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国内のエチレン減産が広がる

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エチレン減産 エネルギー

国内のエチレン減産が広がる

国内エチレン減産広がる 水島・京葉も稼働調整

ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け、国内でエチレン減産の動きが広がっている。

三菱ケミカルと旭化成が合弁で運営する岡山県のナフサ分解炉(エチレン設備)は11日から稼働率を引き下げた。

コスモエネルギーホールディングス子会社の丸善石油化学と住友化学の共同出資会社の千葉県の設備は定期修理後の再稼働を延期する可能性があると明かした。中東産ナフサの調達リスクが高まっており、各社は非中東品など代替調達の確保を急ぐ。

三菱ケミカルと旭化成の折半出資会社である三菱ケミカル旭化成エチレン(AMEC)は、岡山県・水島コンビナートのエチレン設備で安全操業を維持するレベルの稼働に下げた。

国内ではすでに、三菱ケミカルが茨城県のエチレン設備で6日から、三井化学も千葉県と大阪府の計2基で今週から低稼働体制に移行している。

丸善石油化学と住友化学の出資会社京葉エチレンが千葉県で操業する設備は1月下旬から大型定期修理に入り停止している。

当初、3月下旬に定修を終え稼働を再開する予定だったが、3月末から4月初旬に再稼働時期を延期し、立ち上げ後も負荷を下げて低稼働で運転する可能性がある。

各社は非中東品などでナフサの確保に動いている。しかし、韓国や東南アジア勢も同様に原料ナフサで中東品の占める割合が大きいため、アジア全域で非中東品ナフサの需要は強まっている。

輸入ナフサ価格は上昇基調にあり、調達難易度は一段と高まっている。

誘導品では、現時点で大きな生産影響は出ていないものの、在庫の見極めや原料調達に関する情報収集に追われている。エチレン設備の低稼働が長期化すれば誘導品にもその流れが広がり、幅広い製造業サプライチェーンに影響が出る可能性がある。

エチレン減産がもたらすもの。今年の夏以降に顕著に現れる。

日本の個人消費は、2026年春時点で物価高の影響が残る中、二極化が一段と鮮明になっている。生活必需品である食品は単価上昇が続いても「買わざるを得ない」ため、数量を抑えつつも底堅く推移。一方、耐久消費財や嗜好品分野では、ナフサ不足によるエチレン減産・中東情勢悪化によるプラスチック原料の高騰が包装材や日用品価格を押し上げ、買い控えが加速する見通しだ。ホルムズ海峡封鎖が長期化すればナフサ影響は1〜3ヶ月遅れで顕在化するため、夏以降に本格化し、非必需品の価格転嫁が強まる可能性が高い。

食品分野:コンビニの必需品需要が底堅い

小売業態によって状況を確認すると、食品分野では、大手コンビニ(セブン-イレブン、ファミリーマート、ローソン)が中食を中心とする必需品需要を捉えている。食品や日用品も含め生活必需品の取り扱いが多く、物価上昇局面でも一定の需要が維持されやすい構造にある。特に、低価格PBや少量・高頻度の購買行動が増えており、家計防衛型の消費を取り込んでいる。

一方、原油高やナフサ高騰によるペットボトル容器価格の上昇は、コンビニ飲料にも影響を及ぼす可能性がある。ペットボトル飲料の値上げが続けば、紙コップを使うコンビニコーヒーや紙パック飲料のようなペットボトルを使わない飲料へのシフトが進むとみられる。さらに、マイボトル持参や自宅抽出のコーヒー需要が増えれば、コンビニの飲料売上構成にも変化が生じる可能性がある。

衣料品分野:ユニクロの定番需要が相対的に安定もリスク潜む

衣料品では、ユニクロ(ファーストリテイリング)が低価格・機能性商品の定番需要で相対的に安定している。消費者の買い替えサイクルが長期化する中で、「必要最低限」の衣料を購入する傾向が強まっており、衣料市場全体は縮小傾向にある。その中で、価格と品質のバランスを重視するブランドが需要を取り込む構造となっている。

