ジョコビッチ選手が世界一になった理由...2022年8月13日

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ジョコビッチ選手が世界一になった理由...2022年8月13日

ジョコビッチだからこそ知りえたワクチンの問題点

 テニスに興味が無い方でも、ノバク・ジョコビッチ選手の名はどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか。
 最近では、テニスの4大大会(グランドスラム)の一つである全豪オープンで、新型コロナワクチンを打っていないとして、大会出場を拒否されたことで話題になりました。
 ウィキペディアによると、

 ・ビッグタイトル(グランドスラム、ATPファイナルズ、ATPマスターズ1000、オリンピック)の獲得数63は史上最多。

・世界ランキング1位通算在位は歴代1位の373週(2022年5月16日現在)。

 とのことで、テニス界の長い歴史においても、最高中の最高の選手であることは間違いないでしょう。
 テニスを趣味としていた私のジョコビッチ選手に対する印象は、「錦織圭がどうしても勝てない相手」でした。
 錦織圭(にしこりけい)選手も世界の4位に入ったほどのトップ選手でしたが、その錦織選手の天敵だったのが、ジョコビッチ選手でした。
 通算の対戦成績は、錦織選手の2勝18敗です。
 圧倒的な壁でした。
 それゆえ、2014年の全米オープンの準決勝で、錦織選手がジョコビッチ選手に勝ったときは、溜飲を下げる思いでした(決勝まで進んだ錦織選手ですが、決勝で敗れ、自身初のグランドスラムタイトルには手が届きませんでした)。

 さて、それほど強いジョコビッチ選手ですが、驚くことに最初の頃は、体力的に弱かったのです。
 『ジョコビッチの生まれ変わる食事』(ノバク・ジョコビッチ著、扶桑社)から抜粋します。


 ・・・<『ジョコビッチの生まれ変わる食事』、p21~p22から抜粋開始>・・・

 だが、私の中で何かが壊れ、体をおかしくしていた。これを「アレルギー」と呼ぶ人もいれば「喘息(ぜんそく)と呼ぶ人もいるし、「単なる調整不足」と切って捨てる人もいた。だがこの状態をどう呼ぶにせよ、対処法はだれも知らなかった。
 じつは、私が大舞台でこのように倒れてしまったのは初めてではなかった。この1年前に当時世界ランキング153位だった私は、初出場だった全仏オープンで第8シードのギジェルモ・コリアから第1セットを奪った。だが第3セットに、足が石のように固まってしまい、呼吸もできなくなり、棄権せざるをえなかった。
 「間違いなく、あいつは疲れが出たんだ」。試合後にコリアが発言した。「体調管理ができていれば、こんな暑い日でも長い試合を乗り切れるはずだ」。
 さらにこの3カ月後、私にとって初めての全米オープンでガエル・モンフィスと対戟したのだが、文字どおり私はコートに昏倒してしまった。まるで蒸し暑い海岸に打ち上げられたクジラのように無様に倒れ込み、呼吸に四苦八苦しながらトレーナーの到着を待つしかなかった。
 4回にわたる屈辱的なタイムアウトののち、辛うじて試合に勝つことはできたものの、私は猛烈なブーイングにさらされ、私の体調は大会中格好のネタになった。
 「あいつ、何か変えたほうがいいな」。モンフィスはそう言っていた。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 もう一つ、紹介させていただきます。


