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タトウーはリンパ節にも移行し悪性リンパ腫のリスクもある?!知られていないタトゥー(刺青)のリスク

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入れ墨 健康問題
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タトウーはリンパ節にも移行し悪性リンパ腫のリスクもある?!知られていないタトゥー(刺青)のリスク

崎谷先生のブログでタトゥー(刺青)のことを発信しておられたので元皮膚科医の視点から解説してみたいと思います。

こちらのブログ、是非読んで下さいね↓

 

タトゥーは皮内に色素(有機顔料・金属元素を含むことも)を注入する医療行為に近い手技です。

急性期の創傷・感染リスクに加え、アレルギー反応・肉芽腫・色素のリンパ節移行などの皮膚免疫学的影響が起こり得ます。

欧米当局はインクの微生物汚染・アレルゲン混入を継続監視しています。
 

  急性〜遅発の局所合併症

感染症

細菌性皮膚感染(まれに非結核性抗酸菌アウトブレイク)~蜂窩織炎。インク自体が未開封でも汚染している例があり、長期抗菌薬や外科処置が必要になることも。

アレルギー/過敏反応

紅色系などの色素で遅延型過敏反応や難治性丘疹・結節を形成。肉芽腫・瘢痕(ケロイド素因で悪化)も報告。

 

MRI時の熱感・疼痛(まれ)

金属含有色素により稀に熱感・やけど様症状。通常は一過性ですが、撮像前に申告が推奨。
 

  体内動態・長期影響(研究途上)

色素のリンパ節移行

ヒト検体の放射光X線解析で、皮膚から微小〜ナノ粒子が所属リンパ節へ移行・沈着することが実証されています。
 

悪性リンパ腫リスク

スウェーデンの集団ベース研究(eClinicalMedicine, 2024)では、タトゥー既往者で悪性リンパ腫リスクが21%高いという相関が示されました(因果は未確立で、追試が必要)。

インク成分と規制

EUはREACH規制で多数の有害物質の濃度上限を設定し、Pigment Blue 15:3/Green 7のタトゥー用途禁止を含む制限を段階的に施行。市場品の一部になお不適合例も指摘。
 

  除去(レーザー)に伴う留意点

Qスイッチやピコ秒レーザーでの色素分解によりアレルギー反応が増悪することがあり、アゾ色素の光分解で芳香族アミン等の有害分解産物が生じうるとの知見。難治例では切除やステロイド・免疫抑制の検討が必要。

 

  妊娠・授乳とタトゥー

妊娠中の新規タトゥーは感染(肝炎・HIV 等)と色素の安全性不確実性から延期が無難とされます(公式な禁忌ではないが多くの専門家が回避を推奨)。

  献血(日本)

日本赤十字社では施術から6か月以内は献血不可(感染症ウィンドウ期への配慮)。6か月経過後は医師判断。

  実務的な安全対策

 

衛生管理

オートクレーブ等の器具管理、使い捨て針、無菌希釈水使用を確認。インクのロット・色名の記録を残す。

既往歴確認

アレルギー体質、ケロイド体質、免疫抑制・皮膚疾患の活動期は慎重に。

術後ケア

発赤・腫脹の遷延、膿・発熱、遅発性の紅色局在性丘疹は早めに皮膚科受診。

 MRI前申告

広範囲・濃色タトゥー・アートメイクは念のため技師へ申告。
 

将来の除去を想定

アレルギー既往(特に赤系)ではレーザーで増悪し得る旨を事前説明。


皮膚科医の時にタトゥー(刺青)を除去したいという患者さんを診たことがあります。

レーザーで除去するのですが、範囲が広く大変そうでした汗

また完全にキレイになるわけではないので、除去したあとの皮膚の状態に満足できない人も多いです。

除去を希望する人は若気の至りとは言えタトゥーを入れたことをすごく後悔されていました。

ファッションでタトゥーを入れる若い人が多いようですが私は元皮膚科医の立場として大反対です。

異物を体に入れる行為だから。

当然体に良いモノを入れるワケではありません。

リンパ節に移行すること、悪性リンパ腫のリスクがあることは知った上で決断してほしいのですが、知らずに何となくカッコイイからという理由で若い頃にファッションとして入れてしまった・・・という患者さんばかり汗

せめて施術をする人には最低限、これくらいの知識は持って頂いて、施術の前に説明をして頂きたい。

医療行為に準ずるものであるという認識と覚悟でお願いしたいですね。

色々、トラブルも診てきましたので。

医師や看護師などの有資格者がやるべき施術であると思うのですが、有資格者は危険性を知っているのでやりたがらないのが現状です。

だから無資格者が施術をする。

当然、医療の知識はない。

現場の経験もない。

トラブル症例も診たことがない。

無資格者ゆえの「無責任」のなせる技なのかもしれません。

結局、無資格者がやった施術の尻拭いをするのは皮膚科医です。

私が皮膚科医だったころはタトゥーなんて流行ってなかったので、滅多に見る機会はありませんでしたが、今は多いんだろうなぁ・・・。

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