PR

最も深刻なのはポテチの袋ではなく…高市政権がフタをする「本当のナフサ不足問題」の重大懸念

スポンサーリンク
ナフサ エネルギー

最も深刻なのはポテチの袋ではなく…高市政権がフタをする「本当のナフサ不足問題」の重大懸念

住宅関連資材の在庫は残り1か月!医療分野も危ない!

ナフサは、プラスチックや合成ゴム、塗料、接着剤などの原料となる石油化学の基盤物資だ。

日本のナフサ調達は中東に大きく依存しているため、中東情勢の緊迫は、日本の経済活動にすでに大きな影響を与えている。

ナフサ不足の問題は、すでに「現代ビジネス」への投稿でも何度か述べたが、事態は改善されず、いくつかの分野では現実の問題となっている。高市政権はこの事態を一体どうするつもりか?

以下では、具体的にどのような問題が起きているかを、4月以降の報道によって把握しておこう。

最も深刻な医療分野

ナフサ不足の影響が最も深刻なのは、医療分野だ。(FNNプライムオンライン、4月12日「『生活用品から透析チューブなど医療機器まで』石油由来『ナフサ』イラン情勢受け“出し渋り”による価格上昇・不足に懸念の声」)は、ナフサ不足が、生活用品から医療機器にわたる幅広い分野に波及している実態を報じている。

by Gettyimages
イメージギャラリーで見る
 

医療では、人工透析のチューブ、生理食塩水のプラスチック容器などがナフサ由来であるため、供給が不安定になれば治療継続に支障が出る。この記事は「国内にナフサがあっても製品供給不安が起きる」という流通上の目詰まりを問題視している。

HBC「北海道のニュース」(2026年4月16日、「ナフサ不足が命に直結『滅菌手袋やガウンの流通が途絶えると手術ができない』医療現場の懸念深刻、医療機器メーカー『ゴールデンウィーク前後で一部の物品に欠品』」)は、ナフサ不足が、北海道の医療現場に不安を広げていると報じている。

ナフサはプラスチック製品の基礎原料であり、滅菌手袋、ガウン、注射器、チューブ、包装材など、医療現場で日常的に使われる多くの物資の原料となる。この記事は、医療を担う現場の懸念を取り上げ、これらの物資が途絶えれば手術や処置に直接支障が出ると指摘する。特に滅菌手袋やガウンは感染防止の基本装備であり、単なる消耗品ではなく、医療安全そのものを支える資材だ。ナフサ不足は生活用品の値上がりにとどまらず、地域医療の継続性を脅かす問題として描かれている。

医療に不安が広がる

日本経済新聞、4月23日「透析用チューブや手袋、99%超が海外頼み 医療物資に供給リスク」は、医療物資の海外依存の高さに焦点を当て、ナフサ高騰・不足が医療供給網の弱点を露呈させていると論じている。透析用チューブや医療用手袋などは、99%超を海外に頼っているとされ、日本の医療現場は国内だけで完結しないサプライチェーンに強く依存している。

診療所などでは、医療用手袋の確保が難しくなり始めている。規模の小さい医療機関ほど調達力の差が出やすい。この記事は、医療物資が「安く海外で作れるから輸入する」という通常時の合理性に支えられてきた一方、有事にはその構造が供給途絶リスクに転化するという点を指摘する。ナフサ問題は、医療安全保障の課題として位置づけられている。

 

東洋経済online、4月15日「〈透析患者34万人に影響か〉ナフサ不足が『アジア生産の医療機器』に与える打撃…値上げなら病院の経営悪化を招く懸念も」は、ナフサ不足が人工透析を中心とする医療機器供給に与える影響を詳しく扱っている。点滴バッグ、輸液チューブ、シリンジ、カテーテル、手袋など多くの医療機器は、ナフサ由来の合成樹脂を原料とする。とくに深刻なのは、透析回路、手術用廃液容器、手袋など、アジアの海外工場で生産され日本に輸入される製品だ。

by Gettyimages
イメージギャラリーで見る


 東南アジアもエネルギー危機の影響を受けており、メーカーは現地で原材料確保に奔走しているが、医療用に必要な品質を満たすサプライヤーは限られる。さらに原材料や部品を変更するには、安全性・品質試験や薬機法上の手続きが必要で、すぐには代替できない。厚労省・経産省の対策本部には543件の相談が寄せられ、16件は安定供給に影響ありと判断された。記事は、34万人規模の透析患者への影響だけでなく、値上げが病院経営を圧迫する可能性も指摘している。

