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2026年4月の景気動向調査

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2026年4月の景気動向指数 政治・経済

2026年4月の景気動向調査

2022年2月以来4年2カ月ぶりに、2カ月連続で10地域すべてが悪化した。

■調査結果のポイント

  1. 2026年4月の景気DIは前月比1.4ポイント減の41.5となり、2カ月連続で悪化した。国内景気は、原油価格の高騰や調達コストの負担増と価格転嫁の遅れ、個人消費の落ち込みから、2カ月連続で大きく後退した。今後の景気は、下振れリスクを抱えながら、弱含みで推移するとみられる。

     

  2. 『建設』や『農・林・水産』など9業界で悪化した。前の月に続き中東情勢の緊迫化を背景とした原油価格の高騰や、原油由来の材料などの供給制約が幅広い業種で響き、仕入れコスト負担が重荷となった。規模別では、2カ月連続で全規模が悪化した。「小規模企業」はコロナ禍の2022年8月以来3年8カ月ぶりに30台に低下。地域別では、2カ月連続で全10地域が悪化し、5地域が30台に落ち込んだ。

     

  3. [今月のトピックス] 仕入単価DIが急上昇、販売単価DIとのギャップも高まり、企業の価格転嫁が追いつかない状況にある。

< 2026年4月の動向 : 大幅に下落 >

2026年4月の景気DIは前月比1.4ポイント減の41.5となり、2カ月連続で悪化した。国内景気は、原油価格の高騰や調達コストの負担増と価格転嫁の遅れ、個人消費の落ち込みから、2カ月連続で大きく後退した。

4月は、中東情勢を背景とする燃料・原材料コストの上振れが、価格転嫁の進展を上回るスピードで企業の収益環境を悪化させていた。塗料などの資材不足が顕著な建設業などで厳しく、節約志向が一段と拡大したことも悪材料だった。一方で、株価が終値で6万円台をつけるなど金融市場は好調だったほか、売り上げと生産・出荷量は底堅く、雇用・賃金環境も改善傾向を維持していた。

< 今後の見通し : 弱含み >

今後は、中東情勢の緊迫にともなう原油高の影響が、物流費や家計負担を押し上げよう。また長期金利の上昇は設備投資や住宅投資の重荷となる。急激な円安進行のほか、原油や関連製品の供給制約が拡大すると、景況感は下振れする可能性が高い。一方で、積極財政による成長投資と物価高対策の実行、また賃上げ期待により家計の実質購買力を回復できるかが焦点となろう。

今後の景気は、下振れリスクを抱えながら、弱含みで推移するとみられる。

業界別:10業界中9業界が悪化、仕入れコスト上昇による負担が悪材料に

  • 『建設』や『農・林・水産』など9業界で悪化した。前の月に続き中東情勢の緊迫化を背景とした原油価格の高騰による仕入れコスト負担が重荷となったほか、原油由来の材料などの供給制約も表われた。また、先行きに対する不安材料が多く、家計の節約志向が一段と広がり、低調な個人消費も悪材料だった。加えて、慢性的な人手不足や採用難、人件費負担もマイナス材料となった。

 

  • 『建設』(42.4)…前月比3.9ポイント減。2カ月連続で悪化。「ホルムズ海峡の問題で原油を基に作られる製品が滞り、土木・建築工事が停止している現場もある」(一般土木建築工事)という声が聞かれ、塗料や接着剤、防水材料などの資材不足や高騰が悪材料となった。加えて、燃料価格の上昇を背景に、運搬コストの増加や重機の燃料費の上昇も押し下げ要因となった。さらに、熟練技能者の不足が深刻化し、施工能力の低下などが課題となっている。

     

  • 『農・林・水産』(43.0)…同1.2ポイント減。5カ月連続で悪化。「資材や燃料費高騰など、経費への影響が大きい」(野菜作農)との声が聞かれ、肥料価格や施設園芸の維持費などの負担が増している。同じく、燃料代や漁網などの資材の高騰が水産業にとっても大きな悪材料となっている。さらに、林業関係も伐採費用や運搬費の増加が重荷となる厳しい状況が続いた。

     

  • 『サービス』(46.9)…同0.9ポイント減。2カ月連続で悪化。人件費や材料費の負担が重く「飲食店」(同1.8ポイント減)は3カ月ぶりに下落した。客室稼働率はやや上昇したが、消耗品費などのコスト上昇から「旅館・ホテル」(同2.8ポイント減)も大きく悪化。加えて、「医療・福祉・保健衛生」(同1.1ポイント減)も資材の高騰ほか、手袋など使い捨て用品の確保が難しくなっている。
    他方、「娯楽サービス」(同2.4ポイント増)は映画館やゴルフ場が堅調だった。

     