 ・・・<『ジョコビッチの生まれ変わる食事』、p24~p25から抜粋開始>・・・

 だが私の夢は、上位の一人になることではなかった。世界最高といえる存在が2人いた。フェデラーとナダルだ。そしてこの2人からすれば、私など、たまに出てきて、少し苦しくなるとすぐ棄権してしまう“雑魚”にすぎなかった。この2人こそ本物のエリートだ。私はまだ第二集団の中でもがくだけの存在だった。
 2008年1月に、私は全豪オープンで初のグランドスラム優勝を果たした。これが転換点となった。しかし、この1年後に対アンディ・ロディック戦でまたも私は棄権に追い込まれた。タイトルを防衛すべき王者であるはずの私が棄権とは、どういうことか? いったい、私の何が問題なのか?
 「さあな。けいれんか、鳥インフルエンザか、化学テロの炭症菌か、SARSか、よくある風邪のどれかじゃないのか」と、ロディックがしょっちゅう発病して棄権する私を嘲った。あの物静かで紳士的なフェデラーでさえ、報道陣の前で私のことをこき下ろした。
 「あいつはマンガみたいなものだ。あんなに怪我ばっかりしてるんだからさ」。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 ジョコビッチ選手がアスリートに必要とされる、めぐまれた体格や俊敏性、それにテニスプレーヤーとして天才的な運動センスを持っていたことは間違いありません。
 しかしアスリートとして致命的ともいえる、1試合を最後まで戦いきる体力に恵まれていませんでした。
 たびたび試合を棄権するジョコビッチ選手は、その原因がわからず、悶々とした日々を送っていたに違いありません。
 その原因ですが、実に意外な方角から指摘されることになります。
 2010年1月の全豪オープンで、ジョコビッチ選手はまたしても試合中に体調を崩して倒れてしまいます。
 その試合を1万4000キロ離れたジョコビッチ選手の母国セルビアで、テレビで観ていた博士がいたのです。


 ・・・<『ジョコビッチの生まれ変わる食事』、p36~p38から抜粋開始>・・・

 間違った食事をしていた男

 2010年1月のあの日、テニス解説者たちは、私に何が起きたのかを理解したつもりでいた。「また喘息の発作が出たんだよ」。そう言っていた。実際、ダブルフォルトをして呼吸がまともにできなかったとき、私自身、その原因が何なのか知ることはできなかった。
 13歳の頃から、私にはいつも鼻づまりがあり、特に夜はひどくなっていた。いつもふらふらの状態で目が覚め、調子が良くなるまで長い時間が必要だった。いつも疲れていて、一日3回練習しているにもかかわらず体の筋肉が張っていた。
 私にはアレルギーもあり、湿度が高い日や花が満開の時期には症状がさらにひどくなった。それでも、私の症状は説明がつかなかった。喘息の症状は、ふつう体を動かし始めた途端に出てくる。試合開始後3時間、何も出てこないのはおかしい。
 ツアーに参加する他の選手と同じくらい練習しているこの私が調整不足ということはありえない。にもかかわらず、大舞台で世界最高の選手たちと対戦すると、最初の数セットはいい勝負ができるのに、突然倒れてしまう。
 私の症状は杞憂(きゆう)ではなかったし、単なる喘息でもなかったし、強い相手に萎縮するという話でもなかった。私は、間違った食事をしていた男だったのだ。そして私の人生は大きく変わろうとしていた。

 1万4000キロの遠方より下された驚くべき診断

 あのプロ生活最低の瞬間が、じつは一番幸運な瞬間になると、だれがわかっただろう?
 偶然、私の祖国であるセルビア出身の栄養学者、イゴール・セトジェヴィッチ博士が、キプロスの自宅でテレビをザッピングしていたとき、たまたま全豪オープンの私の試合中継が放送されていた。彼はテニスファンでも何でもなかったが、夫人がテニス好きで、しばらく一緒に試合を見ようと言ってくれたらしい。そして夫妻は私が倒れる姿を見た。
 博士は、原因が喘息ではないとすぐに見抜いた。私について他の何かがおかしいと見ていた。彼の推測では食べ物が問題だということだった。
 もっと具体的に言うと、私の呼吸困難は、体内の消化システムの不均衡が原因で、それにより腸内で毒物が発生しているというのだ。これが、1万4000キロ離れた場所から下された驚くべき診断だった。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 「一流」の選手と、「超一流」の選手の違いは何か。
 それは、もしかすると、頭の柔らかさかもしれません。
 テニスのグランドスラム大会は、世界でもメジャーなスポーツイベントなので、大会のライブ中継を観ているのは世界中で何百万人にものぼると思われます。
 その中の一視聴者(かつ面識もない人)のアドバイスを聞くという頭の柔らかさ(心の柔軟さ)を、ジョコビッチ選手が持っていたということだと思います。
 これが、「超一流」の証ということでしょうか。

