イスラエルが戦争に負けた証拠はこれだ

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核戦争の可能性 イスラエル

イスラエルが戦争に負けた証拠はこれだ

壊滅的な打撃を受けたイスラエルを救うためにトランプが停戦を講じた

(そして紛争が再開されようとしている兆候)
マイク・ホイットニー
2025年6月28日
The Unz Review


 イランとの停戦になぜイスラエルが同意したのかアメリカ国民は説明されていない。確かに、イスラエルの防空迎撃装置が急速に枯渇しつつあり(イランの攻撃に、より脆弱になっていた)、それは二次的問題に過ぎない。彼らが停戦を望んだ真の理由は、体系的に粉砕されつつあり、失血を速やかに止める必要があったためだ。だからこそ、イスラエルは最初の攻撃から二週間も経たないうちに「降参」したのだ。イランは終わりの見えないまま次々と標的を壊滅していた。こうしてイスラエルは降伏したのだ。

 もちろん、これは我々が西側メディアで目にしてきた話とは違う。西側メディアでは、イスラエルの戦略目標が(イランの弾道ミサイルによって)広範囲に破壊されたというニュースは全く報じられない。このニュースは主流メディアから完全に排除されている。しかし、だからこそイスラエルはトランプ大統領に外交的出口を見つけるよう説得したのだ。損失が膨らみ始め、イランが「手加減」していなかったためだ。

 イスラエルでは、イランのミサイル攻撃を受けた建物の動画や写真の投稿が違法なのをご存知だろうか? つまり、くすぶる建物、インフラ、軍事基地の写真を公開すると、刑務所行きになるのだ。政府はこのようにして報道管制し、実際は負けている戦争を勝利しているように国民に信じ込ませているのだ。だが私の言葉を鵜呑みにしないで頂きたい。イスラエルのニュースキャスターが、政府の検閲が国民の理解力にどのような影響を与えているかを説明する動画をご覧願いたい。

CH13のラヴィヴ・ドラッカー記者:ミサイル攻撃の我々の報道には、イラン的な視点が多少あると言わざるを得ない。ワイツマン研究所のことを言っているのではいが、イスラエル国防軍基地や戦略拠点へのミサイル攻撃は数多くあったが我々は今日に至るまでそれを報道していない。それには明確な理由があり、国内の全員が理解している。だが、その明確な理由によって、イランの攻撃がどれほど正確で、多くの場所でどれほど被害をもたらしたか人々が理解できない状況が生まれている。我々が知っているのはワイツマン研究所のことだけで、知らない場所は多々ある。https ://twitter.com/SuppressedNws/status/1938336639748624420

 繰り返す。イランがどれほど精密だったか、そして彼らが多くの場所でどれほどの損害を引き起こしたかを人々が理解しない状況が生まれている。

 この発言から我々は一体何を読み取れるだろう?

 イランの次世代弾道ミサイルは、豊富で、精密で、致死性が高い。一般の人々が自らの安全について十分な情報に基づいた判断を下せるよう、これらの最新兵器について知らされるべきだとニュースキャスターは考えているようだ。これは評価に値する。我々はこの見解に賛成だが、同時に、厳しく検閲され、国家統制され、思惑先行のメディアが、情報発信方法を変えるつもりがないことも承知している。結局、メディアの狙いは情報提供ではなく、世論形成だ。

 だが、話が逸れてしまった。我々が言いたいのは、停戦にイスラエルが同意したのは戦略目標を達成したからではなく、打撃を受け、出血を止めたかったためだったことだ。我々の判断は、イスラエル全土に壊滅的被害をもたらした精密誘導弾道ミサイルの攻撃を受けた主要軍事施設、諜報機関、産業施設、エネルギー施設、研究開発施設リストに基づいて下している。


 忘れてはならないのは、トゥルー・プロミスIII作戦では最新鋭の弾道ミサイルが22発も発射され(多くは初使用)、イスラエルの厳重に要塞化された施設の数々に壊滅的打撃を与えたことだ。これら施設は「世界で最も厳重に守られた軍事基地」とされていた。イランのミサイルは、標的をねじ曲げた金属片や砕けた灰の塊に変えていくかのように、イスラエルの防衛網を次々と突破していった。(ある兵器専門家は、イランの弾道ミサイルのうち迎撃されたのはわずか5%だと推定している。)以下はPress TV記事の引用だ。
 
