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抗不安剤や抗うつ剤の使用は「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の発症リスクを大幅に増加させる」ことがスウェーデンの研究で判明

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抗不安剤や抗うつ剤の使用は「ALS(筋萎縮性側索硬化症)の発症リスクを大幅に増加させる」ことがスウェーデンの研究で判明

薬剤性ALSと呼びそうなものだが、因果関係が公式に認められることは難しいかもしれない。

ベンゾジアゼピンとSSRIの最大の弊害のひとつが判明

ベンゾジアゼピン系の抗不安剤や睡眠導入剤、あるいは、SSRI などの抗うつ剤の問題点については、これまでも、何度も書かせていただいていました。

何しろ、私自身が長くベンゾジアゼピン系の抗不安剤を服用していて、その離脱症状に、比較的長く悩まされたことがあり、これらの薬と関係する研究は、どういう内容のものでも「人ごととは思えない」部分があります。

ベンゾジアゼピンの断薬時にかなり高い確率で起きる状態などについては、以下の記事にあります。

ベンゾジアゼピン断薬マニュアル
In Deep 2024年11月4日

 

抗不安剤として処方される SSRI にも、相当大きな問題(自殺念慮や他者への暴力衝動の増加)があることも、しばしば取り上げさせていただいています

そして、最近、

「抗不安薬や睡眠薬は ALS リスクを大幅に増加させる」

という研究を知ったのです

スウェーデンの医学者たちの研究についての論文で知りました。

ALS は、正式には「筋萎縮性側索硬化症」と呼ばれる病気で、体の動きを支配する神経が侵され、筋肉が徐々にやせて力が弱くなる進行性の難病です。治ることはないとされています。

スウェーデンのこの研究では、以下の薬剤が調査され、ALS 発症と関係していることが突き止められました。

・抗不安剤 ALS発症のリスクが 34%増加

・抗うつ剤 ALS発症のリスクが 26%増加

・鎮痛剤 ALS発症のリスクが 21%増加

このようになっていて、決して小さな数値とはいえないものです。

それぞれ薬剤の種類は論文には書かれていないですが、一般的に抗不安剤や睡眠薬としてベンゾジアゼピン系が処方され、抗うつ剤は現在の主な処方は SSRI だと思われます。

ちなみに、鎮痛剤でもリスクが上がるということにも驚きました。鎮痛剤も、特に薬剤の種類は書かれていないです。

そして、この研究を紹介していたエポックタイムズの記事で気になったのは以下の部分でした。

> リスク増加は 65歳未満の人々で最も顕著であり、ALS 診断の 5年以上前に薬を服用した場合でも関連性は持続した。

すでにずいぶん前に薬の服用をやめていた場合でもリスクは持続するということになります。

これらの精神科の薬には、副作用的なものとしては、いろいろな問題があるとはいえ、ALS となると、話は少し厄介な気はします。

エポックタイムズの記事は、それほど長いものではないですので、まずご紹介します。

不安薬と睡眠薬はALSリスクを最大34%増加させる可能性がある

Anxiety and Sleep Medications May Increase ALS Risk Up to 34 Percent
Epoch Times 2025/06/12

スウェーデンで行われた新たな大規模研究によると、一般的な抗不安薬や睡眠薬を服用している人は筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症する確率が著しく高くなる可能性があるという。また、一部の精神科薬は発症リスクを 3分の1以上高めることも判明した。

この研究結果は、広く処方されているこれらの薬が、患者の運動、会話、食事の能力を徐々に蝕む不治の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の直接的な原因であることを証明するものではないが、世界中で精神科の薬に頼っている何百万人もの人々を長期にわたって監視することについて疑問を提起していると著者らは述べている。

 

主な調査結果

JAMAネットワークオープンで発表されたこの研究では、全国の健康データを分析し、抗不安薬を処方された患者は運動ニューロン疾患を発症するリスクが 34%増加し、抗うつ薬ではリスクが 26%、鎮静剤ではリスクが 21%増加したことがわかった。

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ALS の家族歴がない人の場合、ALS 発症率は 1%未満で、薬剤の使用を考慮しても、個人のリスクは 2%未満だ。

スウェーデンの研究者たちは、2015年から 2023年の間に ALS と診断された平均年齢 67歳の 1,057人のデータを分析した。

この研究では、患者が ALS 診断の 1年以上前に少なくとも 2回精神科薬を処方されていることを「曝露」と分類する条件とした。

研究者たちは、診断後平均 1.33年間患者を追跡し、年齢、性別、BMIなどの要素を考慮して、マッチした健康な対照群と比較した。

リスク増加は 65歳未満の人々で最も顕著であり、ALS 診断の 5年以上前に薬を服用した場合でも関連性は持続した。

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以前に精神科の薬を使用していた ALS 患者は、病気の進行が早く、運動能力が低下し、生存期間も短かった。

