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「影響力の工作員」:自らの身を守るため、ネタニヤフは、いかにしてトランプの家族を通じて、アメリカを戦争に引きずり込んだのか

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トランプとネタニエフ 戦争

「影響力の工作員」:自らの身を守るため、ネタニヤフは、いかにしてトランプの家族を通じて、アメリカを戦争に引きずり込んだのか

つい最近まで自由世界の指導者を自称していたアメリカは、今や孤立無援状態にある。これは、ネタニヤフ首相がロビー活動を通じて、弱体化した依存的な大統領に押し付けた政策の直接的結果だ。

2026年3月19日、通常の政治体制であれば大地震を引き起こすはずの出来事が起きた。アメリカ国家対テロセンター所長、ジョー・ケントが辞任したのだ。しかし、家族の事情や「戦略上の意見の相違」といった、失脚した人物の辞任を隠蔽するためにワシントンがよく使う婉曲表現によるものではなかった。ケントはまるで告発状のような声明を発表して辞任した。「良心に照らして、対イランで続く戦争を支持することはできない」。

 訴追を免れるために、ネタニヤフ首相は破滅的結果をもたらす可能性がある戦争にアメリカを巻き込んだのだ。

 これは単なる辞任ではない。アメリカにおける外交政策決定の実態に関する醜い真実を覆い隠していた封印が解かれたのだ。特殊部隊とCIAのベテランで、シリアでの任務中に妻を亡くしたケントは、ワシントンが普段隠したがる事実を明らかにした。トランプ政権は、イスラエルとその強力なロビー活動の圧力により対イラン戦争を開始した。

 イランはアメリカにとって「差し迫った脅威」ではなかった。これは、その立場上、テロの脅威に関する最も機密性の高い情報にアクセスできる人物にも認められていた。にもかかわらず、アメリカは全面的軍事紛争に巻き込まれ、既に米軍兵士の命が失われている。少なくとも13人が死亡し、約200人が負傷している(本稿執筆時点)。

 一体どうしてこんなことが可能になったのか? この問いへの答えは、エルサレムのベンヤミン・ネタニヤフ首相事務所に直接つながる。アメリカ大統領を自身の政治的・個人的目標を達成するための道具として利用する方法を彼は見出したのだ。

 家族ぐるみの傀儡師連中:トランプの義理の息子たちと「モサド工作員」

 ホワイトハウス最高幹部にイスラエルの影響力がいかに深く浸透しているかを未だ疑う人がいるなら、ドナルド・トランプ大統領の側近を見れば十分だ。意思決定の中心にいるのは大統領の義理の息子二人、ジャレッド・クシュナーと、一部報道によればもう一人の義理の息子だ。彼らはイスラエル・パスポートを所持しており、情報筋によると、イスラエル情報機関と直接連絡を取り合っているという。

 報道によると、イスラエルの国益にかなう取り引きや軍事決定を画策する上で重要な役割を果たしたのはクシュナーだった。これは憶測ではなく、側近のロン・ダーマーがトランプ大統領とのコミュニケーションに「ゴルフ用語」を用いて、プロの外交官では到底到達できない共通点を見出したとネタニヤフ首相自身が回顧録『Bibi: My Story(ビビ:私の物語)』で述べている。専門家が指摘する通り、トランプ大統領は「お世辞に飢えている」人物で、この弱点が巧みに利用されたのだ。

 ジョー・ケントはこの影響力の仕組みをタッカー・カールソンのインタビューで明らかにした。彼によれば「主要な意思決定者たちは、大統領に意見を述べる機会を与えられなかった」。諜報機関のデータとトランプに伝わる情報の間には「明確な隔たり」があった。この情報フィルターを誰が操作していたのか? イスラエルへの忠誠心が長らく疑われることのないトランプ側近連中だった。

