京大教授が論破。消費税の「減税」が日本経済を救う当然すぎる理由

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国会議事堂 社会問題

京大教授が論破。消費税の「減税」が日本経済を救う当然すぎる理由

それでも財務省は消費税を下げないだろう

かつての繁栄ぶりが微塵も感じられないほどの「貧困化」が進む我が国。賃金が大きく上昇する見込みも無いに等しく、将来に対する希望が持てない状況が続いています。何が日本をここまで堕としてしまったのでしょうか。今回のメルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』では京都大学大学院教授の藤井聡さんが、さまざまなデータを提示しつつ、消費増税こそが日本国民を貧困化に追い込んだ「張本人」であると結論づけています。

日本国民の多くが誤解。「消費税減税」が経済回復につながる当然の理由

これまで何度も主張してきたことですが、残念ながら、国民に殆ど浸透していない……というか、国民も諦めてしまっている案件がありますので、今回は改めて、この問題についてガッツリと解説したいと思います。

「消費税減税」こそが、経済回復にとって最も効果的な方法なのだ、という一点です。

ついてはここではこの一点を、改めて丁寧に解説したいと思います。「消費減税こそが必要だ!」という意見に反対する方はもとより、賛同しない方、ピンと来ない方はとりわけ、ご一読願えればと思います。

(1)消費税を上げれば、消費は冷え込むのはあたり前!

当たり前ですが、同じ品物でも、値段が上がれば当然、それを買う人が減ります。

ですから、経済学のあらゆる理論が、この「値段が上がれば買う人が減る」という傾向を前提として作られています。

つまり、消費税を上げれば消費が冷え込むのは当然なのであって、これこそ、消費税が経済に悪影響を与える根本的な理由です。

だからコロナで冷え込んだ経済を立て直すのに、世界中の実に多くの国々が、コロナ対策のために消費税を引き下げているのです。

※ ちなみにこちらが、消費税をコロナ対策で引き下げている国々のリストです。

(2)消費税が上がると、国内の殆ど全ての商品等の売れ行きが落ちる!

もちろん、消費が冷え込んでも、その悪影響が小さいなら、別にほっときゃ良いのですが、そんな事はないのです。

コチラ(日本国内で使われているお金の内訳)をご覧下さい。

このグラフは、日本国内で1年間で使っているオカネの総量の内訳なのですが、ご覧の様に、消費税がかけられる(民間)「消費」は、その6割近くを占めているのです。しかも、(民間)「投資」にも基本的に消費税がかけられますから実に、日本国内で売買されている商品等の「4分の3」もが、消費税によって値段が上がり、縮小してしまうのです。

これはつまり、売れる商品等が消費税によってもの凄く縮小してしまう、という事を意味しています。

(3)売れる商品等が減ると、給料が下がり「貧困化」する

「売れる商品等が消費税によって縮小」してしまえば、当然、お店の売り上げが減ることになります。そうなると、そのお店に商品やサービスを卸しているメーカーさん達の売り上げも減ることになります。メーカーの売り上げが減れば、そこに原材料等を卸している業者さんたちの売り上げも減ってしまいます。

つまり、消費税によって売れる商品等が減れば、あらゆる企業の売り上げが減るのです。

そうなるともちろん、その企業で働いている人々の給料も下がります。

その結果、日本国民が消費増税によって、「貧困化」してしまうのです。

(4)消費増税で売れる商品等が減り、貧困化することは、データでもくっきり現れている

以上は、「消費増税したらこうなる」という単なる「お話し」ですが、この理屈は正しすぎる程正しいお話しなんだということがデータでもハッキリと示されています。

まず、消費税を繰り返す度に、「売れる商品等の量」が激しく減ってしまうだろう、と言う話は、コチラのグラフからもハッキリと示されています。

このグラフは、「国内でどれだけの商品等が売れたのか?」(=実質消費)を現すグラフなのですが、ご覧の様に、5%に増税した時、8%に増税した時、10%に増税した時、いずれのタイミングでも、増税した途端に「ガクン」「ガクン」と下落しています。

これは、「消費税を上げるたびに、消費は冷え込む」という(1)で述べた話が、実際に毎回、確実に起こっている事を意味しています。

しかも、増税する度に、増加する角度がどんどん「緩く」なっていることも見て取れます(伸び率が、2.61%→1.14%→0.41%と、増税の度に激しく低下しています)。

