中国企業が欧州企業を爆買い 新型コロナで株価の大幅下落を“好機”と判断

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中国企業が欧州企業を爆買い 新型コロナで株価の大幅下落を“好機”と判断

中国人の本性がわかるやり方

中国の企業が、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により大きな打撃を受けている欧州各国で、現地企業の買収に乗り出した。株価が大幅に下落する中、割安で購入する好機と判断したようだ。これに対し、欧州各国政府は危機感を強め、自国企業の防衛に動き始めた。

M&A提案が急増

新型コロナ感染拡大の影響で海外のライバル企業がM&A活動を凍結しているのを尻目に、株安により標的とする企業の時価総額が減少している好機を生かす考えとみられる。欧州先進国市場の株価指数に連動するMSCI欧州指数は年初来で23%下落し、金融危機以来の大きな下げとなっている。

 

 中国企業による海外でのM&Aペースは当局による対外投資の引き締めなどを背景に鈍っていたが、ここへ来て復活の兆しをみせている。ブルームバーグのまとめによれば、中国企業が1~3月期に実施した国際的なM&Aの取引額は113億ドル(約1兆2300億円)と2013年の同期以来の低水準だった。

 中国政府は自動車や新エネルギーなどを戦略的重点分野に定めており、国有企業もこうした分野を標的にする可能性がある。民間企業では、複合企業である復星国際が3月、新型コロナの感染拡大に伴う世界的な株価下落を受け、投資機会を模索すると表明。商業施設運営の上海豫園旅游商城もフランスの宝飾大手ジュラの株式55.4%を2億1000万元(約32億円)で取得すると発表した。

米大手法律事務所デチャートのパートナーを務めるヤン・ワン氏(香港在勤)は「まだ初期段階かもしれないが、今年後半に中国企業による国境を越えたM&A活動が徐々に増加する」との見方を示した。

強まる警戒感

一方、欧州各国の政府は中国企業、とりわけ国有企業や政府の支援を受けている企業による買収の動きを警戒し、自国企業の保護に動いている。

 ドイツ政府は8日、自国企業を買収しようとする企業が欧州連合(EU)域外の場合に適用する買収規制の強化策を承認した。「ドイツの利益を阻害する恐れがある」と政府がみなせば、買収を阻止できる。

 既存の規制で買収阻止の対象は安全保障上の脅威があると認められる場合に限られていたが、対象範囲を広げた。アルトマイヤー経済相は記者団に対し、「この規制を適用することにより、重要なインフラをこれまで以上に安全に保護できる」と述べた。医薬品や防護具のメーカーはもとより、エネルギーやデジタルエコノミーに関連するドイツ企業の保護も可能になると説明した。

欧州で新型コロナの打撃が最も大きいイタリアでは、コンテ政権が6日、自国企業を買収から守るため政府の権限を強化する措置を発表。銀行や保険、エネルギー、ヘルスケアなど広範な業種が対象となり、10%を超える株式の取得を計画する外国企業に適用される。

 スペインは外国直接投資に対する新規則をすでに導入。戦略的な業種に指定する企業の経営権や10%を超える株式を、EU域外の投資家が取得したい場合、政府からの新たな承認獲得を義務づけた。(ブルームバーグ Vinicy Chan、Manuel Baigorri)

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