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本山よろず屋本舗より「危機を危機と感じない日本人の正常化バイアス」

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汚れた日本列島 日本について

本山よろず屋本舗より「危機を危機と感じない日本人の正常化バイアス」

もともと日本人はそのような民族性を持つ国民なのかも・・・。と言うより戦後の教育が変えてしまった。

 6月初頭、アフリカのサハラ砂漠で起こった悲劇的な事故のニュースが流れてきました。
 アフリカのニジェール当局が発表したところによると、トラックの幌つきの荷台に載った乗客が、隣国マリからニジェールに戻る岐路で道に迷った上にトラックの故障で立ち往生してしまい、51名中49名が高温と渇きの為、渇死(かっし)しました。
 私はこのニュースを「Cocomi Channel」さんの動画で知りました(冒頭から4分まで)。

【【超音速情報】】世界危機的情報 ホルモン街道封鎖 サハラ砂漠
https://www.youtube.com/watch?v=ngRMQ_TxS5g

 ネットの記事が以下です。

サハラ砂漠で道に迷ったトラック故障、49人死亡 水飲めず渇死か 2人は徒歩で町に
https://news.yahoo.co.jp/articles/935c02f4007d1745f122bf475c1a608508f6c475

 「Cocomi Channel」のショウさんは、乗客はアフリカを旅行する観光客だったと言っていますが、実際はニジェールの人々で、隣国マリのイスラム教の祝祭に参加して帰還する途中だったようです。
 51名中、2名が生還したわけですが、ここで何が生死を分けたかということが大いに気になるところです。
 生還した2名は、救助を待つことなく、自力で炎天下の砂漠の中を歩いて近くの村に行く決断をしました。
 まず状況を整理しましょう。
 遭難者が置かれた状況を箇条書きにしました。

・トラックは道を間違えてしまった。

・携帯電話の電波が届かず、救援が呼べない。

・近くの村まで50km以上離れている。

・手元に水が無い(おそらく乗客は持っていたとしても500mlのペットボトルぐらいだったのでは)

・トラックの荷台には幌がついて日陰があって日光を凌げるが、外は日中では35℃~40℃の高温に達する。夜間でも25℃前後。

 トラックは道を間違えてしまったので、時刻通りに到着しないトラックに異変を感じて救援隊が来るにしても、本来の道を外れているので、発見されるのに時間がかかることは容易に想像できます。
 つまり、この状況は人間の生存に関して言えば、極めて危機的な状況だということです。
 人間は、1ヶ月ぐらいは何も食べなくても死にませんが、水を一滴も飲めないと4~5日で生命の危機に瀕します。これは過酷なサハラ砂漠に住む住人ですから、常識として知っていたはずです。
 では、なぜ49名は歩いて安全地帯である近くの村へ歩いて行くことにチャレンジしなかったのか……。
 もちろん日中は高温ですから、飲み水も無いなかで50km以上歩くことは過酷です。無事にたどり着ける保障などありません。さらにアフリカですから、ライオンやチータなどの肉食獣に襲われる危険もあります。
 しかし、このままだと座して死を待つ可能性が高いのですから、一か八か、歩くしかないと私には思えるのです。
 道に迷ったので救援が遅れる可能性は高く、その場合は確実に死が待っています。
 一方で、50kmの距離であれば、炎天下と言えど(水なしでも)3日以内で歩ける可能性は充分にあります。喉の渇きに耐えつつも、頑張って歩けば助かるのです。
 私が現場にいたら、間違いなく歩く方を選んだと思います。

 歩く決断をした2名と、残る決断をした49名の差は何だったのか……。

 私は、49名の中にあった“正常化バイアス”だったと想像します。
 ネットでは、正常化バイアス(正常性バイアスともいう)を以下のように説明していました。

 予期せぬ事態や危険な状況に直面した際、「自分は大丈夫」「大したことはない」と過小評価し、無意識に「正常の範囲内」だと思い込もうとする心理的メカニズム。

 49名の気持ちとして、「(渇死するまでの猶予である数日以内に)助けが来るだろう」という安易な期待が大部分を占めていたのだろうと思います。
 危険性を判断するのに重要な、「トラックは道に迷った」という触れたくない事実は、意図的に見ないことにしたのではないでしょうか。
 そして、炎天下の中でも50kmの徒歩ですので、肉食獣に襲われる危険も合わせて、こんな辛く厳しいことをしたくないという気持ちがさらに「大丈夫、すぐに助けが来るだろう」という希望的観測を膨らませていったのだろうと思います。

