宮城県大崎市 農業用水を供給する鳴子ダムの貯水率が0%に
猛暑に加え雨が少ない日が続く中、農業用水を供給している宮城県大崎市の鳴子ダムの貯水率が29日未明、最低水位の0%となりました。鳴子ダムでは、通常は使用しない最低水位以下の水を緊急放流する対応をとっています。
宮城県内では猛暑に加え、6月から7月にかけて雨の少ない状態が続いていて、鳴子ダムの上流に設置されている雨量計で観測した、7月1日から28日までの総雨量は30.7ミリとなっています。
このため、例年この時期、78%ほどの貯水率がある鳴子ダムは29日午前3時すぎ、最低水位の貯水率0%となりました。
鳴子ダムの貯水率が0%となるのは平成6年以来、31年ぶりです。
ダムの水は周辺の自治体の水田に農業用水として供給されていますが、ダムを管理する国土交通省東北地方整備局は、通常は使用しない最低水位以下の水を緊急放流する対応を取っているということです。
緊急放流された水は通常より水温が低く、濁っている可能性はあるものの、農業用水としては問題はなく、稲の生育に必要な量の水は確保できる見通しだということです。
国土交通省東北地方整備局鳴子ダム管理所の小嶋光博所長は「下流の皆さんには節水をお願いしているが、このまま雨が降らなければ2週間強で水が尽きてしまうことになる。早く雨が降って状況が回復することを願っている」と話していました。
コメ農家の男性「雨が降るのを期待する以外ない」
大崎市内でコメを生産している80代の男性は「この辺りまでは水は来ているがここから下の方はほとんどゼロで、機械を使って水をあげている。コメの収量については半分になるのではないか。予報を見ると雨が期待できる状態でないのでさらにひどい渇水が予想される。農家にとって水は命で、なんとか雨が降るのを期待する以外ない」と話していました。
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