「一般的な精神科薬の処方使用は、その後の ALS 発症リスクの上昇と、ALS 診断後の生存率の低さと関連していた」と論文著者は記し、この研究結果は精神科薬と ALS 発症リスクおよび進行との潜在的な関連性を示唆するものだと強調した。

 

ALSに関連する精神疾患

「 ALS を発症した場合、それを止めたり、回復させたりする方法はありません」と、エバーウェル・ニューロの神経科医で医療ディレクターのキンバリー・イドコ博士はエポックタイムズに語った。

物理学者のスティーブン・ホーキング博士は、ALS と数十年にわたり闘病生活を送り、この病気で亡くなったが、ALS と診断された後の平均生存期間は通常 2年から 5年だ。

研究著者たちは、うつ病、不安、睡眠障害は脳細胞に有害な影響を及ぼし、ALS の発症と一致する脳の構造変化を引き起こす可能性があると指摘した。

研究者たちは、この研究結果が精神科の薬を処方する際には慎重に検討する必要があることを示しており、精神の健康が ALS の発症と結果に影響を及ぼす可能性があることを示唆していると強調した。

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ALS についてはまだ完全には解明されていない部分が多いが、「明らかなのは、精神症状が運動症状より何年も先行することがあるということです」と、英国国民保健サービスに勤務し、現在は個人開業している臨床心理士のダニエル・グレイザー氏はエポックタイムズに語った。グレイザー氏はこの研究には関わっていない。

この研究は、長期モニタリングに対する私たちの考え方を変えるかもしれない。「反応的ではなく、患者の病歴として非典型的と思われるパターンにもっと注意を払うことによってです」とグレイザー氏は述べた。

これまでの研究では、ALS では、不安や抑うつなどの神経精神症状が運動症状の発症前に現れる可能性があることが示唆されている。

もう一つの理論は生物学的経路に関係している。

「 ALS は酸化ストレスと免疫機能障害を伴います」とイドコ氏は述べた。一部の精神科薬剤が同じ経路に影響を及ぼす可能性や、あるいは、その精神疾患自体が ALS の前駆症状である可能性もあるとイドコ氏は指摘した。

イドコ氏は、この研究は「確かに」注目に値するものの、特に精神科薬剤投与を受けた患者における病状の進行が速いという知見は依然として推測の域を出ず、予備的な研究であると述べた。

研究者たちは、これらの知見がALSへの理解を深め、将来の早期発見・治療戦略に役立てられることを期待している。


ここまでです。

 

世界でも特に抗不安剤、睡眠薬、そして抗うつ剤の使用量が多い日本

研究では、

> 患者が ALS 診断の 1年以上前に少なくとも 2回精神科薬を処方されていることを「曝露」と分類する条件とした。

とありますが、2回程度で服用が終わっている人はほぼいないですよ

抗うつ剤もそうでしょうが、抗不安剤も睡眠薬も、とにかく「長期の連用」に陥りやすいものです。抗不安剤なんかは何十年間も服用している人などは、ざらにいるはずです(それだけ断薬しにくいということでもあります)。

特に、日本は世界でも精神科薬剤の処方(あるいは使用)が特に多い国のひとつです。

ベンゾジアゼピン系薬剤(主に抗不安剤や睡眠薬)のマーケット成長率

mordorintelligence.com

ベンゾジアゼピン系は、日本、中国、インドなどのアジア全域と、オーストラリアなどの市場の成長率がとても高いですが、これは 2024年のデータであり、日本などは、それ以前の何十年も前から、ベンゾジアゼピン系の処方量は世界の中でもとても多い国でした

アメリカやヨーロッパの成長率が中規模なのも、やはり「それ以前に大量に処方されていたので、成長の伸びしろがあまりない」ためだと思われます。

同じ分布で、抗うつ剤は以下のようになっています。

抗うつ薬市場の地域別マーケット成長率

mordorintelligence.com

これも、ベンゾジアゼピン系とあまり変わらないですが、アジアとオーストラリアなどが非常に高い成長率を示しています。

いずれにしても、日本で現状、抗不安剤や睡眠薬や抗うつ剤を使用している人が何百万人いるのかは定かではないですが(どちらも処方されている人もたくさんいます)、かなりの数になっていると見られます。

パンデミック以来、メンタル疾患の患者数はさらに増えました。以下は、患者数ではないですけれど、「メンタル不調により長期休職している公務員の 2022年までの推移」です。

メンタル不調による公務員の長期病休者の推移(2012年から2022年)

president.jp

以前から少しずつ増えてはいましたが、2019年頃から急激に増加しています。2022年は「 10万人中 3254人が長期休暇している」のですから、少ない数とも言えません。

以前、「医学という名の悪の輪廻」というタイトルの記事を書いたことがありますが、処方された薬が、連鎖的に他の疾患につながっていくことを記事の後半に書いています。

これまでも、いろいろな悪の連鎖を知ってきたのですけれど、今回のはかなりの衝撃ですね。

 

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