トランプ大統領はイラン情勢の真実を知らされておらず、取り巻き連中がトランプをコントロールしている。ゆえに、カーグ島侵攻作戦も失敗する可能性が大きい。結局はアメリカが破滅する方向に誘導されているのか?
真実を一切知らされていない合衆国大統領
3月24日、米国大統領は、「我々はイランとの戦争にすでに勝利している」と述べたことが報じられていました。
以下のように述べたのですね。
「我々はすでに勝利した。イランは軍事的に消滅した。彼らは死んだ状態だ」
ところが、その翌日の米ニューヨークタイムズ紙の記事が明らかにしたところでは、
「軍事的に死んだ状態なのはアメリカ軍かもしれない可能性」
が明らかになっています。
中東にある 13の米軍基地のうち 11の基地がイランの攻撃により居住不可能な状態になっていることが判明したのです。
こちらの記事で訳していますが、以下のような状態のようです。
報道より
3月25日のニューヨーク・タイムズ紙によると、中東にある米軍基地はイランからの攻撃により甚大な被害を受けているという。
米軍が使用するこの中東地域の 13の軍事基地の多くは、事実上居住不可能な状態にあり、イランに隣接するクウェートの基地が最も大きな被害を受けている。
シュアイバ港への攻撃では、米軍の戦術作戦センターが破壊され、米兵 6人が死亡した。
このイランの攻撃により、軍はホテルや事務所に避難を余儀なくされ、分析によると少なくとも 11の基地が損傷を受けている。
中東のアメリカ軍基地がこういう状態となっている中、どんな精神状態で、「我々はすでに勝利した」と言えるのだろうと疑問に思っていたのですが、米 NBC ニュースの記事で、
「実はトランプ大統領自身が、実際の戦争の状況を周囲から知らされていない」
ことが明らかになりつつあります。
トランプ氏を取り巻く人々は、大統領に「アメリカ軍優勢の部分しか見せず」、そのような情報ばかりを聞いたり、あるいはビデオで見続けているトランプ氏は、「何も知らない状態」である可能性が高くなっているのです。
大統領自身が「大本営発表を信じている」状態とも言えます。
こうなってくると、やや悲哀さえ感じさせる展開ではあるのですが、NBC ニュースの内容を伝えていた米ゼロヘッジの記事をまずはご紹介します。
報道によると、トランプ大統領の毎日の軍事ブリーフィングでは、イラン戦争における後退が隠蔽されているという
Report Alleges Trump’s Daily Military Briefing Scrubs Out Iran War Setbacks
zerohedge.com 2026/03/26
NBCの最新報道によると、イラン戦争が始まって 1ヶ月近くが経過し、世界的な石油市場の混乱の中でワシントンが出口戦略を見つけようと苦慮している中、トランプ大統領にはイラン戦争の現状について非常に不完全な情報しか伝えられていないという。
報告書によると、国防総省がトランプ大統領に提供する日々の軍事ブリーフィングでは、 過去 48時間に行われたイランの標的への最大規模かつ最も成功した攻撃を示す約 2分間のビデオアップデートが上映される。否定的な展開はしばしば省略されたり、軽く扱われたりする。
匿名の米当局者らは、大統領がおおむね好意的に反応するビデオによるブリーフィングが、現状の全容を反映していないのではないかと懸念を表明している。
また、イランの軍事装備や基地、施設が爆破される様子を映したこれらのブリーフィングに対し、トランプ大統領の側近らはより肯定的な見解を示していると報じられている。
ホワイトハウス報道官のカロライン・リービット氏が否定した NBC の報道は、要するにトランプ大統領が重大な不利な事態について適切な報告を受けていないことを示唆している。
言い換えれば、ブリーフィング担当者が彼が聞きたい情報だけを優先し、悪いニュースを伝えることを恐れているのではないかという懸念がある。
NBC ニュースは以下のように伝えている。
彼らによると、これらの動画はトランプ大統領の戦争報道に対する不満を募らせている要因の一つでもあるという。
現職の米政府高官と元米政府高官によると、トランプ大統領は日々の動画で描かれている成果を根拠に、なぜ政権が世論形成にもっと影響力を持てないのかと疑問を抱き、側近に対し、なぜ報道機関が自分の見ているものを強調しないのかと問いかけているという。
リービット報道官は、これらすべてをブリーフィングルームにいない人々による「まったくの虚偽の主張」だと繰り返し述べているが、NBC は自社の報道と矛盾しないと思われる以下の例を挙げている。
