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今後50年間、毎年100万人ずつ人口が減る…「少子化対策」の失敗で日本が迎える「死ぬまで搾取」というヤバい未来

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今後50年間、毎年100万人ずつ人口が減る…「少子化対策」の失敗で日本が迎える「死ぬまで搾取」というヤバい未来

「どうすれば人口減少を止められるか?」は無意味

高市内閣は、人口減少問題対応の司令塔機能として「人口戦略本部」を新たに設置しました。これは、維新との連立合意書にも明記されており、高市首相の所信表明演説においても発信した内容でもあります。

「人口減少は日本最大の問題」という問題意識に異論はありませんが、今までのように「人口減少をどうにか食い止める」という「できもしない」議論を延々と繰り返す時間の無駄だけは避けてほしいものです。

「どうすれば人口減少を止められるか」という問いが無意味なのは、それが「どうすれば人間は不老不死になれるか」と同等の問いだからです。秦の始皇帝は不老不死を願い、そのために身体に悪い水銀を飲んでかえって死期を早めました。できもしない問いに対してジタバタしたところで、かえってより一層悪い結果を招くだけです。

人口減少は不可避です。それは「人は必ず死ぬ」という否定できない現実と大いに関係します。

人口減少というと少子化によるものと思われがちです。もちろん出生数が減ることで人口が増えないという現象は起きます。が、これから起きる人口減少は少子化によるというより、多死化によって加速するものです。

24年の死亡者数は「日本史上最多」

ご存じのように、日本には過去2度のベビーブームがありました。ひとつは戦後まもなく、2回目はそこで生まれた人たちが大人になった1970年代初頭です。本来、3回目のベビーブームが1990年代後半から2000年代初頭にかけて起きるはずでしたが、残念ながらそれは起きませんでした。バブル崩壊による経済不況や就職氷河期などが重なって、若者たちが「結婚や出産どころではない」という状況によるものでもあります。以降、30年以上出生数は減少し続け、今に至ります。

これからの人口減少はこの2度のベビーブームで生まれた世代が順次亡くなっていくことで生じるものです。

すでに2024年の年間死亡者数は160万人を突破しています。これは、今まで歴代最高だった大正時代の「スペイン風邪」流行時の数字(統計のない太平洋戦争中を除く)を抜いて、日本史上最多の死亡者数です。そして、今後もこの記録は更新されていくでしょう。

「毎年約100万人」ずつ人口が減り続ける

日本の出生数と死亡数、それらの差分である自然増減数の推移(図表1)を見れば明らかですが、2024年現在、出生数68.6万人に対し、死亡数は160.5万人です。差し引き91.9万人が1年間で減少しています。しかも、社人研によれば、この傾向はこの1年だけの異常値ではなく、今後少なくとも約50年間は続くものと推計しています。推計に関して、メディアは常に中位推計値を紹介していますが、以下のグラフは、より実態に即したものにするために、出生数は低位推計、死亡数は高位推計で表したものです。

【図表1】日本の出生・死亡・自然増減長期推移

ご覧の通り、明治時代から約150年かけて積み上げてきた人口増分約8500万人分が今後2100年までに丸ごといなくなります。多少出生数の改善があろうがなかろうが、この自然減を穴埋めすることは不可能です。簡単に言えば、毎年約100万人の人口が失われ、それが最低でも50年続いていくわけで、それを「なんとかする」といったところでできるわけがないのです。

地方創生という「夢物語」はやめるべき

人口減少に関して、地方からの人口流出(社会減)が問題であるという指摘をする人がいますが、もはやすべての都道府県で多死化による自然減が進んでおり、社会減による影響を凌駕しています(図表2)。地方が人口流出を止めたところでそれ以上のペースで自然減が進みます。自治体間で人口の奪い合いなどをしている場合でもありません。

【図表2】2024年都道府県自然増減・社会増減(人口千対)

人口は必ず減少する。いつまでもそれを見ないフリしてどうなるんでしょう。まず、そこを共有前提として認識しなければすべてを間違えます。人口減少を前提としてはじめて見えてくる現実的な課題というものが明確になります。その上で「当然やってくる未来に向けての適応戦略とは何か」を整理、議論すべき時に来ています。

地方における過疎化や空き家化の問題、インフラの老朽化の件も含めて、コンパクトな地域の再構築も進めていくべきでしょう。今必要なのは、できもしない地方創生という夢物語ではなく、現実的にどう生活基盤を整えていくかの地方再構築のほうです。

 

