世界的なAIバブル崩壊の懸念の中、ソフトバンクグループの時価総額が一時、1日で5兆円近く減少

日本のソフトバンクグループの株価は水曜日 （11月5日）、アジアの AI 関連企業全般の下落が米国株の下落に追随する中、一時 14%以上急落した。市場で最も混み合う取引における割高な評価を投資家が警戒したことが背景にある。

インフラ、半導体、アプリケーション企業など、AI 関連の幅広い投資ポートフォリオを構築してきたソフトバンクは、時価総額が約 320億ドル （約 4兆9000億円）減少した。LSEG のデータによると、この損失が続くと、グループの株価は昨年 8月に 18%以上急落して以来最悪の日となる。

ソフトバンクは、モバイルや AI プロセッサーを支えるチップ設計を手掛ける英国アーム・ホールディングスの経営権を保有しており、AI データセンター機能の強化を目指して今年、アンペア・コンピューティングを買収した。ナスダック上場のアーム・ホールディングスの株価は、一夜にして 4.71%下落した。

ソフトバンクグループは、 OpenAI などの主要な AI モデル開発企業のほか、 AI 生成ビデオ編集プラットフォームの OpusClip や、機械学習を精密医療に応用する Tempus AI などのアプリケーションレベルのスタートアップ企業も支援している。

ソフトバンクの時価総額は 2日間で約 500億ドル （約 7兆6000億円）減少した。株価は火曜日にも 7%以上下落していた。

AI をめぐる熱狂により、市場がテクノロジーバブルの真っ只中にあるのではないかという懸念が高まっている。

「 AI による調整が懸念されており、もしそうなれば、主要銘柄の重みにより、他の市場もそれに巻き込まれるだろう」と市場のベテラン、ルイ・ナベリエ氏はメモに記した。

一部のアナリストは、AI 企業の評価は 1990年代後半のドットコムバブルに似てきており、株価は信頼できる利益予想をはるかに上回る高騰を見せていると指摘する。