現職の米当局者の一人によると、今月、サウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地で、米空軍の空中給油機 5機がイランの攻撃を受けた事件があった。
トランプ大統領はこの攻撃について事前に報告を受けておらず、報道で事態を知ったという。トランプ大統領が問い合わせたところ、機体の損傷はそれほどひどくなかったと伝えられた、と当局者は述べた。
当局者によると、トランプ氏は報道に対し、舞台裏で激怒したという。公には、彼は Truth Social に投稿し、今回の攻撃に関する報道は誤解を招くものであり、報道機関は米国が「戦争に負けることを望んでいる」と非難した。
政権側が当初、作戦「エピック・フューリー」はかなり短期間で完了すると予測していた(開始当初はわずか「数日」とされていた)ことを考えると、戦略、戦術、ビジョンに関して、トランプ政権の元高官からも批判が高まっている。
例えば、次のような意見がある。
15,000の標的が攻撃された。
重大な軍事的成功はあったが、それらは戦略的成果によって裏付けられていない。
当初に浮上した戦略的成果の一部 — 無条件降伏、政権交代、「次の最高指導者は我々が指名する」 — 等は明らかにナンセンスだった。
それは妄想だった。
ワシントンとテヘランの間で何らかの公式和平交渉を実現しようとする動きが広がる中、多くの独立系アナリストは、イランは実際には米国に、特に経済面と政治面において、大きな代償を負わせる立場にあると指摘している。
しかし、米軍の公式声明は、トランプ大統領が最近ますます繰り返している「我々は勝利した」という発言の材料を提供するだけのように見える。NBC が引用した国防総省のショーン・パーネル報道官の声明には、以下のように記されている。
「エピック・フューリー作戦は圧倒的な成功を収め、我が軍は比類なき精度で任務を遂行し、当初設定されたすべての目標を達成した。ピート・ヘグセス陸軍長官は、エピック・フューリー作戦のあらゆる側面についてトランプ大統領と常に連絡を取り合っている。我々は兵士たちの卓越した働きを誇りに思い、最高司令官の決定に全幅の信頼を置いている」
ここまでです。
他にも NBC ニュースの記事からは、さまざまな状況が見て取れます。一部ご紹介します。
米国と世界を破滅に追い込むのは大統領ではなく、取り巻きの側近たちなのかもしれない
大統領に真実を言わないというこの状況は、「開戦前」から起きていたようで、つまり、現在多くの国で問題となっているのは、戦争そのものより、ホルムズ海峡の閉鎖による物流の停滞、あるいはカタールなどの湾岸諸国の石油施設や天然ガス施設に対してのイランの攻撃によるエネルギー危機などにあるわけです。
しかし、こんなことは、普通に考えれば、「イランが本格的に攻撃されれば、ホルムズ海峡を閉鎖するだろうし、周辺国のアメリカ軍基地やエネルギー施設を攻撃するだろう」と、私たちのような素人でも想像がついた展開ですから(イランは、2023年からずっとホルムズ海峡の閉鎖について言及していました)、今回、アメリカがイランを攻撃した際に、米国大統領は、
「イランの反応に驚いた」
と述べていたことがあり、「何言ってんだ、この人」と思ったことがあります。
そして、NBC ニュースの記事で知ったのは、イランがこのような対応を取ってくることも、実は事前に大統領には知らされていなかったのでした。
NBC ニュースには以下のようにあります。
NBC ニュースより
ギャバード国家情報長官とラトクリフCIA長官は、ホワイトハウスは開戦前に、イランが攻撃を受けた場合、中東のエネルギー施設への攻撃やホルムズ海峡の商船への脅威で報復する可能性が高く、原油価格や世界経済に影響が出る可能性があるという情報評価を受けていたと証言した。
しかしトランプ大統領は先週、イランの反応は予想外であり、「専門家は誰もそのような反応を予測していなかった」と示唆した。
つまり、トランプ大統領は、開戦前に、
「この戦争はほんの数日でアメリカの圧倒的な勝利に終わり、イランの反撃もほとんどないだろう」
と「本気」で確信していたようなのです。
ウソや強がりを言っていたというより、一国の大統領が自国が行う戦争について、完全な情報弱者となっていたわけです。
「だめだこりゃ…」とは思いますが、しかし、ここまでそのようなことになっていたのなら「これからもそうである可能性が高い」ようにも思います。
つまり、アメリカ高官の中で「大統領だけが、アメリカ軍の圧倒的勝利を信じている」という状況ですね。
実際には、冒頭のニューヨークタイムズの記事のように、中東のアメリカ軍基地は、そのほとんとが機能を失っていて(このことをトランプ氏が知っているかどうかは不明)、反撃も何もない状態です。それに加えて、イスラエルの新聞は、「米国の迎撃ミサイル備蓄は枯渇しつつあり、補充に数年かかる」と報じています。
