「日本が減税しない理由」として引き合いに出されていたギリシャ、“本気の少子化対策”のために大胆な減税に踏み切る
元「破綻国家」ギリシャが「大胆な減税」に踏み切れる理由
減税に消極的な日本の石破茂首相はその理由として、「わが国の財政状況はギリシャよりもよろしくない」と述べた。
【画像】少子化の危機感から大減税を打ち出したギリシャのキリアコス・ミツォタキス首相
ギリシャは、2009年に財政赤字隠蔽が発覚してデフォルトの危機に陥り、IMFやEUの支援を受けるために緊縮財政を強いられた。石破の言う通り、財政的にかなり厳しい状況の国というイメージがまだ強いかもしれない。 しかし、ギリシャ政府はこのたび大規模な減税を発表し、注目を集めている。
「最も勇敢な改革」
独紙「フランクフルター・アルゲマイネ」によると、人口の約40%にあたる400万人の納税者が、総額約16億ユーロ(約2769億円)規模の減税を受けることになる。 特に恩恵を受けるのは、若者と子育て世帯だ。25歳までは所得税ゼロ、30歳までの所得税率は9%に引き下げられる。
中間層で子供が3人いる世帯の所得税率は9%に、子供が4人いる世帯の所得税率は0%になる。 また、地方からの人口流出を防ぐため、人口が一定の水準以下の自治体の固定資産税を段階的に引き下げ、2027年までに廃止するという。
ギリシャでは、少子化と人口減少は切実な問題となっている。英紙「ガーディアン」によると、ギリシャの合計特殊出生率は1.4で、2050年までに人口は現在の1020万人から800万人以下になる見込みだ。 政府はこうした状況を「国家的な脅威」とみなし、「最も勇敢な」減税策を打ち出した。
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