何を想定しているのか?の疑問の声が英国民から上がる
大量死への備え
英国政府が、国民の大量死に備えて準備される場合の「遺体収容用のテント」を大量に購入したことが報じられています。
現在、700人分の遺体収容テントが企業と契約されているとのことで、しかし、一方で、
「政府は何を想定して大量死への準備をしているのか」
という懸念もあるようです。
一般的には、ひとつはパンデミックなどの感染症への対応、もうひとつは戦争やテロなどへの対応としてとなるのでしょうが、そのあたりの具体的な部分は述べられていません。
日本でも、2022年2月に厚生労働省部局が、
「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」
という「広域火葬計画」についての通達を日本の各自治体の衛生部門に送付していました。
厚生労働省「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」文書
厚生労働省
この全文は、以下にあります。
・戦時そのもの: 厚生労働省部局が各都道府県に通達した「オミクロン株の感染流行に対応した広域火葬計画の整備について」という事務連絡
地球の記録 2022年2月13日
備えあれば憂いなしといったところなんでしょうかね(何か表現が違う気もするが)。
ともかく、英国政府は「何らかの事態の想定」はしているようです。
それについての、英テレグラフ紙の記事です。
大量死者用テントに対する英国内務省の入札 ― 「何を想定しているのか?」
Home Office tenders for mass fatality tents – ‘what are they expecting?’
express.co.uk 2025/08/21
新型コロナウイルスのパンデミック中にウェールズでいわゆるナイチンゲール病院を形成するために使用されたテント。
英国内務省が、巨大なテントで死傷者を治療または収容する必要が生じる「大量死」シナリオに備えるため、一連の契約を締結した。
COVID-19 危機の最暗黒時代を彷彿とさせるこの事態は、内務省が「既存の遺体収容能力を圧倒するほどの多数の死者を伴う大規模事故」と呼ぶ事態に備え、大規模な構造物の発注が進んでいる。
COVID-19 のパンデミックの間、英政府と軍は、COVID-19 による膨大な数の死傷者が NHS(国民保健サービス)の運営を圧迫するのではないかという懸念から、いわゆる「ナイチンゲール病院」と呼ばれる巨大な病院を次々と建設した。治療ベッドに加え、収容能力を強化するため、巨大な遺体安置施設も急遽建設された。
幸いなことに、ナイチンゲール施設の多くは十分に活用されなかったものの、内務省の「大量死者対応能力・レジリエンス・ストレージ・フレームワーク」の一環として、同様の準備が再び行われているようだ。
一部の契約の公表を受けて、リフォームUKの暫定支部長リー・ナラリンガム氏は X に次のように書いている。
「今週、英内務省は大量死者発生事態への備えとして、最大 700体の遺体を保管する能力を含む、100万ポンド (約 2億円)を超える契約を締結した」
ナラリンガム氏は「彼らは一体何を想定しているのだろうか?」と付け加えた。
あるソーシャルメディアユーザーは、「論理的に言えば、何かが起こった場合に備えて貯蔵を進めるという意味では、これは原則として良いことだが、しかし、現在の貯蔵能力を評価し、それが十分ではないと予測している人がいるのも同様に恐ろしい」と付け加えた。
英国への脅威に関して言えば、イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドにおけるテロ行為の総合的な脅威レベルは現在、「相当」、つまり攻撃の可能性が高いレベルとなっている。
「相当」は脅威の最高レベルではなく、「深刻な」つまり攻撃の可能性が高いレベル、そして「危機的な」つまり近い将来に攻撃の可能性が高いレベルに次ぐものだ。
感染症の脅威に関しては、英国保健安全保障庁(UKHSA)が最近、24の病原体ファミリーのリストを発表した。
これは、「パンデミックおよび流行の可能性」を比較的高い/中程度/低いレベルに分類したものだ。このリストには、中東呼吸器症候群(MERS)、エボラ出血熱、ジカウイルス、そしてもちろん SARS-CoV-2(別名 COVID-19 )といった、恐ろしく致命的な疾病が含まれている。
内務省は、大量死傷事件への備えに関する説明の中で、「既存の遺体保管施設の収容能力を超えるほどの多数の死者が出るような重大事件が発生した場合、内務省は要請のある地方自治体に緊急支援を提供する」と述べた。
声明は次のように続けている。「この規定の適用範囲は主にイングランドだが、地方分権政府(スコットランド、ウェールズ、北アイルランド)も参加する可能性がある」
最大 700人の死者を収容できるという中核要件の構成を、3段階に分けて概説すると、その最終段階は、COVID-19 のパンデミック時にナイチンゲール病院が設置したような、屋外に独立して設置できる代替の建物・構造物に関するものだ。
「冷蔵と冷凍の両方が可能な必要がある。主な要件は、肥満や断片的な死亡を含む少なくとも 450人の死亡者数だ。これは 5日以内に展開する必要がある」と声明は述べる。
内務省の広報担当者は、「この契約は、2005年から存在し、その期間のすべての政権下で維持されてきた能力を更新することを目的としている。これは、前政権下で 2023年に開始された調達プロセスである」と述べた。
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