 セルビアの栄養学者、セトジェヴィッチ博士により、ジョコビッチ選手は「グルテン不耐症」であることが判明します。
 そして、食事から徹底的に小麦を排除します。
 こうして、ジョコビッチ選手は、世界一の座を手に入れることになります。
 しかし、この記事を読まれている訪問者の方々は、「なぜ小麦を抜くことで世界一になるんだ?」という素朴な疑問を持たれたのではないでしょうか。
 「小麦を抜く」→「世界一」とは話が飛躍し過ぎてついていけない、という感じではないでしょうか。
 次に紹介するのは、本の解説です。
 『小麦は食べるな』(Dr.ウィリアム・デイビス著、日本文芸社)の訳者である白澤卓二博士が、なぜジョコビッチ選手が世界一になったのかということを、科学的に説明されています。


 ・・・<『ジョコビッチの生まれ変わる食事』、p224~p231から抜粋開始>・・・

 解説 ①:小麦断ちがこんなに効果をあげるワケ

 --白澤卓二(お茶の水健康長寿クリニック院長、白澤抗加齢医学研究所所長)

 テニスやサッカーなどのスポーツをテレビで観ることはほとんどない私ですが、じつは本書には以前から注目していました。というのも、私が翻訳したデイビッド・パールマター著『「いつものパン」があなたを殺す』(三笠書房)の中で、「グルテンフリー」の実例としてジョコピッチ選手が紹介されていたからです。
 そのことをきっかけに同選手の試合をビデオで観戟したところ、グルテンフリーの効果は一目でわかりました。
 まず私が着目したのは、相手がボールを打った瞬間のジョコピッチ選手の反応です。明らかに、ほかの選手より1000分の5秒から1000分の10秒ほど早く反応できているのです。テニスのように時速200キロを超えるボールに反応しなければならないスポーツにおいてこの違いは決定的です。
 ジョコピッチ選手は体内にグルテンが入ってこなくなったおかげで脳反応のディレイ(遅延)がなくなり、この反応の速さによってコート全体を幅広くカバーすることができるようになりました。さらにボールが行く方向へ素早く動けています。一般に言われている「ストロークが安定しているからジョコピッチは強い」という解説は根本的に間違っています。「素早い反応、素早い動き」こそが強さの秘訣なのです。
 対照的に、従来の小麦を含む食事をしている選手たちはジョコピッチ選手と比べて反応が遅れるため、コートの中で移動できる幅が狭まってしまいます。したがって、前に出て一か八かの勝負をかけるしかありません。そして、動いてボールを拾えない分、技に頼らざるをえず、試合後半に入って体力が落ちてくるとこの技も効果を失ってしまうのです。
 では、なぜこのような違いが起きるのか、脳機能的な視点から解説してみましょう。
 相手がボールを打ったとき、この情報は視覚を通して後頭葉に送られます。そして後頭葉から運動野への指示がシグナルで送られるわけですが、この際にふだんからグルテンを摂取しているかどうかが大きな違いとなって表れるのです。
 グルテンが体内に入ると、小腸・大腸を含む腸全体で吸収されます。その際にタイトジャンクション(密着結合)が開き、腸内細菌から分泌された毒素が脳に運ばれ、脳に炎症が発生します。脳の炎症のために神経細胞は十分なニューロトランスミッター(神経伝達物質)が蓄積できず、それが初動の遅れとなって現れます。
 テニスに限らず、あらゆるスポーツの世界においてもトップ200くらいの選手の実力は同じでしょう。1000分の5秒程度の初動とか、そういったわずかな違いが決定的な優劣をもたらすのです。
