[三橋貴明氏] 今起こっている「コストプッシュ型インフレ」はデフレ要因となり、事実上の消費増税と同じ影響 / 政府が早急に打つべき政策は「ガソリン税」を無くし「消費税廃止」
竹下雅敏氏からの情報です
今、日本はインフレに見舞われています。このインフレは日本国民の購買力が充分にあって供給が追いつかない形のインフレではなく、「コストプッシュ型インフレ」と呼ばれるものです。原材料や資源価格の上昇など生産コストの上昇により起こるインフレで、今は輸入物価の上昇が原因となっています。
三橋貴明氏は、このコストプッシュ型インフレは「デフレ要因だ」と口を酸っぱくして訴えておられますが、政府が価格だけを見てインフレだ、デフレ脱却した、緊縮財政だという誤った政策をとった場合、今後の日本を恐慌に叩き落とす恐れがあると非常な危機感をもって警告されています。
地獄を回避するには、最低でも消費税廃止が絶対に必要なことを知り、その上で、みんなで連帯して政治家に働き掛けてほしいとかなり突っ込んだメッセージとなっています。
重要なことは、
・コストプッシュ型インフレでは、どんなに価格が上がっても、日本のGDPは上がらない。それどころかデフレ要因となってさらに実質賃金を下げ、日本を追い詰める。
・コストプッシュ型インフレは「デフレ要因」で、消費増税と同じ影響がある。つまり今は4回目の消費増税を行なっているのと同様の状況。
・政府関係者は、まず、今の日本のインフレ率ゼロという異常を認識し、緊縮財政から転換しろ。その上で、長期的には、食糧、エネルギーの自給率を高める政策をとる。
・短期的には、いの一番に手をつけるべきが「ガソリン税」。トリガー条項の凍結を解除して、ガソリン税を無くし、消費税を無くす。そうすると1リットルあたり50円以上安くなるはずだ。
・消費税を廃止したら、日本国民1人あたり16万円の支援になる。
・国民の皆さんは、声をあげてほしい
(一人ではなく)連帯して政治家に対して、減税を訴えてほしい。
参議院選挙の最大の争点と言っても良いのが「消費税廃止」だと改めて理解できました。約20分の動画の内容を要約しました。
【三橋貴明の緊急提言】勘違いするな!「コストプッシュ型インフレと消費税増税」|このままでは日本経済がさらに悪化する
これは日銀も認めている。
物価が上昇した、インフレだ、デフレ脱却した!という誤った認識で、緊縮財政、金融引き締めという、日本を恐慌に叩き落とす政策を取らせてはならない。
(1:00)
所得創出のプロセスを「実体経済」という。
生産者が労働して財や付加価値を生産して、家計・企業・政府・外国に消費や投資として支出してもらって、所得を得る。支出は(消費と投資なので)需要と言い換えられる。
生産 支出(需要) 所得の3つは必ずイコールになる。一致する。
本来、物価が上がるということは、生産者が労働して生産している付加価値の単価が上がるということ。
当然、所得も上がる。
その生産が外国によって行われていた場合はどうなるか?
(2:15からの表を使って)
「付加価値の積み上げについて」
A社が100円の付加価値をつけてB社に販売、それをB社が200円の付加価値をつけてC社に販売、それをさらにC社が300円の付加価値をつけて600円の商品にして消費者に販売するモデルで、国内生産の場合と、外国からの輸入がある場合を比較する。
国内生産のA社が100円の付加価値を生産し、B社、C社の付加価値が加わった600円の商品が消費者に販売された場合のGDPは、A社100円、B社200円、C社300円の合計、まるまる600円。
A社が100円でB社に販売した商品のうち、外国からの輸入が50円含まれていたとすると、A社の付加価値は50円となる。同じ600円の商品が消費されてもGDPは550円になる。
50円分は外国の生産者が生産したものなので、日本国民の生産ではないし、日本国民の所得にはならない。
輸入の金額がどれだけ膨れ上がってもGDPを減らす。
つまり、実体経済において生産者が外国である場合、輸入物価が上昇しても日本国民の所得は1円も増えない。
(三橋氏の美容院でのエピソード)
次回から料金が10%上がると申し訳なさそうに告げられた。値上げの原因は電気代の高騰。
三橋氏が10%多く支払っても、美容師さんの所得は増えない。電力会社の所得が増えるわけでもない。
実際に所得が増えるのは、外国のエネルギー生産者だ。
輸入物価上昇によるコストプッシュ型インフレは国民の可処分所得を減らす。
そしてこれは、次の消費や投資を減らす。すなわちデフレ化要因だ。
(6:00)
これと全く同じような政策がある。消費増税だ。
消費増税の場合も、生産者が生産している販売単価が上がる。けれども値上がりした分は、消費税という形で政府に行く。だから生産者の所得は増えない。
