが第4の権力として監視を強めなければ、独裁化する政権を止められません」

 権力に添い寝するのか、国民に寄り添うのか。選択肢となること自体が異常ではあるものの、分水嶺だ。

 

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