賃貸住宅の家賃が高騰し、東京23区では手取りの4割近くに達するというデータもあります。戸建の購入費用も上がっていて、住宅ローンは35年だけでなく「50年」を選ぶ人も。費用を抑える上で人気となっている「狭小住宅」や、東京都の対策を紹介します。

■東京23区の1か月の家賃は?

森圭介アナウンサー
「お給料の手取りとの関係で、『家賃は手取りの3割まで』という話を聞いたことはありますか?」

忽滑谷こころアナウンサー
「あります。実家から出る時も『お家どうするの?』と両親から言われて、『あまり豪華な家に住んじゃうとあれだから、家賃は手取りの3割まで』ときつく言われましたね」

森アナウンサー
「あくまで経験則で一般論ですが、生活費や貯金のことなどを考えると、家賃は3割くらいにしておこうねという話です。先週公開された総務省の家計調査のデータと、不動産情報サービスのアットホームのデータを組み合わせたものがあります」

「去年11月までの1年間の平均で、東京23区では手取りの39.12%、4割に迫ってきているということです。アットホームによると、東京23区のファミリー向け賃貸マンションの平均家賃(50~70㎡、共益費など含む)は去年11月時点で25万1446円でした」

「1か月の家賃が25万円を超えているということですが、5年前の2020年11月は19万558円でした。この5年で30%近く上がってしまいました。『こんなペースで上がっていたらどうなっちゃうの?』と思ってしまいますが…」

■街の人に聞く…家賃どう思う?

森アナウンサー
「街の皆さんにも家賃について伺ってきました」

家賃が約9万円で東京・国分寺市在住の20代
「(手取りの)3割くらいです。仕事柄あまり家にいないので、ちょっと高いなと」

家賃が約20万円で東京・中央区在住の20代
「3割です。(家賃が)高すぎます。自分に使えるお金が少ないなって」

家賃が約20万円で東京・港区在住の20代
「2割です。(今の家賃は)高いは高いですよね。生活も厳しくはなってしまうので」

神奈川・川崎市在住の30代
「3割、もしくは3割を切るくらい。物価も高いし、あまりお金かけなくないので、家賃はもう少し抑えたいかなと。4割くらいになるとちょっと嫌」

■新築戸建も価格上昇…平均は?

森アナウンサー
「毎月かかる固定費なので、他を削っていくしかありません。賃貸だけでなく、戸建も高くなっています。アットホームの調べでは、首都圏1都3県の新築戸建の平均価格は、去年11月時点で5千万円を切って4885万円でしたが、東京23区に絞ると8107万円でした」

■住宅ローン「50年」時代到来?

「賃貸と分譲、どっちがいいんだという永遠の悩みになるわけですが…。そんな人の夢を叶えるために、買うとなったら住宅ローンを組む方も多いと思います。住宅ローンというと、最長で何年のイメージがありますか?」

鈴江奈々アナウンサー
「35年というイメージです」

森アナウンサー
「私も35年で組みました。今、そのローンの形が変わってきていて、50年時代がやってきているということです。いくつかの銀行が展開しています。その1つのPayPay銀行によると、全体の30%ほどが35年~50年のローンを選択しています」

「仮に(4年で)大学を卒業して50年ローンを組んだら完済するのは72歳なので、頑張って働かないといけないなということになります」

鈴江アナウンサー
「返済できるのかという不安が残りますが、1か月あたりにすると抑えられるメリットもあるからということですよね」

森アナウンサー
「その通りです。長いローンを選択するのはメリットがもちろんあるからです。住宅ローンの比較診断サービス『モゲチェック』の塩澤崇さんにメリットとデメリットを伺いました」

「メリットは月々の支払いを抑えることができることです。デメリットは、支払いが長い分、金利の負担が重くなります。具体的にどれくらい違うのか、塩澤さんの試算で教えていただきました」

「仮に6000万円を平均的な変動金利の0.75%で借りた場合、35年ローンだと月々の支払いが約16万円で、金利の総額が823万円なので、返すお金は6800万円を超えてきます」

「これを50年ローンにすると月々約12万円で確かに抑えられます。ただ金利の総額は1197万円となり、返す金額は7200万円近くになります。どういう形で買うのか、借りるにしても買うにしてもお金の問題は出てきます」

■“安い住宅”…家賃高騰で都も対策

森アナウンサー
「住むことは皆さんに関わる問題なので、家賃の高騰を受けて、東京都も対策を始めました。それが『アフォーダブル住宅』です。アフォーダブルというのは手頃な、安いなどの意味があります」

「来年度以降、子育て世帯などを対象として東京都が民間業者と連携して始める事業です。家賃が相場より約2割安く提供できる予定だということです」

忽滑谷アナウンサー
「その分経験や、買いたいものに使えるお金が増えるので、2割はかなり大きいですね」

森アナウンサー
「子育て世代だったら教育資金に回すこともできます。なぜこれほど安くできるのか。その理由の1つが、全国で増えている空き家を利用するということです」

「提携する事業者の1つに聞きました。築年数がかなり経っているように見受けられる物件をリフォームします。株式会社ヤモリの担当者は『使える部分はそのままいかしながら、リフォームをして費用を抑える』と言っていました」

「入居条件などはこれから東京都と詰めていく予定ということで、賃貸か購入の費用をなんとか安く済ませる救世主になるのかもしれません」

■利便性を重視?「狭い住宅」ニーズ増

森アナウンサー
「塩澤さんによると、少しでも安く住みたいという方の中で今、狭い住宅のニーズが増えているそうです。まずは戸建についてです」

「住宅情報サービスのライフルホームズによると、占有敷地面積が60㎡未満(シングルスのテニスコートの3分の1くらい)の狭小戸建は、首都圏の新築戸建に占めるシェアが5年で約2.7倍に増えているそうです」

「広さよりも便利な場所を選ぶという方が増えているのかもしれません。賃貸でもあります。激セマ専門の不動産管理会社であるスピリタスによると、管理する1500の激セマ物件の99%が埋まっているほどの人気だそうです」

「JR 山手線の新大久保駅から徒歩5分というものすごい好立地で、居室の面積が約3畳のワンルーム、ロフト付きで風呂・トイレ別という物件があります。ここの家賃は、管理費と町会費込みで7万5100円と8万円を切ります」

「『もう高くて住めない…』という新宿や渋谷などで、狭かったらなんとかなるというところが人気だということです。タイムパフォーマンス(タイパ)重視で、職場や通学先から近くに住むというような様々な利用法があるそうです」

「家賃が上がり、長期金利も上がってくる中で、『住むのが大変だ…』という声も聞こえてきます。スペースを抑えるなどで皆さん工夫をしながら、住むところを探しているようです」

(2026年1月15日『news every.』より)