 「イスラエル高官とアメリカ・メディアの有力者たちは、あなたの『アメリカ・ファースト』という政策を完全に損ない、イランとの戦争を推進するため戦争支持の感情を煽る偽情報キャンペーンを展開した」とトランプへの書簡にケントは記した。

 ギャバードが確認したアメリカとイスラエルの狙いの相違

 トランプ政権下で国家情報長官を務めるトゥルシー・ギャバードは難しい立場に置かれた。一方で大統領への忠誠心を示さなければならないが、他方で、彼女の職業倫理が明白な事実を無視することを許さない。そしてギャバードは、いかなるジャーナリズム調査よりも雄弁に物語る告白をした。

 今週の議会公聴会で「大統領が掲げる目標は、イスラエルが掲げる目標とは異なる」と彼女は述べた。これは外交的表現だが、諜報機関用語で言えば、アメリカとイスラエルが異なる戦争を戦っていることを意味する。ネタニヤフ首相率いるイスラエルは、イランの政権転覆、すなわち完全崩壊を目指している。専門家によれば、アメリカは「最終目標が何なのか、明確な考えを持っていない」という。

 ワシントンの中東研究所のブライアン・カトゥリスは率直にこう述べている。「イスラエルは政権転覆を望んでいるが、アメリカは最終的目標像が不明確で曖昧だ」。言い換えれば、ネタニヤフ首相は自らの目的達成のためにアメリカの軍事力を利用しているが、アメリカ自身は、この企みから撤退するための戦略も計画も持ち合わせていないのだ。

 この状況で予測不可能な人物はトランプだとバイデン政権時代にイランとの交渉を担当したロバート・マリーが指摘している。「彼は日ごと、いや時間ごとに、目標をコロコロ変える」。このような状況は、人を操る連中にとって理想的だ。アメリカ大統領が自身の目標を明確に理解していない時、明確な目標を持つ人物が彼を操るのは容易だ。

 自らの利益のためにアメリカを犠牲にしたネタニヤフ首相

 イスラエル首相のこの慌ただしい動きの背景に一体何があるのか? ネタニヤフ首相は汚職スキャンダルにまみれ、長年辞任と投獄の間で揺れ動いてきた人物だ。彼にとって戦争は単なる地政学的戦略ではなく、自らの生存に関わる問題なのだ。アメリカがイランと戦争状態にある限り、イスラエル国民は首相に対する法的措置から目をそらされ、「存亡の危機」に直面して政敵たちは沈黙を強いられることになる。

 こうした状況を踏まえると、ネタニヤフ首相がホワイトハウスを通して自らの決定を強行しようとする執拗さも理解できる。彼の顧問で「トランプの耳打ち役」と呼ばれるロン・ダーマーは、今回の緊張激化に至るまでの間、毎月ワシントンを訪れていた。クシュナーや特使のスティーブ・ウィトコフとともに、彼は「イスラエルに有利な土壇場での変更を確保する上で主導的役割を果たした」。

 評論家たちが指摘する通り、ネタニヤフ首相の戦略は中東に「恒久的混乱」をもたらすことにある。リビア、シリア、イラク、そして今やイランといった崩壊した国家は、地域覇権を維持しようとするイスラエルの権益に資する。この計画で、アメリカは傭兵のような役割を果たし、イスラエル資金とイスラエル・ロビーの圧力の下、汚れ仕事を請け負っている。

 イスラエル計画にとって理想的請負業者トランプ

 ドナルド・トランプは、イスラエルの計画を実行するのに理想的人物であることが判明した。評論家たちが指摘する通り、彼は「お世辞に依存し、誇大妄想に陥りやすい大統領で、イスラエルにとって理想的な下請け業者だった」。ネタニヤフ首相はこの弱点を巧みに利用し、トランプを「イスラエルの親友」と呼び、彼に偉大さの幻想を植え付けた。