 また、グルテンが体内に吸収されると、最終的に脳のオピオイド受容体と結合することが医学的に判明しています。それによりモルヒネ状の成分が発生し、軽度の感情的な高ぶりを発生させます。これが異常な食欲亢進につながり、突然これを断つと不快な禁断症状のようなものを発生させてしまうこともあります。いみじくもジョコピッチ選手が本文の中で告白しているとおり、これが脳に「霧」がかかっている状態です。だから初動反応が遅れるのです。つまり、小麦を食している選手たちは実質的に“麻薬を打たれた状態”で戦っているといえます。完全に麻薬を断ってシラフのジョコピッチ選手とまともな勝負ができるはずがないのです。
 本書を読むと、ジョコピッチ選手が完全に小麦を断っていることがわかります。ここで重要なのは、グルテンはあくまでも小麦を構成するほんの一成分にすぎず、悪いのは「小麦」そのものだということなのです(小麦の問題については後述します)。
 端的に言って、今の錦織圭選手がさらに上を目指そうとするなら、必要なのは技術や体力のトレーニングではありません。栄養・食事指導です。パンをはじめとした小麦製品を完全に断ち、食べ物を根本的に変えなければなりません。
 本書の中には、脳についてもう一つ重要なヒントが隠されています。そもそも脳は燃料として、糖(グルコース)とケトン体を利用します。ジョコピッチ選手の肉体を見ると、極限まで炭水化物の摂取を減らしたことで、糖ではなくケトン体を燃料として脳と肉体を動かしていることがわかります。ケトン体が素晴らしいのは、グルコースと比べてATP(エネルギー)産生比率が25%も高い、つまり燃費・効率が著しく良いということなのです。ジョコピッチ選手の試合を見ると、長時間ラリーが続いてもパテない、そして後半になればなるほど本領を発揮して勝負強くなっていることがわかります。これがケトン体を燃料として使えるようになった体の特長です。
 このケトン体は一般人にも使える燃料なのでしょうか。じつはこれは簡単な話なのです。朝コーヒーを飲むときにミルクや砂糖など余計な物を入れずに、5ccだけココナッツオイルをたらすとよいのです。すると3時間後にはケトン体の血中濃度が最大となり、認知機能が著しく向上します。つまり、今まで脳内にかかっていた「霧」が雲散霧消し、今までにない“脳力”を引き出すことができます。これで数学や物理など集中力がカギとなる科目で試験の得点を上げることは簡単ですし、囲碁・将棋のプロ棋士であれば間違いなく勝率が上がります。もちろんさまざまなビジネスシーンでも役立つでしょう。
 99.9%の人たちの脳内には「霧」がかかっていて、それが当たり前だと思い込んでいるわけです。そんな中で一人だけシラフでいるというのはどういうことか、もはや説明するまでもないでしょう。そして、ケトン体の作用が最大になると、炭水化物に対する興味がなくなり、暴飲暴食の危険や誘惑そのものがなくなります。
 それから、ジョコピッチ選手の献立の中で毎朝蜂蜜をなめるという記述がありますが、この意味について少し解説しておきましょう。
 これは、血糖値を必要以上にあげないのが目的です。蜂蜜の摂取は、砂糖の摂取と比べて血糖値がそれほど上がりません。そのため、インシュリンを刺激しません。このインシュリンが人体にとっては大きなブレーキになります。ジョコピッチ選手の肉体を見ると、極限までインシュリンの分泌を抑制し、ほぼ純粋にケトン体だけを動力にしていることがすぐにわかります。
 私はテニスのことは何も知りません。あくまでも脳機能の専門家です。本書でジョコピッチに栄養指導をするイゴール・セトジェヴィッチ博士も私と同じようにテニスをまったく知らない人物でしたが、1000分の数秒の反応の遅れ、ほんの数コマのジョコピッチ選手の動きを見て、原因がグルテンであることを見抜いたのです。つまり、ほんの10分ほどジョコピッチ選手の試合を見るだけでこれだけのことがわかるのです。それほどまでにグルテンは人間に悪影響を与えているというわけです。
 では、なぜ小麦がそこまで人体にとって危険な食物になったのでしょうか?
