「お粗末な法案」と憤る店主 ガソリンと軽油の“価格が逆転する可能性”
暫定税率廃止めぐり与野党が協議
ガソリン価格についてです。「レギュラーガソリンよりも軽油の方が安い」というのはおなじみの光景ですよね。しかし、今、この価格が逆転する可能性が出ています。その理由はガソリン減税です。どういうことなのでしょうか?
都内のガソリンスタンド。オーナーは憤っています。
西綾瀬サービスステーション 三枝直樹 店長
「お粗末な法案。軽油抜きに暫定税率廃止ならやる意味があるのか」
怒りの先はガソリン減税です。減税で安くなればよいのでは、と思いきや…
西綾瀬サービスステーション 三枝直樹 店長
「今回の法案だと軽油が(減税対象から)除外なので、ガソリンより高い軽油がうまれてしまう」
高い軽油がうまれるというのです。どういうことか?
今月、野党が国会に提出した減税の法案。現在175円程度のガソリンには段階的に補助金を増やしていき、減税に切り替える予定で、結果、160円程度になる計算です。
一方の軽油。現在155円程度ですが、地方自治体の税収減を懸念して減税は行いません。さらに、10円の補助金がなくなれば165円程度に。価格が逆転する可能性があるのです。
ガソリンスタンド利用客
「おかしいような感じがする。軽油は建設の資材で使うことが多い。ガソリンと同様、値下げしてもらったほうが助かる」
最もあおりをくうのが軽油を使う物流業者です。首都圏に食品を配送するこちらの会社。およそ200台のトラックの燃料はほとんどが軽油です。
茨城乳配 横須賀修 取締役
「不公平感は感じている。かなり経営を圧迫してくる」
補助金がなくなると、年間2000万円以上負担が増えるため、配送費の上昇にもつながると懸念します。
茨城乳配 横須賀修 取締役
「ガソリンと軽油を同じぐらいのバランスで、暫定税率とか補助金のところをしてもらえれば」
また、減税にともなう財源も課題です。きょう行われた与野党6党の協議。ガソリン減税には少なくとも1兆円規模の財源が必要ですが…
自民党 宮沢洋一 税調会長
「各党からご意見を賜りまして、それぞれ立場が少しずつ違っていまして」
財源をめぐる野党4党の考えはバラバラで、まとまらなかったようです。また、財務省のある幹部は…
財務省幹部
「法人税を上げればいいんじゃないか」
増税が必要だと主張しています。
国民負担のあり方や公平性の問題などが山積の減税。その道筋は、まだ全く見えていません。
コメント