追い詰められた米国とイスラエルは核兵器を使う可能性が高まっている
アメリカとイランは聖書に基づく中東の完全支配を目指している
アメリカ海兵隊の第31海兵遠征部隊(MEU)が中東に到着したとアメリカ中央軍(CENTCOM)が発表した。この部隊はディエゴガルシア島に駐留していると言われていた。到着している海兵隊員は2200名から2500名だと報道されている。さらに第11MEUが4月6日か7日着くという。
しかし、第11MEUと第31MEUの派遣は陽動作戦にすぎず、地上攻撃が本当に実施されるならば、ふたつのレンジャー大隊と第82空挺師団の支援を受けたSMU(特殊任務部隊、通称ティア-1)が実行する可能性が高いと元CIA分析官のラリー・ジョンソンは推測している。
いずれにしろ、アメリカ軍は100万人のイラン軍と戦うことになるのだが、アメリカ軍の退役将校やCIAの元分析官は「大惨事」になると見通している。それでも地上部隊を侵攻させるとするならば、ドナルド・トランプ大統領にアドバイスしている人たちが愚かなのか、それでもイランに攻め込まなければならない理由があるのだろう。少なからぬ人はトランプをイスラエルが動かしていると考えている。そのイスラエルはサウジアラビアと同じように、イギリスの支配層が作り上げた国だ。
すでにイランはホルムズ海峡の通行を制限している。イランに敵対していない船舶は安全保障規則を完全に順守するならイラン当局と連携してホルムズ海峡を安全に通過できるが、イランを侵略している当事国のアメリカやイスラエルのほか、侵略に何らかの形で参加している船舶は無害通航または非敵対通航の対象とはならないという。制限の中には石油取引の決済を中国の人民元で行うことも求めているようだ。
そうした中、イエメンのアンサール・アッラー(フーシ派)はイランとアメリカ/イスラエルとの戦争に参戦すると3月28日に発表した。この勢力はイスラエルによるガザ住民の虐殺を止めるため、イスラエルを攻撃していた。ガザでの虐殺を傍観している他のイスラム諸国とは違う。アンサール・アッラーはバブ・エル・マンデブ海峡の船舶通過を制限することになりそうだ。つまり紅海からスエズ運河を抜けて地中海へ向かうことができなくなる。
レバノンでは壊滅したとされていたヒズボラがイスラエルに対する攻撃を開始した。イスラエル軍はレバノンへ地上部隊を侵攻させたのだが、ヒズボラ側はイスラエルのメルカバ戦車や装甲兵員輸送車を75両から100両、破壊したと主張している。
イスラエル軍の地上部隊は2006年7月から9月にかけてレバノンへ軍事侵攻したが、その際、ヒズボラに敗北している。その時にメルカバ戦車が破壊されている。その結果、イスラエルはレバノンへ地上部隊を侵攻させなくなった。
2024年にイスラエルはヒズボラの幹部を暗殺した。例えば7月30日にはフアド・シュクルがベイルートで殺され、9月17日と18日にはレバノンやシリアでトランシーバーやポケベル(ページャー)が遠隔操作で爆破されるテロ攻撃があった。
9月27日にはベイルートでヒズボラ幹部による秘密会議が開かれていた地下施設がイスラエル軍によって空爆され、ハッサン・ナスララ事務総長も殺害されている。これでヒズボラは壊滅したとアメリカやイスラエルは考えたのだろうが、今回、すでに復活していることが判明した。
すでにアメリカ軍のF-35、F-15、F-16といった戦闘機、F/A-18戦闘攻撃機、KC-135空中給油機をイラン軍は破壊、あるいは損傷を与えたと伝えられているが、3月27日にはサウジアラビアのプリンス・スルタン空軍基地に駐機していたAWACS(AEW&C、早期警戒管制機)のE-3が破壊された。
アメリカとイスラエルは追い詰められている。タッカー・カールソンとのインタビューではクネセト(イスラエル議会)で議長を務めた経験のあるアブラハム・ブルグは、イスラエルが1967年以降、いわゆる「第三神殿」を建設してメシアを呼び戻すため、アル・アクサ・モスクと岩のドームの破壊を5回以上試みたと話している。こうした側面からもイスラエルやアメリカが核兵器を使う可能性はある。
第三神殿
ユダヤ教徒の中には、キリスト教徒を利用してエルサレムをイスラム教徒から奪還し、メシア到来を予言する政権を樹立すると構想している人がいる。その起源と言われているのはギヨーム・ポステル。16世紀の人だ。そのほかカバラ主義者のダビド・ルベニとソロモン・モルチョがいる。ポステルは世俗の権力が第三神殿を建設することを望んでいた。