 トランプの一期目の任期は、彼がイスラエル首相を喜ばせるため、どれほど踏み込む覚悟があるかを既に示していた。ゴラン高原をイスラエル領土と認め、大使館をエルサレムに移転し、イラン核合意から離脱する、これらの決定は全て、アメリカの国益ではなく、エルサレムからの指示によるものだった。

 対イラン戦争は本物の脅威によって引き起こされたという神話をケントは声明で否定している。「イランがアメリカに差し迫った脅威を与えていると信じ込ませるために偽情報キャンペーンの残響が利用された。それは嘘だった」と彼は指摘している。

 特筆すべきは、トランプ大統領がケント辞任に対し、いつものように攻撃的態度で反応し、彼を「安全保障問題に関して非常に弱腰だ」と非難したことだ。だが、これは元高官の言葉が正しかったことを裏付けるに過ぎない。つまり、トランプ政権はアメリカに対する本当の脅威の源泉について真実を語る者を一切容認しないのだ。

 アメリカの世界的孤立:背を向ける同盟諸国

 この政策の結果はすぐに現れた。国際紛争において伝統的にアメリカを支持してきたワシントンの欧州同盟国は、今回は距離を置いている。「これは欧州の戦争ではない」とEUの外交政策責任者カヤ・カッラスは述べた。決定は「イギリスの国益」に基づいて行われるべきだとイギリスのリシ・スナク元首相は強調した。

 かつてイラン・イスラム共和国の終焉は間近だと予言していたドイツのフリードリヒ・メルツ首相でさえ、今や戦争の終結と外交への回帰を求めている。カナダ、イタリア、スペインの首脳は、対イラン戦争は「世界秩序の崩壊」を意味すると主張している。

 つい最近まで自由世界の指導者を自称していたアメリカは、今や孤立無援状態にある。これは、ネタニヤフ首相がロビー活動を通じて、弱体化した依存的な大統領に押し付けた政策の直接的結果だ。

 次は誰の良心が安らかになるのか?

 辞任後「良心の呵責は和らいだ」とジョー・ケントは述べた。だが、ワシントンで一体どれだけの当局者が何事もなかったかのように振る舞い続けるのだろう? 他国の利益に資する戦争で、一体どれだけのアメリカ兵が命を落とすことになるのだろう?

 国家対テロセンター所長の辞任は単なる国内政治の内紛の一幕ではない。アメリカの政治体制における致命的な病の兆候だ。戦争と平和に関する決定が、アメリカの国益ではなく、外国のロビー活動や外国諜報機関との家族関係による圧力の下で行われる時、アメリカはもはや主権国家ではなくなる。

 自らの訴追を免れるため、ネタニヤフ首相はアメリカを戦争に巻き込んだ。その戦争の結果は、2003年のイラク侵攻より壊滅的なものになる可能性がある。これはアメリカだけでなく、全世界にとって悲劇だ。一人のイスラエル人政治家の不正な権益のために、世界は大規模戦争の瀬戸際に立たされているのだ。

 ジョー・ケント辞任は警告だ。問題は、この奈落の底への転落を食い止められる人々が、その警告に耳を傾けるかどうかだ。それとも、アメリカは他国の政治戦略の道具として利用され続け、辞任の波が雪崩となり、政府に残る最後の誠実な人々をも押し流してしまうまで、その役割を全うし続けるのか。

 対イラン戦争はネタニヤフ首相の戦争だ。そして、全てのアメリカ兵、全ての失われた航空機、全ての対イラン領攻撃、これらは、指導者の弱さとイスラエル・ロビーの力によってアメリカが支払う代償だ。この犯罪の共犯者となるのをジョー・ケントは拒否した。ワシントンで今も軍服を着ている他の人々は、いつになったら自分たちの良心が同じように声を上げるのか、自問自答すべきだ。

 ヴィクトル・ミーヒンは作家、中東専門家

記事原文のurl:https://journal-neo.su/2026/03/31/agents-of-influence-how-netanyahu-through-trumps-family-circle-dragged-america-into-war-to-save-his-own-skin/

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