米国で悲劇的なMRI事故が起きた。ニューヨーク州ロングアイランド在住の男性がMRI装置に吸い込まれた後、死亡した。事故当時、男性は南京錠を付けた20ポンド(約9キログラム)のチェーンネックレスを身につけていたという。米メディア「ニュース12ロングアイランド」が先日、報じた。

 61歳のキース・マカリスターさんは16日、MRI検査施設「ナッソー・オープンMRI」で起きた事故の翌日、数回の心臓発作を起こして亡くなった。

 事故当時、妻のエイドリアン・ジョーンズ・マカリスターさんはMRI装置で膝のスキャンを受けていた。

 通常、検査終了後、技術者と夫が検査室に入ってきて、MRIのテーブルからエイドリアンさんが立ち上がるのを手伝ってくれていた。

 エイドリアンさんは「夫が技術者とともに検査室に入った時、機械が突然、夫をひったくったんです。彼は私の腕の中で力が入らなくなり、そのことが今でも私の脳裏に焼き付いて離れません」と語った。

 2人は、キースさんを機械から引き離そうとしたが無駄だった。その間、エイドリアンさんは誰かに機械の電源を切ってほしいとずっと懇願していた。

「私は『機械を止めて、911に電話して、何かして、このいまいましい機械を止めろ!』と叫びました」

 キースさんはウエートトレーニングの一環として20ポンドのチェーンネックレスをしていた。〝見逃しにくい〟チェーンネックレスをしていたにもかかわらず、技術者は、キースさんを検査室に入れることを許可した。

 エイドリアンさんは「技術者がそのチェーンを見たのは初めてではなかったんです。以前にもそのことについて話し合ったことがあるんです」と言った。

 MRI装置の安全規則では、検査室への金属類の持ち込みが禁止されている。通常、検査室に入る前に着替え、体内にインプラントや金属がないか検査を受ける必要がある。