AIのミス?採点厳格化の影響? 協会「評価は何重にもチェックしている」
白紙ではないのに0点だった──。英検(実用英語技能検定)1級のライティング(英文要約)問題をめぐり、受験者からそんな声が相次いでいる。
SNS上では「AIによる採点ミスでは?」といった憶測も広がり、英語教育者からは「採点基準が厳しすぎたのではないか」との指摘も出ている。
英検1級は国内最高峰レベルの英語試験として知られ、大学入試や各種選抜での活用も広がっている。受験者の進路に影響する試験だけに、波紋は小さくない。
英検を実施する日本英語検定協会は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、採点の厳格さや公平性を強調した。一方で、具体的な基準や個別の評価内容については明らかにできないとの立場を示した。
●「0点」報告が相次ぐ背景に採点基準の変更?
今回、「0点」の報告が相次いだ背景には、採点基準の変更があったとみられる。
英検協会は2025年4月、1級から準2級プラスまでのライティング(英文要約)問題について、問題冊子の指示文と解答用紙の表記を一部変更したと発表した。
これまで「Suggested length(語数の目安)」とされていた表記を改め、1級では「Summarize it between 90 and 110 words.」といった形で、語数を明確に指定する表現に変更している。
英検協会はその理由について、「従来は語数幅を“目安”として提示しており、どの程度の語数が求められているか分かりづらかった。近年、英検の資格が入試等でより重視されるようになっており、受験者の英語能力をより適切に測定するため、指示内容を明確にした」などと説明している。
●「語数を数えることで英語力を測れるのか」
ただし、こうした採点基準の変更をめぐっては批判の声も上がっている。年度途中からの変更について、「受験生への周知が足りていなかったのではないか」との指摘がある。
また、語数が厳格に制限されたことから、「0点だった人は語数が足りなかったり、オーバーだったからでは」という声もあったが、「語数は守った」としながらも「0点だった」と訴える人もおり、混乱は収まっていない。
こうした状況を受け、英語教育者の間では英検協会に異議を申し立てる動きも出ている。ある英語教育者は次のようにXに投稿した。
「私の受講生さんの中には、健康上の都合で無理をすると深刻な状態になり得る中、それでも合格のために全力で頑張っている方がいます。
また、3年単位で、何度も泣きながら受験を続け、努力してきた方もいます。
皆、精神的に苦しみながら、体も壊しながら、さまざまなものを我慢し犠牲にして、年単位で努力してきています。
そのような方々の努力が、(原因が単語数かどうかは不明ですが)理不尽で曖昧な理由による採点によって、一瞬で水の泡になることがあってはならないと思います」
さらに、「数を数える行為が『英語力』を測るために本当に必要なのか」と疑問を投げかけている。
●英検協会「詳細については回答を差し控えたい」
こうした状況について英検協会は、弁護士ドットコムニュースの取材に対し、民間英語検定試験が合否や進路に直結する“公的な性格”を帯びている点を強調。そのうえで、採点体制について次のように説明した。
「答案の採点にあたっては、あらかじめ提示している設問の要件への準拠を含め、厳正かつ客観的な評価を行っています。厳密な審査体制のもと、何重にもチェックを重ねて対応しています」
一方で、採点基準の詳細や、なぜ0点となったのかといった個別事案については、「公平性を期す観点から、これ以上の詳細については回答を差し控えたい」とし、具体的な説明は避けた。




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