政府閉鎖が続く中、アメリカ農務省が「経口狂犬病ワクチンの空からの大量配布」を開始していることを知る。基本的に一般への通知なしで
政府閉鎖が3週目に入る中で行われている大量散布‼予算はどこから?
アメリカの政府閉鎖が続いていますが、17日目になるのですかね。この月曜日で 3週間目に突入です。閉鎖解除に向けた交渉は行われていないようです(共和党が支持する政府予算の一時延長法案は 10度目の否決に)。
政権によると、これにより 1日 150億ドル(約2兆3000億円)の経済的損失が出ているそうですが、今後も政府閉鎖が続くと、以下のような影響が出てくると、米エポックタイムズ紙は伝えています。
2025年10月20日以降も政府閉鎖が続いた場合
・10月24日 200万人以上の連邦職員が給与全額を受け取れなくなる
・10月31日 100万人以上の現役軍人が次回の給与支払いが不透明な状況に直面
・11月1日 数百万人のアメリカ人が2026年に保険料を支払えるかどうかもわからないまま、保険加入(オバマケア)を選択することに
などがあるそうです。
こういうことが行われていたことも知る
政府閉鎖はともかくとして、今日、「あること」を知り、アメリカ農務省 (USDA)のウェブサイトを見ましたら、アメリカ農務省も政府機関ですが、冒頭に以下のように記されていました。政権寄りの文言です(まあ、政府機関なんですから当たり前でしょうが)。
急進左派民主党は政府を閉鎖しました。この政府ウェブサイトは、ミッションクリティカルな機能への資金提供が停止されている間、定期的に更新されます。トランプ大統領は、政府を閉鎖せず、アメリカ国民に食料、燃料、衣料を供給する人々を支援したいと明言しています。 USDA
ウェブサイトの完全な更新停止とはならないようです。それでも、政府閉鎖が続く期間にもよるのでしょうが。
で、その見た記事というのがアメリカ農務省の以下のページでした。8月12日のニュースリリースです。
アメリカ農務省、米国東部の野生動物を対象とした2025年経口狂犬病ワクチン配布活動を実施
USDA Conducts 2025 Oral Rabies Vaccination Efforts Targeting Wildlife in Eastern United States
USDA 動植物検疫局 2025/08/12アメリカ農務省動植物検疫局は、アメリカの中心部へのアライグマの狂犬病の蔓延を防ぐため、米国東部の特定の地域で経口狂犬病ワクチン餌である RABORAL V-RG の年次配布を開始します。
狂犬病は深刻な公衆衛生上の懸念事項です。狂犬病は症状が現れるとほぼ必ず死に至りますが、100%予防可能です。人への曝露は、曝露後すぐに医師の診察を受ければ、効果的に治癒することができます。
米国では、狂犬病の検出、予防、および管理に関連する費用は年間 5億ドルを超える可能性があります。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、米国で報告されている狂犬病症例の約 90%は野生動物に由来しています。
動植物検疫局とその協力者は、2025年8月13日頃より、農村部では航空機、郊外および都市部ではヘリコプター、車両、ベイトステーションを用いて、経口狂犬病ワクチン餌の散布を開始します。経口狂犬病ワクチン餌は魚粉誘引剤でコーティングされており、5cm角のプラスチック袋または 1cm角の立方体に包装されています。
RABORAL V-RG ワクチンは、飼い犬や飼い猫を含む多くの動物に安全です。
人やペットが餌に接触しても狂犬病に感染することはありませんが、万が一餌に遭遇した場合は、そのまま放置してください。犬が餌を大量に摂取した場合、一時的な胃の不調が生じる可能性がありますが、長期的な健康リスクはありません。人が餌に接触した場合は、直ちに接触部位を温水と石鹸で洗ってください。
経口狂犬病ワクチン餌は、以下の期間に、下記の都市の空港を拠点として配布されます。
として、配布日程は、
・8月には北東部から中部大西洋岸諸州
・9月中旬から10月中旬にかけてマサチューセッツ州
・10月から南部の諸州
などとなっていて、配布される細かい地域と数値が書かれていますが、今はノースカロライナ州とかジョージア州、アラバマ州当たりで空から狂犬病のワクチンとなるエサが配布されているようです。
この記事で、
「狂犬病ワクチンを空から撒いているのかよ」
ということを知って、ほんの少し驚いた次第ですが、調べていて、さらに驚いたのは、アメリカでは「 2012年から行われている」ようなんですね。
以下は、2013年4月のアメリカ CDC による論文からです。
> 2012年8月、米国農務省動植物検疫局の野生生物サービスプログラムは、オハイオ州を含む 5つの州で、新しい経口狂犬病ワクチン餌を限定的に配布するフィールド試験を開始した。
それから継続的にずっとやっているようです。
まあ、しかし、この期間中、特に問題が出たわけではないですので、それはそれでいいんでしょうけれど、問題は、
「一般にはあまり告知されていない」
ということですね。
報道はいくつかありましたけれど、目立つものではないです。
もちろん、上にあるように、アメリカ農務省のウェブサイトには日程が詳細に書かれていますが、アメリカ農務省の、しかも「動植物検疫局」のサイトを日常的に見る人はあまりいないでしょう。
ですので、事実上、告知がなく、しかも、「その後の監視もない」ようです。
先ほどの 2013年の CDC の論文には、以下のようにあります。