 人類が農耕を始めて約1万年が経ちますが、これは遺伝子の変異が発生するには短すぎる期間です。それまで人類は200~300万年以上のあいだ狩猟生活をしていたわけで、その頃の体内システムが今もそのまま残っています。ですから、アスリートであろうと一般人であろうと、まずは狩猟時代に最高のパフォーマンス・成果を発揮できた食生活に戻すべきというのが私の基本的な考えです。
 そしてもう一つ大きな問題があります。現在栽培されている小麦は、1960年代の小麦とは似ても似つかないまったく別の作物です。詳細は、私が翻訳したウイリアム・デイビス博士による『小麦は食べるな!』(日本文芸社)に譲りますが、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(IMWIC)は長年にわたり小麦の品質改良を続けてきました。その中でも特に重要だったのがノーマン・ボーローグ博士です。同博士は旧来の物と比べて極度に茎が太いうえに短く、生産性が高い矮小(わいしょう)小麦を開発したことから農業界において「グリーン革命の父」と呼ばれ、米国大統領および議会から勲章を与えられ、1970年にはノーベル平和賞さえも受賞しました。
 病気や日照りに強く、生育期間も劇的に短いこの小麦の開発により、全世界において総生産量が何十倍にも膨らみましたそして作付面積がトウモロコシに次ぐ2位の広さを誇る小麦生産大国のアメリカでは小麦はすべてこの新時代の矮小小麦に入れ替わりました。この小麦は何度となく繰り返された激しい品種改良によって、今やかつての小麦とはまったくの別物になっています。そして、グルテンをはじめとするこのタイプの小麦の含有タンパク量はヒトの耐性限度を超え、さまざまな悪さをするようになってしまったのです。
 本書にあるとおり、グルテンは砂糖よりも早く急激に血糖値を上げてしまうものです。そのため、たとえ小麦アレルギーがない人でも、肥満や高血圧、糖尿病、心臓・内臓疾患、脳疾患、皮膚疾患などを引き起こします。小麦によって「脳の霧」と呼ばれる症状が発生し、集中力が散漫になったり、短期記憶が不正確になったりといった軽度の認知障害を引き起こすことが学界でも報告されています。
 幸か不幸かジョコピッチ選手は生来のグルテン不耐症により、早めに小麦の恐ろしさに目覚めることができた。他のすべての選手たちはまだそれに気づいていないので実力を発揮しきれない。そう考えると、ジョコピッチ選手の天下はもうしばらく続くとみていいのではないでしょうか。
 本書で彼が推奨している食事は、間違いなく一般人にも大きな効力を発揮します。生活習慣病や肥満に限らずさまざまな病気の予防はもちろん、頭脳のパフォーマンス向上にも確実に寄与します。われわれ日本人の食卓は洋食より明らかに小麦粉の消費が少ないわけですから、実践も十分に可能なはずです。
 ジョコピッチ選手という世界的スーパーアスリートが自ら実行した本書の理論は、アスリートだけでなく、一般の方々にとってもたいへん有意義なものです。わかりやすい邦訳によって本書が世に問われることを歓迎し、この食事法がより多くの読者に広がっていくことを期待します。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 ジョコピッチ選手が、他の選手よりも1000分の数秒速く動き出すことができることが、試合に大きな優劣として現れるという説明に、私は大いに納得しました。
 だとすれば、錦織選手のジョコピッチ選手に対する2勝18敗という結果にも納得できます。
 ジョコピッチ選手に対し、体格的にも劣る錦織選手が勝つ為には、ジョコピッチ選手よりも俊敏に動く必要があります(ジョコピッチ選手:身長188cm、錦織選手:身長178cm。テニスではサービスを行う際に身長が高いことは圧倒的に有利)。それなのに、ジョコピッチ選手の方が、1000分の数秒速く動き出すのだすから、錦織選手が勝てないのも無理ありません。

