年金改革「河野案」を3氏批判

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総理候補者 政治・経済

年金改革「河野案」を3氏批判

自民党総裁選の4候補は20日夜のBSフジ番組で、河野太郎規制改革相が提案する年金改革を巡って討論した。河野氏は消費税を基礎年金の財源に充てて一定の年金額を保障する「最低保障年金」の創設を改めて唱えた。他の3候補は相次いで否定的な見解を提示した。

岸田文雄氏は「民主党政権の時にできなかったことが今はどうしてできるのか」と語り、実現可能性に疑問を呈した。当時、民主党は誰でも月7万円以上の年金を受け取るようにする改革を訴えた。

岸田氏は「財源が消費税なら経済そのものに大きな影響を与える」と言明した。会社員など厚生年金加入者の場合、基礎年金部分も事業主が負担する分があると指摘し、税方式に転換するなら労働分配率を高める動きに逆行するとの認識を示した。

高市早苗氏は「厚生年金に移る人を増やしていくことも含め、年金が健全化する方法を議論したい」と話した。岸田氏も非正規労働者などを厚生年金に加入しやすくする案を主張している。

野田聖子幹事長代行は河野氏に向けて「速やかに移行できるものがあるのか。一生懸命(保険料を)払っている人が非常に不安になる」と批判した。

河野氏は「制度は維持できても給付がどんどん小さくなれば年金で生活はできない。抜本的に変えなくては駄目だ」と力説した。

基礎年金は「保険料で払うか税で払うかの違いだけだから負担が増えるとはならない」と述べた。「最低保障をするなら保険料ではない方がいい」と話した。具体的な制度設計や消費税率をどの程度引き上げるかは言及しなかった。

河野太郎氏“年金の財源は消費税”発言に「勘弁して」と経済政策に高まる不安

自民党総裁選に出馬を表明している河野太郎行政改革大臣(58)。ネット人気の高い河野氏だが、消費税についての発言が波紋を呼んでいる。 16日、各新聞社の取材に対し河野大臣は、年金制度改革の必要性を説き「年金に最低保障は必要だ」とコメント。

そして「年金の最低保障部分は保険料ではなく、税でやるしかない」と話し、「応分に能力のある人に負担してもらうことを考えると、消費税がいい」と語ったという。 河野大臣はかねてから「年金の財源は消費税に」と主張してきた。’12年1月、自身の公式サイトで「基礎年金を満額、必ず支払うためには、保険料の徴収をやめ、税で基礎年金を支払う必要がある」とつづり、さらにこう続けている。

「消費税を基礎年金の財源とする方式であれば、買い物をするたびに必ず消費税を支払うので、未納や免除は生じないので、全ての日本人が65歳になれば満額の基礎年金を受け取ることができるようになる。高齢者の生活保護も廃止できる。 消費税ならば消費金額に応じて年金財源を負担することになり、現在の収入の多寡にかかわらず一律金額の保険料を徴収する方法よりも公平。

消費税方式の基礎年金ならば年金保険料徴収業務が不必要になり、現在、年間約650億円かかっているコストが不要になる。 消費税方式ならば年金受給者も消費税を負担するため、世代間格差の是正にもつながる。 専業主婦も消費税を負担するため、三号被保険者問題も解決する」

■「保険料で賄うべきものでは?」の声…他候補も疑問視

’12年11月には「国税分の消費税を全額基礎年金の財源に充て、基礎年金の保険料を廃止すれば、月収30万円までの者は得をすることになる」と公式サイトに記し、そのロジックをこう明かしている。

「所得を全て消費すると仮定しても、15000円の年金保険料の支払いが必要なくなるわけだから、消費税率の5%の引き上げによる支払い増額が15000円以下になる月収30万円までの者は、得をして、さらに基礎年金制度そのものが安定する」 今回の総裁選においても17日に他候補らと出演した『ワールドビジネスサテライト』(テレビ東京系)で、「将来的には消費税を上げなくてはならない?」という質問に対して、他候補が否定するなか、「将来的がどれくらいのタイムスパンなのかわからない」と回答を保留していた。

