クマの出没が相次ぐ中で、7日は山形県の温泉旅館にも出没しました。

そしてさらに猟友会は、2025年のクマは凶暴化していると指摘しています。

過去最悪の死者数となり、災害級の脅威となっているクマ被害。

7日も各地で出没が相次ぎました。

午前7時ごろにクマが現れたのは、山形・米沢市にある山奥の秘湯として知られる滑川温泉の旅館でした。

障子はボロボロに破られ、老舗旅館の中は無残な姿となっていました。

冬季休業中の旅館内に侵入したのは、体長約1.2メートルのクマ。

旅館を経営する家族3人は、2階に逃げ込んだといいます。

するとクマは、そのまま1階に居座ったというのです。

外では、防護盾を持った警察官や銃を手にした猟友会のメンバーが旅館を取り囲み、現場は緊迫した空気に包まれます。

一方、旅館に取り残されていた家族は、バリケードを張ってクマの侵入を防ごうとしていました。

クマが侵入した旅館の経営者:
(旅館の中)かなりひどいです。あらゆるもの冷蔵庫全部開けてるし…とにかくひどいものです。

そして午前11時49分、緊急銃猟を実施。

旅館に居座っていたクマは駆除されました。

取り残されていた家族3人も非常階段から警察に救助され、けがはありませんでした。

クマが侵入した旅館の経営者:
クマなんて遠くで見るものだと思ったら、こんな近くに来るとは考えもしなかった。クマ対策ですよね、しっかりしないと困りますよ。またこんなことがあったら危なくてしょうがない。

また、宮城・大和町ではクマが大学のキャンパスに出没。
この影響で、3限目以降が休校となりました。

クマは、大学付近の山林に姿を消したといいます。

さらに、同じ宮城県の川崎町でクマが目撃されたのは、車で山道を走っていた瞬間でした。
道路に飛び出してきたクマが車と激突。

クマを目撃したドライバーは「ドンという音がした。(バックミラーで)横転していたのを見てクマだと気づいた。自分が通っている道に(クマが)現れるなんて考えていなかった」と話しました。

各地でクマの出没が相次ぐ中、猟友会でも驚く事態が起きていました。

北海道・砂川市で活動する猟友会が撮影した映像には、おりの中で威嚇するようにほえて大暴れするヒグマの姿が映っています。

猟友会は自治体の依頼を受け、箱わなを設置してクマを捕獲しています。

市内では、2025年4月からすでに15頭のクマが捕獲されたといいます。

別の日に捕獲されたクマは、うなり声を上げて威嚇します。

猟友会は珍しいという写真を撮影していました。
箱わなの上に立つ子グマ。
餌が仕掛けてあるにもかかわらず、なぜかおりの中には入らなかったのです。

猟友会の支部長は、クマに変化が起きていると指摘します。

北海道猟友会 砂川支部・池上治男さん:
珍しい映像だったと思うが、私たちも初めてその映像を見た。箱わなが危険ということを学習している。

さらに2025年のクマは、より凶暴化しているとの声も上がっています。

おりにかみつくクマ。
牙がボロボロになるまで暴れていました。

深刻な被害が出ている秋田県の猟友会は、注意を呼びかけています。

雄勝猟友会ハンター:
もう今年はすごい凶暴な感じ。太っている、もうすごい。もうパンパン、手足も先まで全部。

一方、来週から警察官がライフル銃での駆除が可能となるのを前に7日、秋田・北秋田市では猟友会による講習が行われました。