【解説】参院選の中盤情勢で与党失速!カギ握る1人区で「自民優勢」減り「接戦」増え過半数割れの危機も

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2025年参議院選挙の行方 政治・経済

【解説】参院選の中盤情勢で与党失速!カギ握る1人区で「自民優勢」減り「接戦」増え過半数割れの危機も

失速の原因は何だったのか?

参院選の中盤予測では、与党は参院の過半数となる50議席獲得に向けて厳しい戦いを迫られている。特に32ある1人区で「自民優勢」から「接戦」予想となった選挙区が急激に増えている。20日の投開票に向け、最後の週末が勝負になりそうだ。

与党が50議席を割る可能性…1人区の行方は

「参議院選挙」について詳しくお伝えする『もっと投票の前に』。14日は、フジテレビ政治部部長・高田圭太と詳しく解説してゆく。

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木村拓也キャスター:
投開票が20日に迫り選挙戦も残り1週間ということで、参議院選の中盤情勢について詳しく見ていきたいと思います。土日に行ったFNNの世論調査を元にお伝えしていきます。

まず大前提のおさらいですが、参議院の任期は6年あり半分が改選になります。参議院248議席のうち今回は半分の124議席と欠員1を加えた125議席が改選になります。注目点としては、与党の中で改選での議席が50を超えて過半数を取れるかどうか、野党がどれぐらい議席を伸ばすのか、ここがポイントになってきます。

それを踏まえて、世論調査から中盤情勢を見ていきます。

まずは自民党の獲得議席の予想ですが、現在の52から40台前半まで落とすような予想になっています。立憲民主は現在の22から増えて20台後半を伺う勢いです。公明党は14から減少の可能性が大きいとなっていますし、日本維新の会は改選前と変わらない5議席前後の予想になっています。共産党は議席を減らす可能性があります。国民民主党は大幅に伸びそうで、目標としている16議席に迫る勢いの予想です。れいわが比例で複数の議席を獲得か、参政党は大きく躍進し2桁議席、つまり10議席以上になってくるのかもしれないという数字が出てきています。社民、日本保守党は比例で議席獲得の可能性があるという調査結果になっています。

青井実キャスター:
この調査結果を見て、ポイントは与党が50議席を割るかもしれないという話ですね?

宮司愛海キャスター:
驚きの結果でもありますが、選挙戦期間中にも色々ありましたけれども、ここまで落としてしまう予想になった背景には、どんなことがあるんでしょうか?

高田圭太政治部長:
自民は40議席台前半という見方なんですが、もちろん接戦が多いので接戦区を取ればもっと盛り返して50に近づいていく可能性もあるんですが、この1週間で情勢が悪くなっているんです。だからこのトレンドだと、40台前半と言いながら30台に落ち込む可能性もある、かなり厳しい数字と見て良いです。

青井実キャスター:
この1週間に何かあったんですよね?

高田圭太政治部長:
そしてこの1週間なんですけれども、強いて言えば何があったかというと、8日「運がいいことに能登で地震があった」という自民党・鶴保庸介参議院議員の失言がありました。

高田圭太政治部長:
石破首相は9日、トランプ大統領の関税に関しても「舐められてたまるか」と威勢のいいことを言ったのですが、それに対して「じゃあ何でそれをトランプさんに言わないんだ」という批判が出たり、10日、給付金について「今年限りですか」と聞かれた時、「いつまで続けるとかは申し上げない」と慎重に含みを持たせたら、これが「もうぶれたんじゃないか」と。

石破さんが何か言うと批判されるというムードになっていて、その影響が出たかもしれないのと、これまであった逆風が、投票日が近付いてきて、形・意思に変わってきているということの両面だと思います。

木村キャスター:
今、高田政治部長からも「接戦」というワードが出てきましたが、そこがどうなるかというのが非常に大事なんです。こちらの図をご覧ください。これは参議院選挙の中でも特に重要になる所で、グリーンで示されたのが1人区、当選が1しかない場所です。これが全国に32あるんですね。

