未来世紀カナダの物語は続く:ノバスコシア州で「森に入るのが全面的に禁止

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カナダ 世界の出来事

未来世紀カナダの物語は続く:ノバスコシア州で「森に入るのが全面的に禁止

その罰金は日本円で数百万円単位。一体、何を推し進めようとしているのか

無意味な抑圧の意味は?

カナダ・ノバスコシア州政府が市民に対して、

「森林に入ることを全面的に禁止する」

という法令を発表しました。

カナダ・ノバスコシア州の位置

Google Map

この話題は、X などの SNS では目にしたことがあったのですが、「まさか、そこまでするのかな」とか思っていましたら、本当だったようで、カナダやアメリカでもいっせいに報じられていました。

カナダにお住まいの読者様が、報道のリンクなどを教えてくださったのですが、これは罰則つきの禁止令で、何と、

「違反すると、罰金 2万5000ドル」

という厳しいペナルティが科されるものです。

2万5000ドルといえば、米ドルで約 370万円、仮にカナダドルだとしても、約 270万円という、少なくとも普通の人にとっては膨大な罰金額です。

一応書いておきますけれど、

「ただ、森林に入っただけでの罰金」

です。放火したとか、ゴミを森林に不法に投棄したとか、そういうことではなく、ただ森に入っただけで、重罪となるという法令です。

たとえば、以下のように報じられています。

カナダの報道より

ノバスコシア州政府は火曜日 (8月5日)、山火事が発生する危険性があるため 10月15日まで、もしくは禁止令が解除されるまで、森林内での活動を大幅に制限する新たな措置を発表した。

ノバスコシア州の試験制度は現在「立ち入り禁止」となっており、キャンプ、ハイキング、釣り、さらには森の中を車で走ることさえも禁止されている。この禁止令に違反した者は、2万5000ドルという高額な罰金を科せられる可能性がある。

nowtoronto.com


単なるこけおどしのたぐいかと思っていましたけれど、実際すでにこの法令違反で、2万8000ドル以上の罰金を科せられた人がいました

2万8000ドルは、米ドルで約 400万円、カナダドルで 300万円です。

カナダの退役軍人であるジェフ・エヴリー氏という以下の方が X で、「森に入っただけで 28,872.50ドルの罰金を課してきた」と述べています。

 

政府による名目としては、「山火事を防止するため」ということになっていますが、しかし、これまで、「山火事を防止するために一般市民の森林への立ち入りをすべて禁止する」というような法令は、少なくとも、主要国では聞いたことがない話で、そして、ノバスコシア州だけではないですけれど、カナダの自然の多いこの場所は、夏期にハイキングやキャンプやフィッシングなどで人々に愛されている場所のようで、それが全部禁止される。

ハイキングをしても森林に入れば罰金400万円

nowtoronto.com

フィッシングも罰金400万円

thenewflyfisher.com

もちろん高齢者の森林浴散歩も罰金400万円

zoomershealth.ca

「いくらなんでもおかしいだろ」とは思いますが、決められてしまったものは仕方ない。少なくとも、夏から秋にかけては、カナダ人は(もちろん外国人もですが)ノバスコシアの森に入ることは、どんな理由であれ禁じられます。場合によっては、「法令が延長され続ける限り」続きます

なお、この日は同時に、

「ノバスコシア州全域で、花火の使用を全面的に禁止する」

とも発表されています。

森林などでの花火に限定されるのではなく、「州内すべて」で、です。

こちらも、違反した場合、2万5000ドルの罰金です。

花火の許可証を持っている専門家でもダメです。

これに対して、米ゼロヘッジは、

> 専制政治とは、慣れのプロセスである。政府は国民が何に黙って容認するかを試し、人々が新しい常態を受け入れるように仕向ける。

という文章で始まる記事を投稿していました。

今回の措置を「専制政治のひとつ」として見ているようです。

その記事をご紹介します。



ノバスコシア州のカナダ人が公有林の利用を禁止される

Canadians In Nova Scotia Now Banned From Using Public Forests
zerohedge.com 2025/08/11

専制政治とは、慣れのプロセスである。政府は国民が何に黙って容認するかを試し、人々が新しい常態を受け入れるように仕向ける。

指導者たちは「一時的な」制限を恒久的な法律へと転換する。時には国民が反発し、官僚は撤退を余儀なくされることもある。

しかし、試練は決して終わることはなく、官僚機構は望むものを手に入れるまで、年々圧力をかけ続ける。

多くのコメンテーターは、カナダ政府が近年、この権威主義的なプロセスを加速させ、エリート政治家の意図をもはや理解できないほどにまで追い詰めていることに気づいている。

仮面は完全に剥がれ落ち、カナダは過酷な汚水溜めと化しつつある。検閲法、銃規制、炭素税、さらにはキリスト教の礼拝を「ヘイトスピーチ」に変える法律に至るまで、カナダはイギリス連邦のいとことしてのカナダとほぼ同等に、あらゆる点で煮え切っている。

カナダでは数週間ごとに新たな抑圧的な命令が施行されているようだ。今月、ノバスコシア州は突然、公有林におけるほぼすべての民間活動を禁止した。

 

カナダ国民がノバスコシア州の森林を歩く、ハイキングする、運転する、キャンプをする(公式キャンプ場以外)、釣りをすることは違法であり、厳しく規制された許可証を持たずに違反行為を行った者は、高額の罰金が科せられる。

