「逃げ隠れしないクマが増えてきてしまった…」キャンプ場のテントや食料 奪われる

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クマ 社会問題

「逃げ隠れしないクマが増えてきてしまった…」キャンプ場のテントや食料 奪われる

専門家「普段からクマへの常識を変えて欲しい」 北アルプス薬師岳周辺

19日夕方、北アルプス薬師岳へ向かう登山道沿いにあるキャンプ場にクマが出没し、テントと食料が奪われる被害がありました。キャンプ場利用者は山小屋に避難して、けが人はいませんでした。周辺では今月、クマの目撃が相次いでいて、警察が十分注意するよう呼びかけています。

警察によりますと、19日午後4時45分ごろ、富山市有峰の標高2300メートル付近にある「太郎平キャンプ場(薬師峠キャンプ場)」で、利用者の男性から「テントをクマに奪われた」とキャンプ場の管理人を通じて県警山岳警備隊に通報がありました。

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隊員が現場を確認したところ、テントをクマに持ち去られたほか、別のテントにあった食料も奪われていたということです。奪っていったのは子グマとみられ、けがをした人はいませんでした。

当時、このキャンプ場にはテント50張程度があり、利用者は薬師岳山荘や太郎平小屋に避難したということです。

クマによる被害を受けて、県は20日から当面、このキャンプ場を閉鎖しています。

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周辺では今月3日と4日にも登山道付近でクマが目撃されていて、警察はクマに近寄らない、食べ物から目を離さないなどの注意を呼びかけています。

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人間を怖がらないクマが増えてきてしまった

また、今月14日には北アルプス立山室堂の観光名所、みくりが池を泳ぐクマが目撃されたほか、周辺の登山道で成獣とみられるクマの目撃情報もありました。

さらに、北海道では14日、羅臼岳に登山に来ていた、26歳の男性が下山中にヒグマに襲われ、翌日、遺体で発見されました。

今、全国の夏山でクマの被害や目撃が相次いでいることについて、山岳地帯の野生生物の生態に詳しい立山カルデラ砂防博物館の学芸員は次のように語ります。

立山カルデラ砂防博物館 白石俊明 学芸員
「人から逃げ隠れしない堂々としたクマが増えてきてしまった」「山の実りが悪い秋はクマに気を付けましょうという文言は、それだけでは対応できない状況になってきていて。普段から常識を変えてほしい」  

白石学芸員は、ここ20年ほどでクマの生息域が広がったほか、人に慣れた個体も増えていることから、夏場の山や川でのレジャーでは、クマに出会うことを想定した装備や計画が必要だと話しています。

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