序盤の情勢がどうなっていたかというのを見ていきたいと思います。赤が自民優勢で、接戦が黄色、そして青が野党優勢という風に色分けされています。

木村キャスター:
序盤7日時点では、「自民優勢」が佐賀・長崎・熊本・山口・島根鳥取・岡山・奈良・石川・福井・滋賀・岐阜・富山・群馬・栃木の14カ所「接戦」が宮崎・高知徳島・和歌山・山梨・新潟・福島・青森の7カ所「野党優勢」が沖縄・鹿児島・大分・愛媛・香川・三重・長野・秋田・山形・岩手・宮城の11カ所になっていました。

一方で、中盤の情勢では「接戦」が佐賀・長崎・熊本・大分・香川・岡山・和歌山・富山・岐阜・長野・山梨・群馬・栃木・福島・宮城・青森の16カ所となりすごく増えました。そして「自民優勢」が山口・鳥取島根・奈良・石川・福井・滋賀の6カ所になっており、「野党優勢」は沖縄・鹿児島・宮崎・愛媛・高知徳島・三重・新潟・秋田・山形・岩手の10カ所となっています。特に群馬・栃木・富山・岐阜・佐賀・長崎・熊本のあたりが、急に接戦になってきたということです。

青井キャスター:
高田さん、この黄色をどうしていくかということを考えていくわけですよね?

高田圭太政治部長:
そうですね。本来、絶対黄色になりようがないような選挙区が黄色になっています。北陸から中部にかけてのところと九州北部でこうなってるということは、自民党の支持層が相当揺らいでいることの象徴と言えると思います。

ここからの1週間で情勢は変わる可能性も

青井キャスター:
岩田さん、この1人区の情勢をどう見ますか?

SPキャスター岩田明子さん:
保守の牙城だった北陸ですけれども、富山が、当初は自民党がリードしていたんですけども、中盤で接戦になってしまっているという部分は、非常に注目点かなと思いますね。九州もそうなんですけど、特に北陸の富山ですね。

木村キャスター:
接戦を自民が取るのかどうなのかで、大きく数字も変わってくる可能性があるということです。それ以外にも2人以上が当選する複数区というのもありますけれども、中でも熾烈な争いとなっているのは東京選挙区です。欠員1プラス、元々の改選6で合わせて7議席なんですけれども、中盤の情勢がどうなのかというのを見ていきたいと思います。全ての主要政党が候補者を出しているんですけれども、先行と当落線上で分けてみました。

今回の質的公平性を担保した上で、候補者の名前などではなくて、政党名であえてお伝えさせて頂いております。先行が共産、参政、自民の新人、公明、国民(女性候補)となっています。当落線上が自民の現職、立憲の2人、保守、国民(男性候補)、維新という風になっています。

改めてになりますけれども、これは土日(12日~13日)に行ったもので、まだ1週間近くありますので、情勢は変わっていく可能性は十分あります。

宮司キャスター:
高田さん、東京選挙区は7議席に32人立候補ということで激戦区になっていますけども、中盤情勢から分かることはどんなことですか?

高田圭太政治部長:
やっぱり参政党が本来当落線上と先行の間ぐらいかと思ったら、もう第1グループに入っているというのが参政党の勢いを象徴しているのと、乱立した結果、共産党と公明党の組織力の低下が叫ばれているものの東京では有利に、というのは中々興味深いなと思います。

青井キャスター:
岩田さん選挙戦もあと1週間ですけど、終盤に向けてポイントはどこですか?

SPキャスター岩田明子さん:
国政選挙のうち、衆議院選挙は週末が1回で、参議院選挙だと週末が2回来るわけですね。ここで与党は厳しくなりますので、どこまで持ちこたえられるのかなというところです。自民党内で非常に焦りの雰囲気が出てきてるんですけども、選挙戦略では、普通は大接戦のところに役員とかいろんなものを投入するんですが、もう勝敗がはっきり見えてるところに役員を投入するなど、戦略性のところをもう一回見直さなきゃいけないかなと思いますね。

宮司キャスター:
高田さん最後ですが、選挙戦があと1週間を切った中で、物価高や外国人政策などいろいろ論点がありましたが、ここからの1週間くらいどうなっていきそうですか?

高田圭太政治部長:
やっぱり最後もう一回物価高に戻る部分はあるのと、最後は政権担当能力、本当にこの政党に任せていいのかっていうのは自民党もそうした主張を強めるでしょうし、そこを国民がどう判断するかかと思います。
(「イット!」7月14日放送より)

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