森林のある小規模な公園も制限されている。州政府が延長を決定しない限り、この禁止措置は 10月15日まで続く。

森林での作業許可証の取得窓口は問い合わせや申請であふれており、市民は電話を控えるよう指示されている

少なくとも一人の市民、カナダの退役軍人ジェフ・エヴリー氏がこの法律に異議を唱え、森に入っただけで 2万8000ドル以上の罰金を科せられた。(※ 先ほどの映像の方です)

ノバスコシア州の指導者たちは、近隣住民の状況を通報するための「密告ライン」を設置した。ティム・ヒューストン州首相によると、これらの対策は、高温と極度の乾燥により山火事の発生リスクが高まっている現在の気候に対応するものだとして、以下のように述べている。

「山火事のほとんどは人間の活動によって引き起こされます。そのため、リスクを軽減するため、状況が改善するまでは、人々が森に入ることを禁止しています。皆さんには、正しい行動をとっていただきたいと思います。キャンプファイヤーに火をつけたり、森に近づいたりせず、人々と地域社会を守ってください」

ノバスコシア州の 7月の平均最高気温はわずか 23℃で、8月もほとんど変わっていない。また、先月は州内で大雨と鉄砲水が発生した。

覚えておいてほしい。これらはカナダ国民が維持するために政府に法外な税金を支払っている公有林だ。

政府はまた、森林管理に対して規制を設けており、まさに彼らが阻止しようとしている山火事を引き起こしている。これには、生い茂った森林を間伐するための伐採や、倒木の回収を禁止する規制など、多くの規制が含まれている。

米国の多くの地域と同様に、この種の「保全」は干ばつ時に公有地を火の粉と化す。また、山火事の防止が禁止措置の真の目的ではないことを示唆している

批評家たちは、この禁止措置は将来の気候変動対策関連法の施行に向けた予行演習に過ぎないと主張している。

これらの制限は、パンデミックによるロックダウン中に課された屋外活動の禁止を彷彿とさせる。

それは、あらゆる理性、論理、そしてウイルス科学を逸脱して強制された禁止措置だった。当時、多くの政治指導者たちが、個人の旅行や屋外での移動を禁じるパンデミックによるロックダウンを「気候ロックダウン」にまで拡大適用する可能性を示唆していた。

このシナリオは、西側諸国における「再野生化」を目指すグローバリストの試みにも似ている。

具体的には、この主旨は、特定の地域への一般人の立ち入りを禁止し、人間の介入なしに「自然に任せる」というものだ。これは根本的に、人間をますます狭い人口バブルの中に閉じ込め、そこから抜け出すことをほとんど許さないことになる。こうした政策は、国全体に拡大される前に、小規模な地域でベータテストされることがよくある。

この禁止措置に対する法的異議申し立ては数多くあるだろうが、規制の背後にある全体的な意図は疑わしく、 カナダや西側諸国で今後施行される権威主義的な法律の警告サインとなるかもしれない。


 

ここまでです。

ここにある「近隣住民の状況を通報するための「密告ライン」を設置した」というのは、第二次大戦中の日本で、国民を統制するために作られた地域組織である「隣組」と何だか似ていますね。

隣組も、名目上は、自治体の結束力を強めるというものでしたが、それは、

「結果的に同調圧力を通じた思想統制や住民同士の監視の役目を担うこととなった」

ということになりました。

まあ、それはともかく、この記事の中に、

> これらの制限は、パンデミックによるロックダウン中に課された屋外活動の禁止を彷彿とさせる。

とありますが、もう、この記事にある画像「STAY OUT OF THE WOOD (森に近づくな)」というのは、コロナのパンデミック中の、

「 STAY HOME 」

を思い浮かばせるものです。

パンデミックの時、カナダは世界で最も厳しい行動制限措置を実施した国でもあり、それは以下の 2021年4月の記事にあります。

 

未来世紀カナダ:「家の外にいるだけで逮捕される」という世界で最も厳しい外出禁止が発令されたオンタリオ州の現実は…
In Deep 2021年4月22日

 

当時のカナダ・オンタリオ州では、「マスク着用に関する法律」まで制定されていたんですよ。勧告ではなく法律です。

2021年4月に改定されたオンタリオ州再開法より

事業または組織の責任者たちは、事業または組織の敷地内の屋内エリア、または車両にいる人たちがマスクを着用していることを確認するものとする。

または、屋内エリアにいる間はいつでも、口、鼻、あごを覆うようにして顔をマスクで覆う必要がある。

Reopening Ontario Act


「車両にいる人たちが」とあるように、車内でもマスクをしていないと法律違反になるということです。ちなみに、この法律は、2022年3月に取り消されました

こんな馬鹿げた法律が実際に施行されていたのは、つい 4年ほど前。それでも、「人々はその苦痛を忘れてしまう」ものなんですよね。

あれだけ抑圧されていた記憶が薄らいでしまう。

日本は法律上では規制は受けなかったですけれど、実際には世界で一番マスク遵守率の高い国(99%以上)となっていました。

日本は、ワクチン接種率の高さもそうですが、日本の場合は、どんな荒唐無稽な政策も、法律にしなくとも「空気と同調圧力」で十分に広めることができる国です。

結局、15分都市みたいな価値観も含めて、コロナ以来、主要国ではあまり変わっていないということなのかもしれません。

日本がそれに飲み込まれたら、真っ先にその方向に突き進むはずです。

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