つまり、理屈の上で申し上げた通り、増税するたびに、商品等がどんどん売れなくなっていってしまっているのです。

さてこうなると、国内で使われるオカネの総量が減ると、あらゆる企業の収益が減り、挙げ句に私達の給料が減り、貧困化が進むことになる、と申し上げましたが……その様子も、下のグラフからハッキリと示されています。

このグラフは、サラリーマンの給与(実質値)の推移です。ご覧の様に、1997年の5%への増税まで、給与はずっと上昇していたのですが、5%増税された途端、その増加はピタリと止まり、縮小傾向となります。その後の8%増税の折りには、凄まじい下落を見せます。

そして、10%に増税された時にもまた、激しく、下落しています。

つまり、先の(1)~(3)で述べた

「消費増税 → 消費・投資の冷え込み → 給料の下落」

のプロセスが生じるだろうという理屈が全て、実際のデータでもって完璧に実証されている、わけです。

(5)消費増税のせいで、成長が止まった

このように消費税が増税されると、消費・投資が冷え込み、給料が下落するのですが、給料が下落するとそれがまた、消費・投資を冷え込ませる事になります。

そして、消費・投資が冷え込むとまた、給料が下がり、給料が下がるとさらに消費・投資が冷え込む……ということが繰り返される事になります。

これが世に言う「デフレスパイラル」なわけですが、その結果、日本の経済規模が全く成長出来なくなり、衰退していく事になります。

実際、こちらの「GDP」という日本人が使うオカネの総量、所得の総量が、1997年の5%への増税以降、成長出来なくなってしまったのです。

(6)しかし、世界中は普通に成長している。だから、日本だけが取り残された

このように、日本は消費増税のせいで成長できなくなったのですが、世界は、そんな日本の停滞・衰退を尻目に、成長し続けて行きました。

先程の図で日本の推移を紹介した(所得の合計値であり、使ったオカネの合計値である)「GDP」の、世界の推移を示したのがコチラです。

ご覧の様に、日本は97年増税以降、停滞している中、中国、アメリカ、欧州、その他は、勢いよくGDPが拡大していったのです。

その結果、GDPで2010年に中国に追い抜かれてしまいました。さらに、一人あたりのGDPについては、この度、韓国に追い抜かれてしまいました。

つまり、日本は、かつて圧倒的な優位を保っていた中国や韓国に、消費増税で停滞してしまったことの帰結として、経済の視点から追い抜かれてしまったのです。

ただし……GDPといっても、一般の方には、なかなかイメージが湧きにくいかも知れませんので、「初任給」(年収)を比較してみたのが、こちらのグラフです。

ご覧の様に、今日の初任給は、日本はわずか262万円です。この水準は、20年以上前のそれとほとんど変わっていません。しかし、その20年以上もの間、世界中は成長し続けていたのです。

その結果、アメリカやドイツなどの欧米諸国は500万円前後にまで上昇しており、スイスは800万円にまで上昇しています。

そして、韓国ですら、日本を上回る、300万円程度にまで上昇しているのです。

こうなってしまったのは、日本が停滞しているからで、そしてその停滞を導いたのが消費増税だったわけですから、日本が韓国や中国にすら経済で負けてしまう程にダメな国にさせたの張本人は「消費増税」だったわけです。(メルマガ『藤井聡・クライテリオン編集長日記 ~日常風景から語る政治・経済・社会・文化論~』』2021年12月4号より一部抜粋・敬称略。この続きはご登録の上、お楽しみください)

マイコメント

こういう話を財務省の人が聞いて、それならば消費税を時限措置として下げようと思うかと
言えば、決して思いません。

なぜなら、彼らは景気が下がったときこそ消費税が税収の要になると思っているからです。

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/a03.htm

このグラフを見てもわかるように他の税収が横ばいか落ちていても消費税による税収だけは
伸び続けています。

直近の消費税を10%に上げた後でさえ伸びています。
だから、彼らは絶対に消費税を何を言われても下げないのです。

そして、年々消費税が税収に占める割合が増えています。
こんな甘い汁を吸える消費税を財務省が手放すはずもなく、もっと税率を上げたいともく
ろんでいるはずです。

また、消費税が法人税の減収になった分を補っていることもわかります。

この国のGDPがどうなろうと知っちゃこっちゃないというのが財務省の考えであり、GDPが
下がっても国民の収入が下がっても消費税さえ上げれば税収を維持できるとと思っている
ことがこのグラフからも明らかです。