 さて、この本の初版が発売されたのは2018年なので、もう4年前になります。
 白澤卓二博士は、ジョコピッチ選手は小麦絶ちをしていて、他の選手はしていないことから、「ジョコピッチ選手の天下はもうしばらく続くとみていいのではないでしょうか」と予言(?)されていますが、ジョコピッチ選手は今年(2022年)の6月まで世界ナンバー1の地位についていたので、この予言は当たったようです(途中、ナダル選手とメドベージェフ選手に数か月1位の座を譲り渡しただけ)。

http://www.sportsdatamuseum.com/tennis/ranking/tennisRank1AtpSingles.html

 とはいえ、ジョコピッチ選手は今年で35歳となり、選手生命はもうそれほど長くはないと思われます。逆に、テニスという過酷なスポーツの世界で、35歳でトップ10をキープしている凄みと表現すべきでしょうか。

 最後に、一つエピソードを紹介したいと思います。
 セトジェヴィッチ博士による検査結果が出たときの、ジョコピッチ選手との会話です。


 ・・・<『ジョコビッチの生まれ変わる食事』、p72から抜粋開始>・・・

 私の血液検査結果が戻ってきたときの衝撃は大きかった。私は小麦と乳製品に対して強い不耐症があり、トマトに対しても少し敏感だったのだ。
 「今後、君の体の機能を上げたいのであれば、パンを食べるのはやめなさい」。セトジェヴィッチ博士が言い渡した。「チーズもダメだね。トマトも減らすことだ」。
 「先生、待ってくださいよ」。私は抵抗した。
 「うちの両親はピザ屋なんですよ!」

 ・・・<抜粋終了>・・・


 そうなんです。
 ジョコビッチ選手の両親は、ピザレストランのオーナーシュフで、ジョコビッチ選手は小さい頃から、お腹が減ると、ピザをつまんでいたのです。
 魂の計画って絶妙だなぁ、と感心してしまいました。

 ジョコビッチ選手は、グルテン不耐症だったことが判明したわけですが、本の中でジョコビッチ選手は、5人に1人の割り合いでグルテン不耐症がいると述べています。
 私は、西欧社会においてグルテン不耐症が広く認知されて、簡単に検査できる体制が整えられていることから、この数字は信頼性があるのではないかと考えています。
 では、日本ではどうでしょうか。
 わかりませんが、ある一定数いることは間違いないと思います。
 かくいう私もグルテン不耐症でした(私はそう確信しています)。
 前回の記事で、グルテンフリーの生活を1ヶ月行った女性の動画を貼っておきましたが、その女性はグルテンフリーの生活で、呼吸が楽になったと言っていました。
 いつも片方の鼻が詰まっていたのが、どちらも開通し呼吸に息苦しさを感じなくなったといいます。
 全く同じことをジョコビッチ選手も述べています。
 そして、3週間グルテンフリーを続けた私もまたそうなのです。
 慢性的な鼻詰まりの状態から解放され、普通に鼻呼吸ができるようになり、爽快な気分です。

 そして、おそらくこれが私の花粉症の原因だったのではないかと考えています。
 私の母は花粉症に全く無縁でした。
 母の遺伝子を引き継いだはずなのに、私は長年、重度の花粉症に悩まされていました。
 しかし、ここに至ってやっと気づいたのですが、母はほとんど小麦を食べない食生活をしていたのです。昔の農家の出身らしく、毎日ご飯を炊いて野菜中心のおかずを作って食べていました。和食中心の食事で、スーパーで売っている加工食品が入る余地は無い上に、小麦を使うことは少なかったのです。
 私は数十年悩まされ続けた花粉症から、ついに解放されるのではないかという期待を大いに抱いています。

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