透析や点滴バッグなど代替困難な医療品については、夏頃に供給不足に陥る可能性も指摘されている
ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、ナフサ由来のプラスチック製医療資材の供給不安が広がっています。赤沢経産大臣は「日本全体としての必要量は確保できている」と強調し、代替調達や備蓄放出で対応する方針を示しています。しかし、透析や点滴バッグなど代替困難な医療品については、夏頃に供給不足に陥る可能性も指摘されており、医療現場への影響が懸念されます。
ココがポイント
ナフサから作られるエチレンとプロピレンは、医療品の製造に多く使われている。
出典:NRIウェブサイト 2026/4/3(金)
人工透析に使うチューブなどの「透析回路」や、手術中に使う廃液容器などで、長期的な供給に懸念が生じている
出典:TBS NEWS DIG 2026/3/31(火)
都道府県に事務連絡を出し、医療機器などを当面の必要量に見合う発注にとどめるよう、医療機関や関係団体向けへの周知を求めた。
出典:共同通信 2026/4/2(木)
国民生活に直結する医薬品や、医療機器などの安定供給に引き続き取り組む考えも示した。
出典:共同通信 2026/4/3(金)
エキスパートの補足・見解
ホルムズ海峡の事実上の封鎖により、ナフサ由来のプラスチック製医療資材の供給不安が広がっています。政府は3月31日に厚労省・経産省合同の対策本部を設置し、高市首相は輸血パック・透析回路・注射器・医療用手袋などを「供給に万が一にも支障があってはならない」重要物資と位置づけています。
現時点ではただちに供給が途絶する状況ではないものの、ナフサ不足が長期化すれば医療品の価格上昇は避けられません。政府は「必要量は確保できている」との立場ですが、透析回路や手術用廃液容器の出荷が今後困難になるリスクがあります。また、原薬輸入の遅延や錠剤コーティング剤の不足など複数のリスクが指摘されています。ホルムズ海峡の封鎖が直接ナフサ供給を止めるというより、ナフサ価格の世界的高騰を通じて原薬コストが上がる、あるいは中東経由の輸送ルートの混乱で納入が遅れる、といった間接的な影響が出てくるかもしれません。さらに、医療品の価格高騰が診療報酬に短期的に反映されないため、医療機関の経営を徐々に圧迫する懸念があります。
今後数か月の供給動向を注視しながら、各医療機関は在庫の適正管理と代替製品の情報収集を進めておく必要があるでしょう。



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