ただし、衣料品にもナフサ高騰の影響が及ぶ可能性がある。ポリエステルなどの合成繊維は石油由来の原料を使うため、原料価格上昇が製造コストを押し上げる。エアリズムやヒートテックなど合成繊維を多用する商品では、今後価格上昇圧力がかかる可能性があり、値上げを最小限に抑えつつ機能向上で消費者の抵抗感を和らげる戦略が求められる。

家具・家電・生活雑貨分野:耐久財の買い控えが顕著

家具・家電・生活雑貨では、耐久財の買い控えが顕著になっている。家庭内に一定の在庫がある家具や家電は買い替えが先送りされやすく、物価上昇局面では特に需要が鈍化しやすい。さらに、物流コストや人件費の上昇に加え、プラスチック部品の原料となるナフサ価格の上昇もコストを押し上げていく可能性が高い。

具体的には、テレビスタンドなどのプラスチック筐体、家具の収納ボックスの引き出し部分、椅子の脚やアームパーツなど、日常生活で使われる製品の多くに石油由来の樹脂が使われている。ナフサ減産の影響が広がれば、こうした部材コストが上昇し、製品価格の上昇や販売減速につながる可能性がある。

日用品分野:節約型消費が強まり、リフィル文化の拡大へ

化粧品やシャンプーなどの日用品では、「使える分だけ買う」節約型の消費が強まっている。価格上昇に対応するため、詰め替え用商品や大容量商品の需要が拡大しており、シュリンクフレーション(容量減)への対策としても注目されている。

ナフサ由来プラスチックを多用する商品は特に価格上昇圧力が強い。具体的には、シャンプーボトル、洗剤ボトル、歯ブラシ、食品包装フィルム、ペットボトル飲料容器、スーパーやコンビニの弁当トレー、刺身や惣菜トレー、紙おむつ、レジ袋、保存容器などが挙げられる。これらはポリエチレンやポリプロピレンなど石油化学製品を原料としているため、ナフサ価格の上昇が直接的にコスト増につながる。2026年夏以降、こうした日用品の値上げが広がる可能性が高い。

今後のナフサ影響と消費行動の変化

ナフサ不足による影響は、ホルムズ海峡封鎖などで原料調達難が続き、エチレン減産(三菱ケミカル、出光興産、三井化学など)が始まっている。1〜3ヶ月遅れで包装材・日用品価格に転嫁され、2026年夏以降、非必需品の値上げが加速。必需品はPB中心の低価格シフトが進む一方、耐久財・嗜好品は「本当に必要な時だけ」購入へ。ペットボトル飲料高騰でマイボトル持参や自宅抽出が増え、量り売り・リフィル文化が多分野に広がる可能性が高い。すでに一部ドラッグストアやスーパーでシャンプー・洗剤の量り売りなどのリフィルステーションが増加しており、小売全体でこうした動きが加速するだろう。

中低所得層の生活防衛策として食料品消費税減税の必要性

原油高による物流コスト増やエチレン減産が今後家計を直撃する可能性のある中、中低所得者の生活を守るためには、食料品の消費税減税(軽減税率の見直し)が有効な生活防衛策となる。高市政権下で議論が進む「食料品消費税2年間ゼロ」(一部で恒久化案も)は、年間約5兆円の税収減を伴うが、世帯あたり年6〜8万円程度の負担軽減が見込まれ、特に食費負担の大きい中低所得層の実質所得を支える。政府は国民会議で財源確保(補助金・租税特別措置見直しなど)と給付付き税額控除への移行を検討中だが、早期実現が求められる。こうした施策が実質賃金プラス転化と連動すれば、個人消費の底堅い回復を後押しするだろう。

全体として、個人消費は実質賃金プラス転化と政府物価対策で緩やか回復基調だが、エチレン減産の影響で非必需品分野の買い控えが深まる「メリハリ消費」の深化が続く。企業はPB強化と価格戦略の見直しを迫られ、消費者の「賢い選択」が今後の勝敗を分ける。

→https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/650f4b82fbc95d8adef54116045f53a78088cd71

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