今年度のGDPが大きく下がっていることは以前の記事でも触れましたが、もし、このまま
下がり続けた場合どうなるかと言えば、消費が完全に落ち込むと消費税の税収が今度は減っ
ていきます。そして、消費が冷え込むと会社の売り上げが下がるので法人税も下がります。
当然、給与も下がるので所得税も下がります。

こうなると財務省も困るので、消費税や相続税、固定資産税を上げて来るでしょう。
でも、これをやるとさらに景気が冷え込みます。

そのときになって財務省はどう考えるのでしょうか?
景気を上げるために消費税を下げようと考えるでしょうか?
そんなことは考えません。

いかにして税収を上げるかだけを考えます。

今沈みゆく船に乗っていて自らも沈んでいくのを感じても彼らの思考は沈まないように
船に入ってくる水をかきだそうとして消費税やその他の税金を上げますが、無理です。
そのまま沈没します。

沈没したときに彼らはやっと気づくでしょうが、時すでに遅しです。
沈没した国は財政破綻に陥ります。

財務破綻に陥った国はIMFからの要請で公務員給与の大幅切り下げ、年金支給の大幅減額
増税、公共事業の民間委託などが行われます。

結局は最後は自分の身に火の粉が降りかかることになりますが、それまで官僚は気付かず
増税策を取り続けるでしょう。

岸田総理の掲げる新経済対策は意味がないくらい貧弱なので効果は期待できないでしょう。
だから、今、本当にやるべきは消費税減税なのです。足りない分は赤字国債や日銀の紙幣
増刷で賄えばいいはずです。






コメント

  1. ねこ より:

    藤井聡さんや三橋貴明さんの動画はいいですねぇ。

    藤井さんの言ってることは、御用学者とは正反対のことですし三橋さんは自分のチャンネルで
    「新自由主義と戦ってますけど」と言ってましたが・・・。

    岸田内閣の官邸委員のメンバーに竹中や新自由主義を貫くお馬鹿さんしかいなかったことに
    びっくりでしたが、いろいろ理由がありそうです。

    もう少し、状況を見ていこうかと。

    まぁ・・・何と言うのか、財務省は反日の巣窟というか官僚含めてそういうとこありますが
    本来の日本人的な考えができなくなってるんでしょうかね。

    日本とアメリカの給付金の件、桁が違うしアメリカは困っている人にすぐに給付、確か
    15万円を3回で、中小企業やインフラ関係にも他の予算枠で素早く給付、この辺の素早さが日本とは大違いで議論は最小限で、素早い給付を優先させているのは先進国の政府として
    当たり前のことでしょうね。

    日本政府と官僚は当たり前のことが全くできないし、中にはまともな人がいるのだろうけど
    そういう人が前面に出てこれない仕組みになってるようですね。

    • hide229406 より:

      ねこ 様

      残念ながら日本の財務省は日本人の幸せより自分たちの幸せが先のようです。
      だから、どれだけ困っても自分たちが良ければそれでいいというものです。
      前大蔵省を解体して財務省と金融庁に分解されましたが、前よりよけい悪く
      なったみたいです。

      ここ数日財政再建との旗印が出てきましたが、消費税をいくら上げても無理でしょう。

      国の借金が国民の借金のように財務省は言いますが、本当は官僚と政治家が
      中抜きで作った借金です。
      だから、本当に返済しなければならないのは国民ではなく政府と官僚です。
      彼らが予算の使い込みをするから赤字が増えているのです。
      予算を使い切れなかったとき、余ったお金を次年度に回せば赤字国債が減って
      行きますが、彼らは余ったら使い切ります。
      使い切ったから次年度は今年度より多くの予算が必要だと増額された予算請求を
      出すからいつまでたっても予算額は増加していくだけです。
      国家予算は国民が使い道を決めているのではなく官僚と政治家が決めています。
      政府もコロナ禍で多額の超過予算となりましたが、特別会計の無駄を減らせば
      いくらでもカバーできるはずです。
      それをせずに赤字だと騒ぐのはナンセンスだと思います。
      まずは身銭を切る覚悟でやって欲しいものです。

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