宇宙には黄金がどっさりある。それはどこからやってきたのか?調べれば調べるほど謎は深まるばかり(英研究)
地球上で金は、その美しさばかりでなく、希少であるがゆえに高い価値を認められてきた。この前テレビで叶姉妹がいってたけど、現在金の相場が上がっているらしい。
だが、実のところ宇宙には、金が潤沢にある。だがそれらの金はどこから来たのか?
最新の研究によると、調べれば調べるほど謎は深まるばかりなのだという。
それを生成しようとするなら、79個の陽子と118個の中性子を結合させて、1つの原子核にしなければならない――核融合反応を起こさねばならないのだ。
しかし宇宙を見渡しても、地球や太陽系に存在する金を作り出せるほど、そのような核融合反応が頻繁に起きている気配はない。
現時点でもっとも一般的な仮説は、「中性子星の衝突」によって金が作られたというものだ。またもう1つの可能性として、「超新星の爆発」が起源であるという説もある。
だが、『The Astrophysical Journal』(9月15日付)に掲載された最新の研究では、そのいずれでも宇宙にある金の豊富さを説明できないのだという。つまり、謎がいっそう深まったということだ。
しかし、これを指摘した過去の研究は、実際に中性子星が衝突することが非常に稀であることを考慮していないという。
その頻度を正確に推定するのは難しいにしても、それほど一般的な現象でないことは確かだろう。というのも、衝突が実際に観測されたのは、これまでたったの1度だけだからだ。
英ハートフォードシャー大学の小林千晶博士らによる大まかな推定では、太陽系に存在する金を作り出すだけでもまるで足りないという。
しかし核融合によって金が生成されるほどの質量を持つ星が超新星爆発を引き起こした場合、普通ならブラックホールになってしまう。すると、せっかく作られた金はブラックホールに飲み込まれて消えてしまう。
そこで考えられるのが、高速で回転する星が爆発することで起きる「磁気回転超新星爆発」という非常に珍しいタイプの超新星だ。
このタイプでは、星は強力な磁場によって破壊されて、爆発するときに内側と外側が裏返る。そのとき金の原子核がたっぷり含まれた白く熱い物質のジェットを放出し、金を宇宙に散りばめてくれる。
しかし金を生成する星はきわめて稀である。生成したうえでそれを宇宙にまき散らす星となるとさらに輪をかけて稀だ。
それが対象とする範囲は徹底しており、軽いもの(炭素12:陽子6個、中性子6個)から重いもの(ウラン238:陽子92個、中性子146個)まで、普通なら無視されてしまう原子をも含んでいる。
しかし、そのおかげで宇宙に豊富な金が存在する理由は、ますます分からなくなってしまった。
金の生成について、まだ知られていない秘密があるのか? それとも中性子星の衝突は既存のモデルで予測された以上の金を作り出すのか?
科学者は今日もその謎を追い求めている。
だが、実のところ宇宙には、金が潤沢にある。だがそれらの金はどこから来たのか?
最新の研究によると、調べれば調べるほど謎は深まるばかりなのだという。
宇宙に散りばめられた金の謎は深まるばかり
金は元素だ。だから、かつて錬金術師が試みては失敗してきたように、普通の化学反応によっては作ることができない。それを生成しようとするなら、79個の陽子と118個の中性子を結合させて、1つの原子核にしなければならない――核融合反応を起こさねばならないのだ。
しかし宇宙を見渡しても、地球や太陽系に存在する金を作り出せるほど、そのような核融合反応が頻繁に起きている気配はない。
現時点でもっとも一般的な仮説は、「中性子星の衝突」によって金が作られたというものだ。またもう1つの可能性として、「超新星の爆発」が起源であるという説もある。
だが、『The Astrophysical Journal』(9月15日付)に掲載された最新の研究では、そのいずれでも宇宙にある金の豊富さを説明できないのだという。つまり、謎がいっそう深まったということだ。
Pixabay
中性子星の衝突は滅多に起きない
中性子星が衝突すると、陽子と中性子が融合して原子核となり、金が形成される。そして、そうした金が宇宙全体にまき散らされる。しかし、これを指摘した過去の研究は、実際に中性子星が衝突することが非常に稀であることを考慮していないという。
その頻度を正確に推定するのは難しいにしても、それほど一般的な現象でないことは確かだろう。というのも、衝突が実際に観測されたのは、これまでたったの1度だけだからだ。
英ハートフォードシャー大学の小林千晶博士らによる大まかな推定では、太陽系に存在する金を作り出すだけでもまるで足りないという。
iStock
金をまき散らす超新星も稀
一方、宇宙にある金の起源が超新星である可能性も指摘されている。しかし核融合によって金が生成されるほどの質量を持つ星が超新星爆発を引き起こした場合、普通ならブラックホールになってしまう。すると、せっかく作られた金はブラックホールに飲み込まれて消えてしまう。
そこで考えられるのが、高速で回転する星が爆発することで起きる「磁気回転超新星爆発」という非常に珍しいタイプの超新星だ。
このタイプでは、星は強力な磁場によって破壊されて、爆発するときに内側と外側が裏返る。そのとき金の原子核がたっぷり含まれた白く熱い物質のジェットを放出し、金を宇宙に散りばめてくれる。
しかし金を生成する星はきわめて稀である。生成したうえでそれを宇宙にまき散らす星となるとさらに輪をかけて稀だ。
iStock
宇宙にちりばめられた金の謎解きはまだまだ続く
第三者である米ミシガン大学のイアン・ロデレール氏によると、これまでも中性子星の衝突だけでは足りないという説を提唱した科学者はいたが、小林博士らの研究は、膨大なデータから銀河の進化や化学物質の生成に関するモデルを構築している点が優れているのだそうだ。それが対象とする範囲は徹底しており、軽いもの(炭素12:陽子6個、中性子6個)から重いもの(ウラン238:陽子92個、中性子146個)まで、普通なら無視されてしまう原子をも含んでいる。
しかし、そのおかげで宇宙に豊富な金が存在する理由は、ますます分からなくなってしまった。
金の生成について、まだ知られていない秘密があるのか? それとも中性子星の衝突は既存のモデルで予測された以上の金を作り出すのか?
科学者は今日もその謎を追い求めている。
The Origin of Elements from Carbon to Uranium – IOPscience
https://iopscience.iop.org/article/10.3847/1538-4357/abae65
コメント