つまり日本国民の所得が増えないにも関わらず、支出だけが増える。これまたデフレ化要因だ。
実際に、消費税を増税するたびに、日本はデフレが深刻化してきた。
「支出だけが増えて、所得が増えない」という意味で、今回のコストプッシュ型インフレは、4回目の消費増税が行われたような状況になった。
(8:55)
普通の国々のように、実質賃金が上がっていれば、多少輸入物価が上がっても影響は少ない。
ところが日本の場合、実質賃金がとてつもない減少をしている。
1997年、橋本政権が消費増税、公共投資削減という緊縮財政を行なって以降、日本経済はデフレ化した。デフレで物価が落ちるが、それ以上に所得も落ちるので、結果、実質賃金が下落した。
消費増税、リーマンショック、消費増税を経て、ピーク時と比べると14%も実質賃金が落ちた状況だ。
この状況で、事実上の消費増税に相当するコストプッシュ型インフレが襲いかかってきた。
大変なことになる。
(9:55)
特にこれから物価が上昇するのは、必需品だ。食料、エネルギー。
特に、低所得者層が大ダメージを受けることになる。
政府は早急にこの対策を取らなくてはならない。
(10:15)
何をやるべきか。
まず前提として、日本はこれからデフレギャップが拡大する。現在の日本の需要不足は、リーマンショック期並み。しかもリーマンショックの時は1年で済んだが、今回は2020年からずっと続いている。この状況で間違っても緊縮財政とか消費増税とか、あらゆる増税、そして政府の支出削減もやってはいけない。ここで金融の引き締めなんてやったら、経済はドーンと落ち込む。
(11:15)
その上で何をやるべきか。
(主要国のインフレ率の推移のグラフを見ながら)
「まず、この状況がおかしいことを納得しろ!政府関係者!」
他国は2%〜4%とインフレ率が上下しているが、日本はずっとゼロだ。この状況が異常であることを理解して、この状況から脱却させるための、デフレ脱却策をちゃんとやる。すなわち「緊縮財政の転換」「プライマリバランスの黒字化目標は破棄」が大前提。
日本は輸入大国だと思う人が多いかもしれないが、そんなことはない。日本は何気に輸入小国だ。ただし、その輸入の中身が問題で、鉱物性燃料と食糧。
政府はこれらの自給率を高めることをやらないとダメだ。
日本のエネルギー自給率は、ルクセンブルグの次に低い。事実上、最低だ。(太陽光エネルギー以外の)エネルギー源の多様化、発電の多様化をすべき。太陽光エネルギーはエネルギー安全保障を弱体化させる。FIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)はすぐ廃止すべき。
そして食糧。
食糧自給率は今、37%。穀物自給率は28%。米の自給率は90数%あるが、これはコメの供給が拡大しているからではなくて需要が減り、小麦や他の穀物に需要が移ったためだ。小麦の自給率は17%。トウモロコシはほぼゼロ。大豆は7%。
自給率を高めるために、政府は、黒字赤字関係なくお金をつぎ込んで、農家の方々の生産してもらわなくてはいけない。
ソバの自給率は20%。輸入は中国からロシアにシフトしていた。今後、絶対立ち食いソバの値段が上がるだろう。
長期的には、真面目に食糧自給率、穀物自給率を引き上げるために、政府は金を使え。
(16:00)
短期的に、いの一番にやらなくてはいけないことは、ガソリン税だ。
日本のガゾリン税はひどいことになっていて、本体価格に石油・石炭税が2.8円乗って、本則税率(これがガソリン税)28.7円が乗って、その上に上乗せ分(暫定税率)25.1円乗って、その合計に消費税10%をかけている。税金に税金をかけている。
「おかしいでしょう?」ということで、ガソリン税はまず丸ごと廃止してほしい。
そうすると1リットルあたり50円以上ガソリン価格が下がる。その上で消費税を廃止する。そうするとさらに下がる。
最低でもすべきなのは、上乗せ分の25.1円をやめること。なぜなら、もともとガソリン価格が1リットル160円以上が3ヶ月超えたらトリガー条項を発令して、徴税しないことに決まっていた。ところが東日本大震災の復興財源とバカなことを言ってトリガー条項を凍結した。この解除をまず一番にやらなくてはいけない。その上でガソリン税を無くして、そして消費税を無くす。
(17:30)
日本の消費税収を見る。
恐ろしいことに、1989年は3兆円くらいだったが、今や22兆円だ。この消費税を無くすだけで、国民1人あたり16万円の支援になる。
さらに、消費税が無くなると、価格が安くなるので消費の拡大につながる。
消費税を廃止したら、消費は増える。
