西側へのブーメラン : ドイツで食用油と小麦粉がスーパーから消滅。イギリスでは家庭の電気代が一気に6倍に

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空になったスーパーマーケット ウクライナ情勢

西側へのブーメラン : ドイツで食用油と小麦粉がスーパーから消滅。イギリスでは家庭の電気代が一気に6倍に

日本もひとごとではないはずで…

ウクライナ戦争というより、対ロシア制裁がどんどん西側にブーメランとして降りかかってきていますが、まずヨーロッパ諸国が最初に被弾しているようです。

ドイツの報道では、全国的に、スーパーや食品売り場から、

「食用油と小麦粉が消えた」

ことが複数のドイツメディアで報じられています。

不足そのものとパニック買いが同時に起きているようです。

ドイツの報道のひとつをご紹介します。


食用油と小麦粉:ドイツのスーパーマーケットの空の棚

Speiseöl und Weizenmehl: Leere Regale in deutschen Supermärkten
de.rt.com 2022/03/14

ドイツのいくつかの場所では、現在、ヒマワリ油と小麦粉を手に入れるのが難しくなっている。これは週末からすでに明らかだった。ディスカウントストアのリドゥルでは、油と小麦粉はすでに完全に売り切れており、アルディは食用油を 1世帯あたり 2リットルまでと制限して販売している。エデカでは安い小麦粉が不足しつつある。トイレットペーパーもますます蓄えられている。

 

ウクライナでの戦争とロシア制裁の影響は、ドイツのスーパーマーケットとディスカウントストアで、すでに観察されている。ヒマワリ油と菜種油は、アルディ、レーベ、エデカ、その他の食料品店で不足しつつある。

首都ベルリンのディスカウントストアのエデカまたはリドゥルでは、土曜日にすでにそれらの棚は空になっていた。アルディは、1世帯あたりに販売する食用油の量を制限している。

これにはいくつかの理由がある。昨年の農作物の不作とロックダウンなどのコロナ対策によって破壊されたサプライチェーンに加えて、食用油の生産コストの上昇も生産量の減少の原因となっている。

そこにウクライナでの戦争がやってきた。

ウクライナは世界最大のヒマワリ油の生産国だ。2位はロシアだ。さらに、ロシアは世界最大の小麦輸出国であり、ウクライナが 3位だ。ドイツの消費者は小売店でもこれを観察できるようになった。すでに安い小麦粉を手に入れるのは困難だ。

トウモロコシについても同様の不足が続く可能性がある。ウクライナは、トウモロコシの世界第 4位の輸出国だ。現在、ウクライナは穀物の輸出を停止しており、港からの新しい輸出品はない。輸出がいつ解禁されるのかはまったくわからない。

ウクライナの農産品管理会社からの情報によると、現在、50万トンの小麦と 170万トンのトウモロコシがウクライナ国内に保管されている。ウクライナが世界最大の生産国および輸出国であるヒマワリ油も、さらなる大規模な不足と価格上昇の脅威にさらされている。

ドイツでは、トイレットペーパーの棚もいくつかの都市の店舗で空となっており、コロナ危機の初期を彷彿とさせる光景だ。


 

ここまでです。

イギリスも相当大変な状況となっているようで、イギリス在住の日本人ジャーナリストの方が、プレジデントに以下の記事を書いてらっしゃいました。

電気代が9000円→5万6000円に…英国市民を直撃する「ロシア制裁」の大きすぎる代償 (PRESIDENT Online 2022/03/16)

 

かなり長い記事ですので、内容は上記のオリジナルを読まれていただければと思いますが、以下のようなくだりがあります。

 

> ウクライナ危機が目に見える形で庶民のサイフを蝕んでいる顕著な例は、ガソリン価格の高騰だ。前年の3月中旬に1リットル当たり1.24ポンド(186円)だったレギュラーガソリンはいまや1.55ポンド(240円)に値上がり、一気に25%も上がった。

 

あるいは、電気料金の途方もない高騰についても書かれています。

 

> 3月いっぱいまでの月額は58ポンド(9000円弱)で、これがおおむね通常期の料金だった。ところが……

> これが3月に入って月額370ポンド(約5万6000円)と、とんでもない上昇の仕方をしている。

 

そして、以下のようにも書かれています。

 

> ロシアからのガス・原油がエネルギー輸入量の10%に過ぎない英国ですらこの状況だ。エネルギーの大半を輸入に頼る日本でも同じことが起きるのだろうか。

 

これが、ドイツとイギリスだけで起きているということもなさそうで、他のヨーロッパでも起きていそうですが、今はまだアジアに波及してはいなくとも、思っていたより早く混乱も訪れる可能性があるのかもしれません。コロナ初期の「日本のスーパーマーケットからの商品の消えるスピード」を思い出しますと、消える時はあっという間なのかもしれません。

それと共に現在、中国がコロナでのロックダウン範囲を拡大させていまして、サプライチェーンが再び混乱・停滞しています。

食糧、エネルギー、あるいは経済そのものに至るまで、対ロシア制裁のブーメランと中国の物流混乱の影響は強力に私たちの生活に影響してくると思われます。

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