イランは、テルアビブ中心部にあるいわゆる「イスラエルのペンタゴン」、キルヤ軍事情報施設を破壊した。Xに掲載された数枚の写真で、建物はくすぶる残骸として写っている。占領地で最も厳重に要塞化された場所の一つで、イスラエルとアメリカの多層防衛システムによって守られていたにもかかわらず、この施設は「トゥルー・プロミスIII」のまさに最初の段階でイランのミサイル弾幕を迎撃できなかった…。

 ハイファでは、イラン精密誘導ミサイルが、イスラエル内務省の国内軍事調整を担当する支部が入居する高層ビルを直撃した。この攻撃により、市レベルの物流網と緊急対応システムが混乱した。Press TV

 イランのミサイルは、ヘルツリーヤ近郊のグリロット・ミズラ・インターチェンジにあるアマン軍事情報本部も破壊した。アマンは、8200部隊(信号諜報)、504部隊(人的情報)、9900部隊(地理空間情報)といった精鋭諜報部隊を統括している。この施設には、イスラエル政権の悪名高い対外情報機関モサドの作戦本部も置かれている。

 イランはネゲブ砂漠にある「難攻不落」とされるネバティム空軍基地にも30発以上の弾道ミサイルを発射し、甚大な被害をもたらした(もちろん報道はされていない)。ネバティム空軍基地にはイスラエルのF-15とF-35の大半が配備されているが、これら戦闘機の被弾数は推定されていない。Press TV報道を以下にご紹介する。

 標的となった他の空軍基地には、テルアビブ近郊のテル・ノフとベン・グリオン、ハイファ近郊のラマト・ダビド、地中海沿岸のパルマチム、エイラート近郊のオブダなどがある。

 初めて使用されたものも含め、イランのミサイルはテルアビブとハイファにあるイスラエル軍とモサドの指揮統制センターを標的とした。

 6月16日、イランの弾道ミサイルがハイフにあるバザン石油精製所を攻撃した。同精製所はイラン政権最大の燃料加工センターで、ガソリンの約60%、ディーゼルの65%、灯油の50%以上を供給している。

 攻撃により甚大な被害が発生し、製油所と関連施設は全面閉鎖を余儀なくされた。イスラエルのエネルギー大臣は後に、施設は大規模再建が必要なことを認め、部分的再開は1ヶ月以内には実現しないと予測した。

 近くの発電所も被害を受け、占領地中央部で広範囲にわたる停電が発生した。

 6月23日、イラン・ミサイルがアシュドッド発電所付近に着弾し、大規模爆発と停電が発生した。イスラエル最大の発電所オロト・ラビンがあるハデラ近郊でも爆発と停電が報告されている。

 更にイランは最近のイスラエルによる攻撃に関与した軍需産業施設を直接標的とした。中でも特に目立ったのは、イスラエル軍事装備の主要部品を生産する複数工場と研究開発施設が集まっているハイファ北部にあるラファエル先進防衛システムズ社(RADS)の複合施設だ。

 ラファエル社は、アイアンドームとデイビッド・スリングのミサイル迎撃ミサイルを製造している。どちらもパレスチナとイランのミサイルの阻止に繰り返し失敗している。また、スパイスキット、ポパイ、ロックス、スパイク、マタドールなどのミサイルを含む、イラン攻撃に使用される巡航ミサイルと誘導ミサイルも製造している。

 マイクロプロセッサやハイテク軍事生産の主要拠点であるキルヤト・ガット工業団地も攻撃を受けた。イラン攻撃により、イスラエルの無人機および監視プログラムに不可欠な主要生産ラインが被害を受けたと報じられている。

 さらに南下すると、ベエルシェバ近郊のガブ・ヤム・ネゲブ先端技術パークも被害を免れなかった。サイバー戦争、AI、軍事技術を扱う企業が集積するこのパークには、イスラエル軍やモサドと緊密に協力している企業が多くある。

 もう一つの注目された標的は、テルアビブ南部のレホヴォトにあるワイツマン科学研究所だった。軍事研究開発とイスラエル軍機関との提携で知られる同研究所は、主要研究室に壊滅的被害を受けた。研究所職員と教授陣は、長年にわたる研究成果の損失を確認した。ワイツマン研究所はイスラエルの秘密核開発計画にも関与しており、ディモナの核科学者の多くは同研究所の卒業生、あるいは同研究所で教鞭を執っている。Press TV