 私がこのサラハ砂漠で起こった悲劇的なニュースを取り上げたのは、今の日本人を見ていて、まさにこの正常化バイアスにどっぷり浸っているように見えるからです。
 つまり、大多数の日本人はイラン戦争によって自分達が危機的状況に陥っている事実を見ないようにしているように映るのです。
 この危機的状況に対し、私たちのような一般庶民ができることは備蓄しかありません。
 しかし正常化バイアスに浸っている人々は、備蓄するという発想が湧きません。
 それでも彼らは、日本の原油が中東に9割も依存していることは知識として知っています。日本は食料供給の6割以上を輸入に頼っていることも知っている上に、中東からの肥料が途絶えた影響で、今年の世界の農産物生産が大幅に減ることも知っています。
 さらに、発生が確実視されているスーパーエルニューニョで、今年の日本の農産物生産が(冷夏か酷暑かは分かりませんが)生産減になる可能性があることも知っています。
 正常化バイアスの人々は、こうした事実を知っていても軽視してしまうのです。
 代わりに以下のような事実は、積極的に受け入れます。

・政府は今年いっぱいは原油の備蓄があるから供給に問題ないと言っている。あるいは代替供給にメドがついたと言っている。

・トランプ大統領は、近々イランと停戦に合意できそうだと言っている。

 備蓄があるといっても、備蓄とは徐々に減っていくものであり、時間稼ぎにはなりますが、根本的な解決にはなりません。まだ代替供給といっても、その内実を知ったら絶句することになります(これについてはいずれ記事を書きたいと思います)。
 またショウさんによると、2月28日の開戦から6月10日までの期間に、トランプ大統領はイランとの停戦合意に関して、「合意した」、「合意に近い」、「合意間もなく」という言葉を37回言ったそうです。
 普通の神経をしているなら、37回も繰り返された合意という言葉に対し、「おいおい、またかよ! もういい加減なことを言うのは止めてくれ!」となるはずです。
 しかし正常化バイアスがかかっていると、37回も繰り返された合意という言葉に、いちいち「今回こそ大丈夫だろう。いよいよ停戦だ」と胸をなで下ろすことができるのでしょう。
 もちろんトランプ大統領が「合意だ!」、とその反対の「攻撃だ!」と繰り返す主な目的は、市場を操作する為でしょう。その言動が市場が閉まる週末に集中していることからも明らかです。
 トランプ大統領が合意だと言えば、原油価格は暴落し、株価は上がります。攻撃だと言えば、原油は上がり株価は下がります。
 事前に大統領の発言を知っていれば、莫大な利益をあげることができるのです。
 そういったことがこれまで37回も繰り返されてきました。
 吉田重治さんは、こうした大統領による市場操作は、多額の献金をしてくれたウォール街への恩返しだと言っていました。あるいはショウさんは、トランプ親族と、そのゆかいな仲間達をがっぽり儲けさせる為にやっていると言っています。
 どちらにしろ国家主導のインサイダー取り引きであることは明らかです。
 さらにショウさんによると、この大統領によるインサイダー取り引きを調査しようとしたパム・ボンディ司法長官は、大統領権限により解任されたといいます(4月2日。もちろん表向きには別の理由が発表されました)。

 正常化バイアスがかかった人々は、自分が置かれている深刻な状況の客観的な把握ができません。
 今回のイラン戦争も、エネルギーの問題があるとはいえ、遠い中東の出来事……、といった捉え方でしょう。
 もちろん今回のイラン戦争により、原油輸入の90%が途絶えた日本は、産業界の崩壊に直面することになります。東南アジア各国との違いは、豊富な備蓄にありますが、それも時間も問題です。
 しかし一番の問題は、食料の方です。
 食料が無くなることは命に直結します。
 吉田繁治さんのメルマガから抜粋します。


 ・・・<『吉田繁治さんのメルマガ』、Vol.1631から抜粋開始>・・・

■3.問題は農業用肥料の不足

今秋からの大きな問題は、中東がホルムズ海峡経由で供給されている化学肥料が世界の農業で使用の35%を占めることです。備蓄の難しい肥料が、世界的に不足し、価格が2倍以上になれば、植え付け期の肥料が不足します。

農業機械の燃料費の高騰と重なって、農家が赤字になります。赤字とは作っても預金が減るということですから、自家消費分しか、作らなくなるでしょう。農家は、世帯経営の零細企業であって、余剰のマネーはない。

自分を農家として考えたとき、作れば、世帯が過去に貯めた預金が減るなかで作りますか?

世界は、20世紀後半の肥料革命で、毎年1億人の人口を増やすことができ、現在の人口は80億人。19世紀のマルサスの言った食糧生産の限界が、人口の限界でした。今は、誰も人口問題を言わなくなった。

日本、韓国、中国では逆に、中産階級の増加から人口減になったのです。生活単位としての家の制度がある時代、子供は、一家の未来資産でした。

皇位を相続する天皇家では今も同じです。しかし、核家族になった時代から、子供は教育費がかかるコストになって、先進国では、共通に2人以下しか生まなくなった。子供を働き手とする低開発国だけで、人口が増えました。

適正な肥料の量と収穫量は比例します。2027年に、仮に20%の食糧が不足すれば、1か月で16億人に、時ならぬ飢餓が生じます。

世界の国内需要を上まわる余剰生産が減れば、1億2300万人に必需の食糧の60%を輸入に依存している日本どうなるか?