しかも今、コストプッシュ型インフレで4回目の消費増税のような状況になっているのだから、当然、消費税廃止の議論をしなくてはいけない。
野党サイドはようやく5%に減税するなど言い出したが、廃止でいいじゃないか。
所得の中から消費に回す割合のことを「消費性向」という。消費性向が高ければ高いほど、消費税はダメージになる。つまり消費税は、低所得者層に厳しくて、高所得者層に優しい税金だ。コストプッシュ型インフレで、低所得者層はますますダメージを受けるので、消費税は無くす、という真っ当な議論をすべきだ。
しかしこうした議論が起きないのは、情報が間違っているからだ。
今日私が語ったことは、単にデータを説明しているだけなので、誰にも否定できない。
ぜひ皆さんも、この誰にも否定できない事実をもって政治家に声を出してほしい。
一人で行かないで下さい。連帯して行って。
短期的には減税、長期的にはエネルギーや食糧の自給率を高めるという形で、国民を救う政治をやってほしいと声を出して下さい。
このままだとおそらく日本は、例えば犯罪が増える、暴動が起きる、自殺が増えるなど悲惨な国に落ちぶれていくことになる。
今、止めなければいけない。皆さん、ぜひ声をあげてください。
マイコメント
今回の物価高の最大の要因は円安にあります。
円が対ドルで130円からさらに上昇し150円~500円を目指すような勢いになってくると
日本経済は完全につぶれます。
今160円のガソリンが円が500円になると実に3.8倍のリッター600円になります。
円安を甘く見てはいけません。
おそらく日本経済の体力から円安の上限は150円くらいだと思われます。
150円を超えてしまうとハイパーインフレになり、スタグフレーションになります。
先日の予算委員会で岸田首相を「財務省の犬」と言った大石議員の指摘は正しいのです。
財務省は国民生活の安泰より彼らの利権を守ることが優先であり、それを覆せない
岸田総理は財務省のポチと言われても仕方がないことなのです。
仮にこのままインフレが起こり国民生活が窮乏しても財務省が責任を取るでしょうか?
そんなことは一切ありません。
そのまま放置です。
いずれ国会議員が危機感を感じて動くことになるでしょう。
もうその時には遅くいくら経済を立て直そうとも無理です。
このような計画は日本を戦争に引き込むためのものです。
第二次世界大戦のときも日本は石油が窮乏し、それを確保するために戦争へと進んだ
言わば自衛のための戦争だったのです。
それと同じことを繰り返そうとしているのです。
石油がガソリンが異常に高騰した場合国民生活は完全に破綻し、安い物資を求めて
国内で対外的危機感が増大することでしょう。
円安を引き起こしているのは海外の富裕層やグローバル企業、あるいはウォール街の
面々であり、彼らは戦争を起こして世界経済をズタズタにしたいのです。
そのターゲットとなっているのが日本です。
そのことは知っておくべきことです。
そのためには早めに消費税を切り下げ、ガソリン税を廃止することです。
なぜ、それが出来ないのか?
ガソリン税は地方の大きな財源になっており、それを廃止すると財務省の利権が
なくなるからです。
ガソリン税は揮発油税+地方揮発油税となっており、本来の2倍が徴収されています。
上記の一部を抜粋
この表の中にある地方譲与分とあるのがいったん国税として徴収して各地方に分け与えるという
仕組みになっています。
だから、最初から地方に入るのではなくいったん財務省に入るのです。
その後財務省が地方交付税として各都道府県に割り当てるのですが、そこに財務省の思惑が
入ります。財務省の言うことを聞く都道府県には多く割り当てることが可能であり、それを
決めているのが財務省の官僚であり政治家ではありません。
政治家はあくまでも国民の陳情をもとに財務省に手心を加えてくれとお願いするだけです。
もし、ここで財務省がガソリン税を失うと分配権力がそがれます。
それが嫌なのでガソリン税を廃止しないのです。
国民生活のことは一切考えていないことがこれでおわかりと思います。
ともかく財務省に入ってくるお金を減らしたくないのです。
増やす分には何ら問題がなく喜ぶでしょう。それだけ分配権力が増すだけなのですから。
消費税も同じ論理であり、景気に左右されない安定財源なので絶対に死守するでしょう。
だから、一国の首相でありながら国民生活の安泰を第一に考え政策を実行できない岸田
総理は財務省の犬と言われても反論できないのです。
このまま財務省の言いなりになってしまったら日本はいくら財源が安定していても
国民生活が成り立たないわけですから自ら崩壊するでしょう。
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