高齢者も「支える側」へ

加えて、人口増加前提の計算による現在の社会保障制度もこれを根本から見直す必要があります。

人口増加時代であれば、次々と生まれる大量の現役世代に高齢世代が支えられるという構造は成り立ちますが、ただでさえ減っている現役世代に、以前のように負担を集中させると、現役世代一人当たりの負担ばかりが増えることになります。

現に、「失われた30年」の最大の間違いは、そうした負担が増え続け、額面給料が上がっても手取りが増えないという繰り返しだったからです。1990年代は大体35%程度だった国民負担率は2024年には46%にも上昇しています。かつて10人で1人の高齢者を支えればよかった時代から、やがて1人が1人を支えないといけない肩車社会になるとの論もありますが、それこそが人口増加前提の時代遅れの考え方でしょう。

もはや、高齢者も支えられる側ではなく支える側としての役割を果たしてもらわないといけないですし、65歳を超えても働ける人は働ける環境を整え、年齢ではなく「働ける人が何かしらの事情で働けない人と子どもたちを支える」という「現役人口の拡大」という方向にシフトしないとなりません。

街の通りを歩く2人のビジネスマン
写真=iStock.com/jacoblund

6割の若者は、結婚したくても「できない」

逆に言えば、だからこそ、働けば働くほど税金や社保料が搾取されるだけで「働くだけ損」のような在りようはマイナスでしかない。特に、人口の多い中間層の働く現役が未来への希望と安心をもって働けるような制度設計が必要です。

とはいえ、人口減少不可避とはいっても、減り続ける出生を何もせずに放置すればいいという話でもありません。特に、深刻なのは出生減の元となる婚姻数減少です。結婚や子どもを希望しない人が非婚を選択することはいいですが、結婚したいのにできないという不本意未婚の若者がもはや6割に達しています。その6割の半分は経済的理由によります。しかも、その経済的理由をあげているのは中間層の若者たちです。

ちなみに、大企業勤務や公務員などの経済上位3割層に限れば、未婚化も婚姻減も生じていないという事実もあります。つまり現在起きている未婚化とは、かつて結婚し子どもを持てていた中間層が、それができなくなっている問題なのです。そして、その原因は人口増加前提の時代に作られた若い人から搾取する構造が続いているからにほかなりません。

 

若い独身層は「搾取」されている

少子化対策の最大の間違いは、旧民主党政権時代の「控除から給付へ」という政策転換にあります。子ども手当(当時)を増額するかわりに年少扶養控除の廃止を実施したことが典型ですが、結局当の子育て世帯にしてみても「給付はされるがその分そっくり持っていかれる」という「いってこい」の構造であまり恩恵はありませんでした(「だから日本の若者は結婚も子供も望まなくなった…子育て支援策は3倍に増えたのに出生数は30%も減った理由」参照)。

「いってこい」ならまだしも、子育て世帯ではない若い独身層はただただ搾取される金額が増えただけで手取りは減る一方です。

子育て支援という名の給付がもたらした弊害はそれだけではありません。

給付をされても、それで新たな出生意欲が喚起されるかといえばそうではなく、むしろ今いる子に対する投資に振り向けられます。それは一人当たりの子育て意識コストを高騰させることになり、これから結婚や子育てをする若い世代に「結婚と出産の意識インフレ」を起こしてしまいました。年収300万円あれば結婚できるといわれた時代から、年収550万円くらいないと結婚もできないと20代の若者自身が思い込まされてしまっているし、現実そうなっています。

高市内閣に期待する「戦略」

つまり、若い独身層にしてみれば、謎に結婚や出産のゴールラインを延長させられて、いつまでたっても辿り着かない状況を作り出されたようなものです。

すでに絶対数が少なくなっている若い世代に、頭数が減った分を追加按分徴収しようとすれば当然一人当たりの負担が増えます。これを繰り返せば繰り返すほど中間層若者の不本意未婚は増えるばかりでしょう。

高市内閣の「人口戦略本部」には、人口減少を前提としたあり方、インフラ、各種社会制度の「適応戦略」とともに、少子化のスピードを少しでも緩和させるべく、中間層が結婚や子どもを諦めざるをえないような負担を見直し、「大丈夫だ、なんとかなる」と思える「安心戦略」が求められるし、それを期待したいものです。

人口減少という現実を直視し、次世代の若者たちが希望をもって未来で活躍できる土台を作りあげていくことが今の大人世代に課せられた使命であり、残すべき遺産ではないでしょうか。





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