遠い先ではない。2027年からです。
人口14億人のインドでは、すでに食糧難が起こっています。
中国の報道はありませんが、インドに類似しているでしょう。
https://note.com/quiet_gibbon6020/n/ndef073c97f79

【経済データの宝庫はスーパー】
スーパーのサーモン(多くをノルウェーからの空輸での輸入)の価格が2倍から3倍に上がっているのに、家人が、気がつきました。当方も一緒に行った食品スーパー全般の価格は、棚の観察では昨年比15%は上がっている感じがしています。

食品・果物・飲料は重いので、荷物持ちの役です。
ただし、スーパーのぶらぶら観察は面白い。

世界の物価と通貨レートが約3か月遅れではあっても店頭にあるからです。商品の品質と価格を観察します。

一方で、駐車場の料金払いは、AIが入庫ナンバーを自動記録しているので、自動払いになりました。世界の細部に、世界の変化があります。

近年気がつくのは、65才以上のたぶん退職者の男性の、1人買い物が目につくことです。歩くのが困難に見える人の買い物も増えています。90万人(0.8%)の人口減から、日本の世帯の構造には、後戻りしない変化が起こっています。

食糧の価格が上がるだけなく不足する来年のスーパーの風景は、どうなるかと思うのです。

穀物が上がれば、穀物(トウモロコシや小麦)が飼料である食肉の価格も、2倍や3倍に上がります。肉の価格は、生育の穀物価格に比例しています。船の燃料費が上がると魚の値段も上がります。アマゾンの宅配物流費もタイヘンになるでしょう。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 吉田さんは、食料問題は2027年からと言っていますが、私は今年の秋にも来ると思っています。
 今年の世界の農業生産量が確定し、人々が食料が極端に少ないことに気づくのが秋だからです。その時点で食料の買い占めが起こり始め、スーパーの棚に空きが目立つことになると思います。
 もちろん食料が全く無くなるということはないでしょうが、年末には異常な価格になっている可能性があります。
 2倍、3倍は当たり前になると思います。
 お金に困っていない富裕層であれば問題ないですが、今ですらギリギリの生活を送っている一般庶民の生活を直撃することになります(もちろん私も含まれます)。
 だからこそ、食料や生活物資が普通に買える今こそ、備蓄をする時だと思うのです。

 1ヶ月ほど前になりますが、東京で飲み会があり、知人と話をしたことを記事に書きました。
 その時に知人に、「今の物価高は、いずれ治まると思っていませんか?」と聞いてみたのです。すると、「ええ、そう思っています」との答えです。
 これこそ正常化バイアスです。
 その知人は、なぜ今これほど物価が上がっているかを考えた(調べた)ことがないのでしょう。
 調べたら、今の物価高は始まりにすぎず、これから本格的にどんどん上がっていくことがわかるはずです。しかし正常化バイアスがかかっていると、自分にとって心地よい(都合のよい)ことしか頭に入らず、根拠のない願望だけに浸ることになります。

 また別の知人は、「日本人の知恵により、この危機的状況を乗り越えていけるのではありませんか?」と言いました。
 私は、それに全く同感です。
 私は日本人には、危機を乗り越える素晴らしい能力があると信じています。
 例えば、世界的な化学肥料の不足が起こったら、化学肥料を必要としない有機農法に切り替えるといったことです。
 これに関してはスリランカの例が参考になります。
 2021年、スリランカのラジャパクサ政権は農業の“完全有機栽培化”を推し進めようと、化学肥料と農薬の輸入を禁止しました。
 有機栽培に移行という国家方針は素晴らしいと思いますが、農業に無知だった為に、これが国全体に深刻な飢餓をもたらす結果となったのです。
 これまで化学肥料を使っていた農地は土が痩せてしまっている為、有機栽培をするには最低でも3年は必要と言われています。
 気候変動の影響もありましたが、いきなり化学肥料と農薬を止めてしまったがために、収穫量が極端に減ってしまったのです。2022年、食糧不足と物価高騰が発生し、大規模な反政府暴動に発展しました。ラジャパクサ大統領は国外逃亡を余儀なくされ、国家破綻状態に陥ったのです。

 私は、日本が中東からの化学肥料の途絶を好機として、有機栽培に切り替えるといったことには大賛成です。
 しかし、それには3年かかります。
 有機栽培に切り替えたとしても、食料不足は数年単位で続く可能性があります。
 それゆえ、その苦しい時期をなんとか生き延びる為の備え(食料の備蓄など)が必要だと思っているのです。


 (2026年6月13日)

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