  • 『製造』(39.8)…同0.7ポイント減。2カ月連続で悪化。7カ月ぶりに30台に下落した。中東向けの減産の影響が続き「輸送用機械・器具製造」(同2.0ポイント減)は、2カ月連続で落ち込んだ。ナフサなど原油由来の原材料の供給制約が響いた「化学品製造」(同0.6ポイント減)や「機械製造」(同1.3ポイント減)、「電気機械製造」(同0.1ポイント減)はいずれも2カ月連続で悪化した。また、食品トレーや包装容器などの供給不足に加えて、原材料の値上げが著しく、販売価格への転嫁が進まず、「飲食料品・飼料製造」(同0.3ポイント減)は、3年2カ月ぶりに30台に落ち込んだ。

規模別:2カ月連続で全規模が悪化、「小規模企業」は3年8カ月ぶりの30台

  • 「大企業」「中小企業」「小規模企業」が2カ月連続でそろって悪化。全規模で中東情勢の悪化による影響が顕在化した。特に「小規模企業」は、コロナ禍の2022年8月以来3年8カ月ぶりに30台に落ち込んだ。

 

  • 「大企業」(45.8)…前月比1.5ポイント減。2カ月連続で悪化。『卸売』では「機械・器具卸売」や「化学品卸売」など9業種中6業種が落ち込んだ。「石油製品の調達難・価格高騰の影響」といった声が聞かれた『製造』の悪化も重しとなった。

     

  • 「中小企業」(40.7)…同1.4ポイント減。2カ月連続で悪化。『建設』が大幅に悪化したほか、「建材・家具、窯業・土石製品製造」や「化学品製造」など『製造』も資材の入荷難と価格上昇が直撃し、6カ月ぶりに40を下回った。

     

  • 「小規模企業」(39.3)…同1.7ポイント減。2カ月連続で悪化し、3年8カ月ぶりに30台に落ち込んだ。原油由来の材料の調達難と価格上昇を受けた『建設』のほか、金利上昇や消費マインドの低迷が響いた『不動産』が全体を下押しした。

地域別:2カ月連続で全10地域が悪化、5地域が30台に落ち込んだ

  • 2022年2月以来4年2カ月ぶりに、2カ月連続で10地域すべてが悪化した。中東情勢の悪化にともなう原油価格の高騰や供給不安を受け、『中国』『東北』など5地域が30台に落ち込んだ。都道府県別では、悪化が41、改善が6だった。

 

  • 『中国』(39.3)…前月比2.2ポイント減。2カ月連続で悪化。買い控えを指摘する声があがった『小売』のほか、中東情勢の影響が顕在化した「輸送用機械・器具製造」を中心とする『製造』など10業界中6業界が30台となった。

     

  • 『南関東』(45.0)…同1.3ポイント減。2カ月連続で悪化。建材の調達難・価格上昇や一部案件の減少で『建設』は1年10カ月ぶりに50を下回ったほか、関連する「建材・家具、窯業・土石製品卸売」を中心に、『卸売』も悪化した。

     

  • 『東北』(38.2)…同0.4ポイント減。2カ月連続で悪化し、4カ月連続で30台となった。「機械・器具卸売」など『卸売』は33.2へ落ち込んだ。一方で、大手の工場稼働やホテル進出などが下支えとなり、域内6県中3県が上向いた。

     

    【今月のトピックス】仕入れコストに関する企業の見解

  • 仕入単価DIが急上昇、販売単価DIとのギャップも高まり、企業の価格転嫁が追いつかない状況にある

     

  • 燃料および原油関連商品の供給制約に起因する価格高騰に対し、多くの企業がコスト負担の増大を懸念している
  • 【調査先企業の属性】

1.調査対象(2万3,083社、有効回答企業1万538社、回答率45.7%)

2.調査事項

  • 景況感(現在)および先行きに対する見通し
  • 経営状況(売り上げ、生産・出荷量、仕入れ単価・販売単価、在庫、設備稼働率、従業員数、時間外労働時間、雇用過不足、設備投資意欲)および金融機関の融資姿勢について

3.調査時期・方法

2026年4月16日~4月30日(インターネット調査)

【景気動向指数(景気DI)について】

■TDB景気動向調査の目的および調査項目

全国企業の景気判断を総合した指標。国内景気の実態把握を目的として、2002年5月から調査を開始。景気判断や企業収益、設備投資意欲、雇用環境など企業活動全般に関する項目について全国2万4千社以上を対象に実施している月次統計調査(ビジネス・サーベイ)である。

■調査先企業の選定

全国全業種、全規模を対象とし、調査協力の承諾が得られた企業を調査先としている。

■DI算出方法
DI(ディフュージョン・インデックス〈Diffusion Index〉)は、企業による7段階の判断に、それぞれ以下の点数を与え、これらを各選択区分の回答数に乗じて算出している。

景気DIは、50を境にそれより上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味し、50が判断の分かれ目となる(小数点第2位を四捨五入)。また、企業規模の大小に基づくウェイト付けは行っておらず、「1社1票」で算出している。

■企業規模区分

企業の多様性が増すなか、資本金や従業員数だけでは計りきれない実態の把握を目的に中小企業基本法に準拠し、全国売上高ランキングデータを加え下記の通り区分している。

■景気予測DI

景気予測DIは、ARIMAモデルと構造方程式モデルの結果をForecast Combinationの手法で算出。破線は予測値の幅(予測区間)を示している

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