餌との接触は 55件確認された。55件の接触のうち 27件では、餌が破損しており、餌の取り扱いに手袋などのバリアが使用されていなかったため、ワクチンへの曝露およびワクチンウイルス感染のリスクがあった。しかし、有害事象は報告されていない。ワクチンウイルス感染の可能性があるため、経口投与の狂犬病ワクチン餌との接触に関する継続的な監視と、餌との接触を避けるための一般市民への警告が必要だ。
しかし、実際には、警告は一般にはあまり行われてこなかったようです。
先ほどの写真にもありましたけれど、こんなのが落ちていたら(特にキューブ状のやつ)、子どもなんかだと、ついさわってしまいそうな感じもないではないです。
空から配布される狂犬病ワクチン餌のキューブ型の方
bi-animalhealth.com
これについて、アメリカのジャーナリストであるジョン・フリートウッドさんは、以下のように書いていました。
アメリカ農務省、ヘリコプターや飛行機から狂犬病ウイルスを含む生きた食品を全米各地に投下
USDA Drops Live Virus-Containing Rabies Edibles from Helicopters, Airplanes Across United States
Jon Fleetwood 2025/10/17
アメリカ農務省 動植物検疫局は、米国全土の飛行機やヘリコプターから実験室で作られた生きたウイルスを投下する経口狂犬病ワクチン(ORV)餌である RABORAL V-RG の年次配布を開始した。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、この RABORAL 食用ワクチンが「ワクチン曝露およびワクチンウイルス感染のリスク」をもたらすことを 10年以上前から認識していた (論文)。
しかし、彼らは依然として、公衆への通知、インフォームドコンセント、包括的なバイオセーフティ監視なしに、毎年何百万もの遺伝子組み換えウイルスの生きた餌が地域社会、森林、水路に散布されることを許可しており、人間の健康、野生生物、そして国家のバイオセキュリティに潜在的なリスクをもたらしている。
アメリカ人は、透明性のあるリスク開示やオプトアウトの仕組みもないまま、複数の種に感染する可能性のある、実験室で作られた病原体に不本意ながらさらされている。
2019年7月にVaccine誌に掲載された査読済み研究は、RABORAL経口狂犬病ワクチンの効果を以下のように確認した (論文)。
・狂犬病遺伝子を発現する遺伝子操作されたキメラ「フランケンシュタイン」ヒトウイルス。
・複数の種では数週間にわたってシェディングが続く。
・生きたウイルスの持続性についてはテストされていない。
・非標的動物および人間に感染する可能性がある。
・販売に金銭的に関連した研究者によって研究された。
(論文より)最も憂慮すべきことは、食用ワクチン由来のウイルス DNA が、ほとんどの動物の接種後に口腔および直腸スワブの両方で検出され、「一部の種では接種後 17日目から 34日目の間にシェディングが再開する」ことが研究で確認されたことだ。
これは、経口ワクチンを摂取した動物は、1か月以上にわたって動物や人間に感染する可能性があることを意味する。
ここまでです。
AI にきいてみましたら、この経口ワクチンは 38年も前から使われているもののようで、以下のように述べていました。
(AI の回答の一部)
このワクチンは、魚粉を主原料としたブロック状の餌に封入されており、動物が噛むことでワクチン液が摂取されます。1987年以降、約2億5千万回分が世界中で配布されています。 GEMINI
確かに、一般への告知なしで行うことはリスキーですけれど、逆にいえば、40年間近く、主立った被害は出ていないわけですので、安全面はある程度クリアされているのかもしれないですが、しかし結局、今回の話というのは、この空中配布型の狂犬病ワクチンの是非ということではなく、
「私たちは何にも知らされていないなあ」
と思ったことでした。
コロナ以来、ワクチンについて、いろいろと調べたりした経緯のある私も、これは知らなかったです。
そして、
「動物由来とされる感染症の予防に、同じ方法のワクチン配布が適用される可能性もある」
ということも言えます。動物由来というのは、鳥とか豚のインフルエンザなどですね。
あるいは、「狂犬病ウイルスもまた変異する」という現実もあります。狂犬病ウイルスは、一本鎖マイナス鎖RNAウイルスというもので、エボラウイルス、ハンタウイルス、インフルエンザウイルスなどと同じカテゴリーのようです。
やや古い記事ですが、2010年10月のナショナルジオグラフィックの「狂犬病から“ゾンビウイルス”?」という記事には以下のようにありました。
狂犬病ウイルスの遺伝子コードに突然変異が起きると、潜伏期間が大幅に短くなる可能性があるという。通常、自然界のウイルスは、突然変異を繰り返し変化を重ねて宿主の防御をすり抜ける。遺伝子の複製ミスや紫外線による損傷など、突然変異はさまざまな原因で生じる。「狂犬病ウイルスが急速に突然変異を起こすと、1~3時間程度で発症するようになるかもしれない。十分にあり得る話だ」とアンドレアンスキー氏は話す。
ただし、映画のような“ゾンビパンデミック”の発生は、十分な感染力を備えていない狂犬病ウイルスでは非現実的だ。人間への感染源のほとんどがイヌで、感染はそこで止まるのが普通だ。人間同士の間で感染することはほとんどない。
変異の中で発症がとても早くなったり、「人間同士で感染する」という変異も「可能性」としては、いつかはあり得るということなのかもしれません。
世界のワクチン戦略は今も、そして今後も拡大する一方だと思われますので、こういうリスクは常についてまわるようにも思います。
とはいえ、告知なしで行われる分には、何が起きるかは一般の人には永遠にわからないわけですが。
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