アメリカで真菌「カンジダ・アウリス」の重症者が激増

スポンサーリンク
アメリカ合衆国 感染症

アメリカで真菌「カンジダ・アウリス」の重症者が激増

ワクチン接種率の高い日本も遅かれ早かれ米国の後を追うことになるだろうと予測されます。

米国内でのカンジダ・アウリスの蔓延状況

このマップは 2022年の週毎の真菌での受診者数です。色が濃いほど多い州です。

こんなのは免役が普通であれば、重症化を気にするようなものではないですが、感染拡大の原因は、最近の他のあらゆる感染症の拡大の原因と同じだと思われます。


地球規模の脅威への警告後、致死性の真菌が米国全土に蔓延していることを示すマップ

mirror.co.uk 2023/12/17

Map shows spread of deadly fungus across US after warning of global threat

アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、世界的な健康上の脅威について警告し、致死性の真菌が米国全土に蔓延していることを示す地図を共有した。

アメリカ疾病管理予防センター (CDC) のマップは、アメリカ全土に蔓延する致死性の真菌カンジダ・アウリスの感染者数が多く発生している地域を示しており、これは世界的な健康上の深刻な脅威となる可能性がある。

CDC の真菌性疾患部門は感染者数を監視し予防戦略を評価し、公衆衛生実践に情報を提供している。ほとんどの場合、この真菌は同じ都市または州内の医療施設内で広がると考えられている。

感染者数が最も多い州にはカリフォルニア、ネバダ、テキサス、イリノイ、ニューヨーク、フロリダなどがあり、それぞれ数百人の感染者がいる。

感染者が発生している他の州は、アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、ルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、ジョージア、テネシー、ケンタッキー、バージニア、インディアナ、オハイオ、ペンシルベニア、ミシガン、アイオワ、ウィスコンシン、ミネソタ、マサチューセッツだ。

このマップは、州の保健局から提供される感染者数に基づいて毎月更新される。これには、米国での最初の既知の症例となる 2013 年以降のデータが含まれていまる。

昨年は、2,377人が重症となった。

CDC によると、カンジダ アウリスは重篤な症状を引き起こす可能性のある真菌であり、病院内で非常に急速に蔓延する。米国では、最近 12か月間で数千件のカンジダ耳介感染者が発生した。

Candida aurisについて

C. aurisは本邦で耳漏より分離され、新規のカンジダ属として2009年に帝京大学の槇村・山口らにより報告された種である5。2009年の本邦からの報告以降、短期間で複数の国から報告され、血流感染症などの高い致死率を呈する感染症の報告も複数あり、現在ではemerging pathogen (新興病原微生物) の一つとして位置付けられるようになった 6-9。現在では、院内でのアウトブレイクの報告や、複数の抗真菌薬への耐性も報告されており、C. aurisの感染予防・治療戦略の確立は真菌感染症における重要な課題の一つとなっている10, 11

C. aurisのヒトへの定着は、鼻腔、鼠径部、腋窩、直腸など様々な身体部位に生じ、初回検出時より3ヵ月以上経過しても検出されうると報告される8, 10。ヒトへの定着の危険因子には、C. auris保菌者・その周囲の環境との接触が含まれ、C. auris保菌までに要する時間はわずか数時間とする研究報告もあり、ヒトへの定着は、汚染された環境などから容易に生じうると推察される 10, 12

上述のような短期間での定着、多剤耐性の可能性および侵襲性感染症発症時の高い致死率を鑑みると、院内におけるC. aurisに対する感染対策が極めて重要となる。欧米のガイドラインでは、患者の隔離 (Isolation)、手指消毒と接触予防策 (Hand hygiene and Contact precautions)、感染患者に使用した備品・環境の清掃・消毒 (Cleaning and Disinfection) の重要性が挙げられている13-16。しかしながら、現在までのところC. aurisに関するデータは不足しており、これらの対策は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) やカルバペネム耐性腸内細菌 (CRE) に準じた経験的なものとしての推奨であり、C. auris感染対策に対するデータの蓄積は今後の課題となる。

C. aurisは乾燥・湿潤環境のいずれでも長期生存が確認され、また、プラスチック表面でも14日間程度生存しうることが報告されている17, 18。この生存率はC. albicansよりも長期であり、環境汚染がより生じやすいことが示唆される。また、消毒薬に対する抵抗性も他のカンジダ属・MRSAより高いことが報告されており、酢酸、エタノール、四級アンモニウム化合物の有効性は、MRSAに対する効果よりはるかに低いと報告されている19。次亜塩素酸ナトリウムや過酸化水素の効果は高いことが報告されており、患者退院後の環境消毒においては、高濃度次亜塩素酸ナトリウムと蒸気化過酸化水素または紫外線の併用が高い効果を発揮すると示されている8, 10, 20。また、0.02%クロルヘキシジンや10%ポピドンヨード、2%グルコン酸クロルヘキシジン入70%イソプロピルアルコールもC. aurisに対して有効性を呈するとする報告もある21, 22。しかしながら、これらの薬剤はヒトに対して有害であるものも多く、C. aurisに対する消毒薬に関しては、今後のさらなる研究が必要な領域である。

引用→https://www.niid.go.jp/niid/ja/from-lab/476-fungi/9090-fungi-candidiasis.html

まいこめんと

一般的には口内炎や膣カンジダ症として見られ、日和見感染症のひとつです。
日和見(ひよりみ)感染症というのは通常身体の免疫機能が正常な場合には身体に常在
していても病状を起こさないが、免疫機能が低下してきたときに感染症を起こし病状を
来すものです。

このことから、日本でもワクチン接種率が高いことから増改傾向を示すと思われます。
Google検索でも下記のように表示されることから軽視できない感染症になる可能性が
あります。

わが国の 報告では,「厚生労働省:平成 20 年患者調査(傷病分類 編)」においてカンジダ症患者約 53,000 人に対し,カン ジダ性口内炎として患者数は約 1,000 人の発生とされて おり,口腔カンジダ症も真菌症同様に増加傾向にあると されている1)

コメント

タイトルとURLをコピーしました