さらに、「ロシアがイランにドローンや食料を送っている」ことが FT 紙の報道で明らかになっています。
ロシアは戦争遂行を支援するため、イランにドローンを送っていると西側情報機関が発表
報道によると、ロシアは米国とイスラエルに対する戦争遂行能力を強化するため、イランへのドローン、医薬品、食料の段階的な輸送を間もなく完了する予定だ。
イランとロシアの高官らは、イスラエルと米国が先月テヘランへの最初の攻撃を開始した数日後、ドローンの配備について秘密裏に協議を開始したと、情報機関から説明を受けた 2人の当局者がフィナンシャル・タイムズ紙に語った。西側情報機関によると、ロシアは 3月初旬に納入を開始し、月末までに完了する見込みだという。
independent.co.uk 2026/03/25
こんな状態で、イラン上陸作戦を本当に行うのか
このような中で、アメリカはイランのハーグ島(カーグ島)という石油輸出の中心となっている島を占拠するためにアメリカ軍の地上投入を計画していると言われています。
決定したわけではないでしょうが、これも仮に行われれば、アメリカ軍にとって、きわめてリスキーな展開になり得ます。
元アメリカ陸軍将校であるダニエル・L・デイビス中佐は、この作戦について「基本的な軍事知識の欠如が露呈している」と批判していました。イラクやアフガニスタンで戦った経験を持つ将校です。
以下に翻訳しています。
・米軍の「イラン・ハーグ島への上陸作戦計画」についての元アメリカ陸軍将校の意見
NOFIA 2026年3月25日
> その部隊はどうやって補強され、再補給されるのか? 負傷した兵士たちはどうやって島から脱出するのか? 彼らはどうやって弾薬、兵器、食料、燃料、水を絶えず補給されるのか?
と、現実に即した疑問を提示しています。戦争というのは、実は「補給が最も重要」であって、これがなかった太平洋戦争時の日本軍は悲惨な状況に追い詰められました。
デイビス中佐は暗に「上陸が実施されれば、多数のアメリカ軍兵士が死傷するだろう」とほのめかしています。
ダグラス・マクレガー元陸軍大佐も、以下のように述べていました。
「地形を見てほしい。海峡の両側の海岸線は本質的に千フィート (約300メートル)の崖になっている — 最悪の意味での上り坂突撃だ」
「一度そこに座り込んだら、何の実際の支配もできない。島の上にあるものは粉砕される — ロケットとミサイルで(イラン軍から)飽和攻撃される。その上にあるものはすべて一掃される」
マクレガー大佐も、「地上部隊でホルムズ海峡を確保するのは不可能であり、上陸は決して行ってはいけない」と述べています。正気の沙汰ではないと。
しかし、裸の王様にこのことが伝わるかどうかは不明です。大統領の側近たちは、「上陸してアメリカ軍がイランとホルムズ海峡を占拠する」という妄想を大統領に与え続け、蒙昧のトランプ大統領は、それを信じるかもしれません。
イランへの上陸は、イラン側の態度をさらに硬化させ、石油や天然ガスや肥料を含む物資の流通は、ますます停滞する可能性が高く、世界的に事態が悪化すると見られます。
イランの戦争が始まった頃に「赤い月の後、すべてが始まる」というタイトルの記事を書きました。3月3日に皆既月食で月が赤くなったというだけの話ですが、象徴的ではありました。
そして、裸の王様帝国による、本格的な終末への道がさらに見えてきているように感じます。
マイコメント
結局はアメリカ大統領トランプには実質的な決定権はないに等しく、すべては
取り巻き、日本で言えば官僚に伝えられる内容(真実が含まれてない)だけ聞
かされ、彼らの思う方向に誘導され決定権を行使しているということです。
これは日本の政治も同じようなものです。
日本で言えば「財務官僚」です。
彼らは国の予算を牛耳り、彼らの望む方向に政策を進めるために首相近辺には
財務省から出向した官僚が宛がわれ、様々な情報を提供し彼らの望む方向に
コントロールする。
それが嫌で安倍総理は官邸主導型の指令室を作ったと言われています。
官僚は本当のことは言わない。これは世界共通のようです。
従って、今回の戦争は彼らの望む方向にコントロールされることになり、終わり
の見えない戦争に突き進む可能性があります。
現にウクライナとロシアの戦争も当初1か月で終わると言われながら現在も続い
ていることからも明らかです。
結局、歴史は操られているということです。







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