 まとめると、僅か一週間余りで、イランは以下のものを攻撃、あるいは壊滅した。

  1. 「イスラエル国防総省」、キルヤ軍事情報複合体
  2. イスラエルの秘密核開発計画に関与するワイツマン科学研究所
  3. ヘルツリーヤ近郊のグリロット・ミズラ・インターチェンジにあるアマン軍情報本部。アマンは、第8200部隊(信号諜報)、第504部隊(人的情報)、第9900部隊(地理空間情報)といった精鋭諜報部隊を統括している。
  4. イスラエル内務省の国内軍事調整を担当する部局
  5. モサド作戦本部
  6. イスラエルで最も警備が厳重なネヴァティム空軍基地(およびテルノフ空軍基地)
  7. ベングリオン空港(繰り返し)、エイラート近郊のラマト・ダヴィド、パルマキム、オブダ。
  8. テルアビブとハイファの両方にあるイスラエル軍とモサド指揮統制センター……。
  9. ハイファのバザン石油精製所—イスラエル最大の燃料加工センター
  10. アシュドッドの巨大な発電所で、強力な爆発が発生し地域的停電が発生した。
  11. ハイファ北部のラファエル先進防衛システム複合施設。イスラエルの軍事装備品の主要部分を生産する複数の工場と研究開発棟がある。
  12. キルヤト・ガット工業団地はマイクロプロセッサとハイテク軍事生産の中心地だ。
  13. サイバー戦争、AI、軍事技術に取り組む企業が集まるベエルシェバ近郊のガブ・ヤム・ネゲブ先端技術パーク。


夕暮れのテルアビブ

 状況はお分かりだろうか? わずか10日間(6月13日から23日)で、イラン軍はイスラエル全土にある最も権威ある軍事施設、諜報機関、産業施設、エネルギー施設、研究開発施設の相当部分を綿密に破壊した。(西側メディアでこの件について何か読んだことがおありだろうか?)もし戦争があと1、2週間続いていたら、聖地は人が住めない、くすぶる第三世界の荒地と化していたはずだ。つまり、これは通常の停戦などではなかったのだ。これは、実力で劣る相手が「力不足」にすぐに気づいた必死の降伏だった。トランプはこれを次のように要約した。  

水曜日、ハーグで開催されたNATO首脳会議で「イスラエルは本当にひどい打撃を受けた。あの弾道ミサイルは本当に多くのビルを破壊した」とトランプ大統領は記者団に語った。https ://twitter.com/i/status/1937812706599252198

 そう、イスラエルは本当にひどい打撃を受けたのだ。

 イランとイスラエルの間に正式合意が存在しないことに留意すべきだ(署名文書や明確な約束は存在しない)。停戦は主にカタールの仲介による水面下の外交交渉を通じて成立した。ホワイトハウス高官と協議について説明を受けた外交官は、イランが攻撃を停止すれば、イスラエルは攻撃停止に同意し、イランはカタールの仲介を通じてこれらの条件の遵守を示唆したと示唆した。トランプ大統領は停戦を24時間かけて段階的に実施する「完全かつ全面的な停戦」と発表していたが、6月23日の最初の合意以来、双方による度重なる違反が発生している。(イランのアラグチ外相は当初「合意はない」と述べていたが、イスラエルが約束を履行すればイランは対応を停止すると示唆した。)

 もちろん、問題は停戦が維持されないことだ。停戦を再編と次の戦闘準備用の時間稼ぎとしかイスラエルとアメリカが考えていないためだ(ミンスク合意と同じだ)。土曜日にイスラエルのイスラエル・カッツ国防相が次のように発言したことをお考え願いたい。

これは「永続的平和」や一時的戦闘終結を望んでいる人物の発言とは思えない。戦闘再開に向けた戦略を既に固めており、(ビビからの)ゴーサインを待って計画を実行に移そうとしているだけの人物の発言のように聞こえる。

 しかし、その計画とは一体何なのだろう。イスラエルは既に最先端の軍事兵器と高度な防空システムを導入していた。わずか12日間の紛争で彼らが経験した結果とは異なる結果を生み出すため、他に一体どのような手段を使えるというのだろう。

 ここからが恐ろしいところだ。イスラエルには二つの選択肢しかない。アメリカを紛争の深淵に引きずり込む(地上軍派遣を含む)か、「核兵器を使う」かだ。第三の選択肢はない。だから、ビビと将軍連中がどんな「策略」を巡らしているにせよ、それは前回の騒動とは規模も威力も異なるものになるはずだ。タイムズ・オブ・イスラエルの土曜版に掲載された、この不可解な記事をご覧願いたい。  

