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これは、目から鱗。腸内細菌だけでなく、口内細菌も人間の身体には重要なんですね

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口に手をあてる女性 健康問題
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これは、目から鱗。腸内細菌だけでなく、口内細菌も人間の身体には重要なんですね

葉物野菜の硝酸塩が口の中で血圧を下げる物質に変わる

総説『口腔・腸内マイクロバイオームが

腸管唾液硝酸塩代謝および全身疾患に及ぼす役割』2025年

pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40677520/



葉物野菜の硝酸塩が口の中で血圧を下げる物質に変わる



マウスウォッシュで血圧が上昇、1日2回使用で高血圧リスク2倍



口内細菌の減少が糖尿病・認知症・腸の病気と関連


「無菌マウスでは野菜を食べても胃で一酸化窒素がほぼ作られなかった。

口内細菌が硝酸塩を体に有益な物質に変える重要な役割を担っている」研究チーム


ホウレンソウやビートルートなどの野菜に含まれる硝酸塩は、口の中の細菌によって血管を広げる一酸化窒素に変換される。

この仕組みが血圧調節・血管の健康・胃腸保護・脳機能維持に重要な役割を果たす。

抗菌マウスウォッシュの使いすぎや喫煙で口内細菌が減ると、心臓病・糖尿病・腸の炎症・認知症のリスクが高まる可能性がある。


🔹ホウレンソウやビートルートに多く含まれ、体内を循環する


食事で摂った硝酸塩の約2割が唾液腺に集まり、口の中に分泌される。

VeillonellaやNeisseriaなど特定の口内細菌がこの硝酸塩を亜硝酸塩に変える。

亜硝酸塩は胃で一酸化窒素(NO)という物質になり、血管を広げたり胃の粘膜を守ったりする。この一連の流れを「腸管唾液循環」と呼ぶ。


緑黄色野菜に多く含まれる硝酸塩は、体内摂取量の約8割を占める重要な栄養素だ。唾液中の硝酸塩の5〜36%が口内細菌により亜硝酸塩に変わる。

細菌がいない無菌マウスでは、硝酸塩を与えても胃でNOがほとんど作られなかった。


マウスウォッシュ1週間で血圧上昇、常用者は高血圧リスク2倍超


健康な人19名が殺菌効果の強いマウスウォッシュを1週間使ったところ、唾液の亜硝酸塩が90%減り、血圧が2〜3.5mmHg上がった。

高血圧患者15名では3日間の使用で血圧が2.3mmHg上昇した。540名を3年追跡した調査では、マウスウォッシュを1日2回以上使う人は使わない人に比べ高血圧になる確率が2.17倍高かった。


マウスウォッシュは病原菌だけでなく、硝酸塩を変換する善玉菌まで殺してしまう。逆に、ビートジュース(硝酸塩400mg含有)を毎日4週間飲んだ高血圧患者68名では、血圧が収縮期で7.7mmHg、拡張期で2.4mmHg下がり、血管の硬さも改善した。


野菜ジュースで血管に良い細菌が3.5倍増、悪い細菌は60%減


「ビートジュース」を2週間飲んだ健康な人18名の口内細菌を調べると、NeisseriaとRothiaという善玉菌が3〜4倍に増え、PrevotellaとVeillonellaが60〜65%減った。Neisseria類は硝酸塩から段階的にNOを作る経路(脱窒)を持ち、血管を広げる効果が高い。


一方、Prevotella類は硝酸塩をアンモニアに変える別の経路(DNRA)を使い、NOはあまり作られない。歯周病患者は健康な人よりRothiaとNeisseriaが少なく、歯茎の炎症がひどいほどこれらの細菌が減っていた。

硝酸塩を補給すると歯茎の炎症が改善し、善玉菌が増えた。


糖尿病・認知症・腸の病気の患者で硝酸塩を変換する菌が減少


2型糖尿病患者の口内では、硝酸塩を変換する細菌が少なく、インスリンが効きにくい状態や血糖値の高さと関連していた。マウスウォッシュを1日2回以上使う過体重の人945名を3年追跡すると、糖尿病になる確率が明らかに高かった。


炎症性腸疾患(IBD)の患者では腸内のVeillonellaが増えており、硝酸塩を6ヶ月補給すると腸のバリア機能が改善し、善玉菌のLactobacillusなどが増えた。

アルツハイマー病患者では唾液中のNeisseriaとHaemophilusが減っており、認知機能の低下がひどいほど少なかった。

アルコール依存症で認知障害がある人63名も同様に硝酸塩変換菌が減っていたが、動物実験では硝酸塩補給で認知機能が改善した。


口内細菌が野菜の栄養を血管に良い物質に変える重要な役割


口と腸の中にいる硝酸塩変換菌は、野菜の栄養を血管を広げるNOに変え、血圧調節・血管保護・胃腸の健康・脳機能維持に欠かせない。

抗菌マウスウォッシュの使いすぎや喫煙はこれらの善玉菌を減らし、高血圧・糖尿病・腸の炎症・認知症のリスクを上げる。

緑黄色野菜やビートジュースを日常的に摂ると、善玉菌が増えてNO産生が促進される。


参考文献:Role of oral and gut microbiomes in enterosalivary nitrate metabolism and their effects on systemic disease – Zi Yang, Conglin Du, Zhichao Chang, Yang Yang, Liang Hu (2025年7月3日)

 

📝硝酸塩含有量の高い食品ランキング(100gあたり)


🔸ルッコラ(ロケット):250〜480mg/100g 特徴:葉物野菜の中で最も硝酸塩含有量が高い

🔸ビートルート(赤ビーツ)含有量:110〜280mg/100g 特徴:ビートジュースとして硝酸塩補給に広く使用

🔸レタス(特に赤レタス):100〜250mg/100g 特徴:品種により含有量に幅がある

🔸ホウレンソウ:100〜250mg/100g 特徴:冬季栽培のものが高含有傾向

🔸セロリ:80〜200mg/100g 特徴:葉の部分に特に多く含まれる

🔸クレソン(ウォータークレス)含有量:70〜200mg/100g 特徴:ピリッとした辛味が特徴の水生植物

🔸チンゲンサイ(青梗菜)含有量:70〜150mg/100g 特徴:中華料理でよく使用される葉物野菜

🔸大根の葉:60〜150mg/100g 特徴:根部より葉に多く含まれる

🔸キャベツ:50〜120mg/100g 特徴:外葉に多く、内側は少ない傾向

🔸ニンジン:20〜100mg/100g 特徴:根菜類の中では比較的高含有

 

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