しかし、河野大臣には逆風が吹いている。『朝日新聞デジタル』によると9月18日に行われた自民党総裁選の討論会で、岸田文雄前政調会長(64)は、河野氏の改革案に対して、かつて旧民主党政権の掲げた“月7万円の最低保障年金案”を例に挙げ、「確か消費税を8%上げなきゃいけない。実際は不可能だと言ってきた。何%上がるのか」と疑問視したという。

さらに河野大臣の経済政策に不安を覚える人たちは、こうツイートしている。

《今でさえ払った分年金として戻ってこないと言われてるのにさらに消費税として取る気か》

《河野太郎の経済政策はいよいよダメですね。岸田、高市とは比較にならない。社会保障に消費税を充てるなんて今どき財務省でも中々言わないですよ。弱者救済の為に逆進性のある消費税を使う時点でおかしいと気付くべき》

《年金は保険制度なので、基本は保険料で賄うべきものでは?》

《消費税で年金制度を立て直して将来世代に負担をかけないようにするみたいな事言ってたみたいだが、増税で景気後退してインフレしない状態継続の方が、圧倒的に将来に負担をかけるんだが、その辺何考えてんだろ?》

《年金の為に消費税上げるとか勘弁してくれぃ!》

いっぽう年金は「制度として無理がある」と言われることも。そのため

《どうしてもやるなら、掛けてきた額を国民に精算してから新しい年金制度にしてね》

《もう年金いらないから今までの分返して》

との声も上がっている。河野大臣は疑問や不安に対して、どのように応えるだろう?

マイコメント

今回、河野氏が提案した年金改革案に諸費税を充当させる案には誰もが反対しているようです。

前回の記事で指摘したように

・将来的に消費税の大幅アップにつながる。これは財務省が最も喜ぶことであり、もしかしたら
 竹中が財務省と関係が深いので入れ知恵元は財務省?とも思えます。
 仮に、消費税を上げても結果として年金に少しばかり充当させて煙に巻くというのはこれまで
 消費税を社会保障に充当しますという嘘がバレていることからも明らかです。

・そもそもが共食いです。年金生活者のような低所得者ほど消費税を多く払っているので、
 いくら年金支払いを安定化させても、消費税が増えた分だけ多く取られるので意味がない。
 むしろ多くの国民から取れる所得税や法人税を財源とするのが公平感があります。
 年金財政の枯渇する原因は人口減少と負担する労働人口の減少、加えて老人人口の増加に
 あるので、根本的な対策が必要となる。
 

https://www.stat.go.jp/data/topics/topi1261.html
https://www.konicaminolta.jp/business/solution/ejikan/column/workforce/declining-workforce/index.html

上図の高齢者人口で現在年金を受け取っているのは65歳以上の人になりますが、この構成比が
2040年度には40%に達すると予測されています。しかし、数年前に年金支給を70歳まで繰り上げ
可能になったことから年金受給可能な高齢者人口の比率は35%前後になるかと思います。

一方で就労可能な労働者人口は2040年度には16%減少する予測が出ています。
これから判断すると、年金財政は約20年後には破綻することが予想されます。
つまり、政府から一方的に年金の減額通知が来ることになります。

増え続ける年金受給可能な高齢者人口と減り続ける年金支払い可能な労働者人口の問題をどうする
かということになると思います。

https://toyokeizai.net/articles/-/237138?page=2
https://toyokeizai.net/articles/-/237138?page=4

しかし、上図に示したGPIFの運用益予測を見ると破綻する可能性が少ないように見えます。
上図の運用益は2001年から64兆円の利益を上げています。年にして3兆円です。そして
2017年には10兆円の運用益を上げています。

対して年金の総支払額は年間52兆円で2012年度から大きく変わっていません。
これは政府が途中で年金改革を行い支給額を減らしたからです。

とすると、52兆円のうち、年間3~10兆円の運用益があれば年金財政は破綻しない?
と考えることもできるわけです。

つまり積立金から得られる財源がGPIFによる運用益なので世界的経済変動がない限り安定した
運用益が得られることになり年金財政が破綻する可能性が減ります。

問題は各候補ともGPIFの運用益に誰も触れていないことです。

人口減少と高齢者人口の増加は大きな問題ですが、このGPIFの運用益を加味して考えないと
議論の焦点を見誤り、いたずらに年金財政の破綻問題がヒートアップすることになります。
もし、これだけの運用益があるなら消費税に頼る必要はないのでは?と思うのです。



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