今週初めのアメリカによるイラン攻撃後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相とドナルド・トランプ大統領は、ガザでの戦争の早期終結とアブラハム合意の拡大で合意したと「会談に詳しい情報筋」の話としてイスラエル・ハヨムが報じた。

 同メディアによると、電話会談で、ガザ紛争は2週間以内に終結することでトランプ大統領とネタニヤフ首相は合意した。UAEとエジプトを含む4つのアラブ諸国がハマスに代わってガザ地区を共同統治する。ハマス指導者は国外追放され、人質は全員解放される。

 だが、将来の二国家解決への道筋の一環としてパレスチナ自治政府がガザ地区に足場を築くことにイスラエルが同意しない限り、戦後のガザ地区復興には参加しないとアラブ同盟諸国は繰り返し主張しているが、パレスチナ自治政府がガザ地区でいかなる役割も担うことをネタニヤフ首相はきっぱり拒否している…。

 イスラエル・ハヨムによると、月曜夜遅くトランプ大統領とネタニヤフ首相はマルコ・ルビオ国務長官とスラエルロン・ダーマーイ戦略問題相も同席で「高揚した」電話会談を行った。

 サウジアラビアとシリアはイスラエルと外交関係を樹立し、他のアラブ諸国とイスラム諸国もこれに追随する。イスラエルは、パレスチナ自治政府による改革を条件に、将来の二国家解決への支持を表明する。一方、両首脳は、ヨルダン川西岸の一部地域におけるイスラエルの主権をアメリカが承認することで合意した。タイムズ・オブ・イスラエル

 中東情勢を注視している人なら、この記事の内容が全く真実ではないのをご存じだろう。ガザ紛争はすぐには終結せず、アブラハム合意も急速には拡大せず、イスラエルが二国家解決を支持することもまずあり得ない。

 それで、ここで何が起こっているのかについて、正気な人なら誰も信じないだろうこの無意味なプロパガンダの意味は一体何だろう?


 この疑問に仮定の上で答えてみよう。例えば、数週間以内に、イラン関与の証拠が色濃く残る、予期せぬ9.11型大惨事が起きるとしよう。そして、この偽旗作戦があまりにも破壊的で、連邦議会や主流メディアの「いつもの容疑者」連中がトランプ大統領に即時行動を起こし、イランを爆撃するよう要求したとしよう。もしそのようなシナリオが現実になった場合、ガザ危機の解決に向けた最近の努力をビビとトランプ大統領が指摘できた方が得策ではなかろうか。彼らは積極的に平和を追求してきたのだが、イランの行動により予期せず頓挫したという認識を(国民から)得られれば、利益が得られるのであるまいか。

 確かにそうなるはずだ。

 もちろん、これはあくまで憶測に過ぎない。何が起きるか分からない。だが、カッツや、国家安全保障大臣イタマール・ベン=グヴィルや、財務大臣ベザレル・スモトリッチ、そしてネタニヤフ政権の狂信者連中の強硬派が、イランの軍事力回復を阻止するため、イスラエルは「剣を振り上げ続ける」必要がある(スモトリッチ)と考えている以上、賢明な人間なら最悪の事態に備えるはずだ。

 念頭に置いておきたいのは、ネタニヤフ首相は「仕事を終わらせる」べきだとイスラエル指導者の多くが繰り返し述べていることだ。これは核兵器の使用を指す意図的に曖昧な表現だ。

 このような出来事が起きる可能性を判断するには、自らの支配下にある何百万人もの女性や子どもの殺害や強制的飢餓を正当化する政府が、世界で最も致死的兵器の使用に反対する道徳的良心を持っているかどうか自問する必要がある。

 ネタニヤフがまさに我々が予想している通りの行動をとるのではないかと我々全員大いに懸念するべきだ。


記事原文のurl:https://www.unz.com/mwhitney/heres-proof-that-israel-lost-the-war/
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マイコメント

やはり、私が指摘して来たようにイスラエルがイランからの攻撃によって壊滅的な
打撃を受け、トランプを介して停戦に持ち込むしかなかったようです。

一時的な停戦であることを踏まえれば、今後イスラエルがどう動くかが焦点となり
その出方次第では核攻撃もあり得ることになります。

もし、核が使われたら最後地球全体が核の応酬となり破滅するでしょう。

私たちは是が非でもこうした事態になることを避けなければなりません。

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