プロテスタントの一派は新約聖書の最後の部分、「ヨハネの黙示録」を重要視するのだが、黙示録にはふたりの人物、つまり原著者と編集者によって書かれた文章が混在。ギリシャ語の能力が全く違い、思想も正反対であることから容易に区別できる。原著者は初歩的な文法についてしっかりしているのに対し、編集者の語学力は低く、知っている単語や表現をまるで無秩序に並べ立てるだけだというのだ。(田川健三訳著『新約聖書 訳と註 第七巻』作品社、2017年)
後から書き込んだ人物は狂信的なユダヤ民族主義者で、ユダヤ民族以外はすべて殺しつくされるべしだと繰り返す。世界中の異邦人が滅ぼしつくされ、殺しつくされ、ユダヤ人、あるいはユダヤ主義キリスト信者のみ救われることを願っている。キリスト教徒に大きな影響を及ぼしているのは後から書き込まれた部分だ。
エルサレムには、キリストが十字架上で亡くなり、復活した場所に建つ最も神聖な聖墳墓教会、イスラム教徒にとって重要なアル・アクサ・モスクもあるが、現在ユダヤ教徒が支配、教会やモスクは閉鎖されている。
シオニズム
16世紀にはイギリスでシオニズムが現れた。海賊行為で富を蓄積していたエリザベス1世の時代(1593年から1603年)、イングランドに出現した「ブリティッシュ・イスラエル主義」だ。イングランドの支配層の間で、アングロ-サクソン-ケルトは「イスラエルの失われた十支族」であり、自分たちこそがダビデ王の末裔だとする信じ、人類が死滅する最後の数日間にすべてを包括する大英帝国が世界を支配すると予言されているという妄想が広まったのだ。
イギリスや西側世界にシオニズムを広めた人物としてブリティッシュ外国聖書協会の第3代会長を務めた反カトリック派のアントニー・アシュリー-クーパー(シャフツバリー伯爵)が知られているが、17世紀初頭にイギリス王として君臨したジェームズ1世も自分を「イスラエルの王」だと信じていたという。
その息子であるチャールズ1世はピューリタン革命で処刑されたが、その革命で中心的な役割を果たしたオリヴァー・クロムウェルをはじめとするピューリタンも「イスラエルの失われた十支族」話を信じていたとされている。クルムウェルはユダヤ人をイングランドへ入れることを許可したが、稼ぎ方を海賊行為から商取引へ切り替えるためだったとされている。ユダヤ人は商取引や金貸しに長けていた。
エリザベス1世が統治していた時代、イングランドはアイルランドを軍事侵略、先住民を追放し、イングランドやスコットランドから入植者をアイルランドのアルスター地方へ移住させた。好ましくないと判断した人びとを排除し、好ましいと考える人びとを移住させたわけだが、その後、そうした手法を彼らは繰り返す。
ピューリタン革命の時代にもアイルランドで先住民を虐殺している。クロムウェルは革命で仲間だったはずの水平派を弾圧した後にアイルランドへ軍事侵攻して住民を虐殺したのだ。
侵攻前の1641年には147万人だったアイルランドの人口は侵攻後の52年に62万人へ減少。50万人以上が殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」、事実上の奴隷としてアメリカなどに売られたと言われている。
ダブリン出身でプリマス・ブレザレンを創設したジョン・ネルソン・ダービー牧師は1830年代から宗教活動を始めたが、彼はキリストの千年王国がすべての文明を一掃し、救われるのは選ばれた少数のグループだけだと考えていた。
19世紀のイギリス政界では反ロシアで有名なヘンリー・ジョン・テンプル(別名パーマストン子爵)が大きな影響力を持っていた。彼は戦時大臣、外務大臣、内務大臣を歴任した後、1855年2月から58年2月まで、そして59年6月から65年10月まで首相を務めている。ビクトリア女王にアヘン戦争を指示したのもパーマストン卿だ。
このように始まったシオニズムは19世紀に帝国主義と一体化し、パレスチナ侵略が具体化してくる。イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設し、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査、イギリスの首相を務めていたベンジャミン・ディズレーリは1875年にスエズ運河運河を買収。そして1917年11月、アーサー・バルフォアがウォルター・ロスチャイルドへ書簡を出してイスラエル建国への道を切り開く。いわゆる「バルフォア宣言」だ。シオニズムと帝国主義によってイギリスは世界を侵略していった。
ピューリタンはアメリカへも渡り、先住民である「アメリカ・インディアン」を大量虐殺し、ヨーロッパ系移民が入れ替わった。同じことを中東でも行おうとしている人がいるように見える。アラブ人やペルシャ人を殲滅し、「大イスラエル」を作ろうとしているように見える。
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