住宅関連材の在庫が1カ月

毎日新聞、4月27日「『在庫は1カ月』 住宅関連材料がピンチ どうなる住宅価格どうなる住宅価格」は、住宅資材などへの影響を伝えている。住宅関連材料の在庫が1カ月だという。

毎日新聞、4月24日「原油コスト『値上げできない』、怒りにじませるクリーニング店」は、ナフサ不足と原油価格高騰が中小サービス業、とくにクリーニング店に与える圧力を伝えている。

 

バナナの出荷に影響

産経新聞、4月18日「ナフサ不足、意外な物資に余波 バナナ、アイス、チョコレート…予防接種の注射器も」は、ナフサ不足の影響が石油化学製品だけでなく、食卓や医療現場にまで及ぶことを指摘している。

by Gettyimages
イメージギャラリーで見る


その代表例として挙げられているのがバナナだ。日本で消費されるバナナの大半は青い状態で輸入され、国内でエチレンガスを使って追熟される。エチレンガスがナフサ由来であるため、供給が滞れば、バナナの出荷そのものに支障が出る可能性がある。

同様の工程が、キウイやアボカドにもある。さらに、アイスやチョコレートなどの食品、香料、包装資材、医療用手袋、カテーテル、透析器具、予防接種用のプラスチック注射器などもナフサ由来製品に依存しており、ナフサ不足が生活必需品や医療物資の供給リスクに直結する。

農産物や食料品の生産、流通に影響

読売新聞、4月27日「ナフサ製品高騰、農作物の生産から流通までコスト増に…飲食料品の値上げにつながる可能性も」は、ナフサ不足が農業にも波及していることを指摘している。農業では、ビニールハウス、マルチフィルム、肥料袋、農薬容器、出荷用トレー、包装フィルム、食品用ラップなど、多くの資材に石油化学製品が使われている。ナフサ製品の価格上昇は、農作物を育てる段階だけでなく、収穫後の選別、包装、輸送、店頭販売に至るまでの過程でコストを押し上げる。こうしたコスト増が、最終的には飲食料品価格の上昇につながる可能性がある。

また、食品用ラップの5月納入分が35%以上、容器の6月納入分が30%以上値上がりするとのデータも紹介されている。このように、ナフサ不足は、農家だけでなく食品メーカー、小売、消費者までを巻き込む価格上昇要因になっている。

日本経済新聞、4月27日「ナフサ危機、食品企業4割すでに打撃 容器不足でプリン販売休止」は、ナフサ不足が食品・飲料メーカーの生産活動に直接影響し始めていることを報じている。

焦点は、食品そのものではなく、容器や包装資材の不足だ。プリンのような商品は、中身を作れても、プラスチック容器が確保できなければ販売できない。この記事では、食品・飲料メーカーや飲食店などで構成される生団連の調査を踏まえ、すでに4割程度の企業が影響を受けているとしている。さらに、5月上旬から全国でプリンの販売休止を検討する企業があることも紹介されている。容器や包装の代替を探す動きはあるものの、食品用容器には安全性、形状、衛生管理、充填設備との適合性が求められるため、すぐには代替できない。

by Gettyimages
イメージギャラリーで見る


インクの価格が3割以上上がっていることなどを背景に、ポテトチップスの袋の印刷をカラーから白黒に切り替えるなどの動きが出ている。また、3月の家計調査報告によると、実質消費支出全体は対前年同月比2.9%の減であるのに、ポリ袋・ラップへの実質支出は前年同月比17.4%増えた。トイレットペーパーも7.7%増。総務省は、「買いだめの可能性がある」としている(朝日新聞、5月13日「インクショック、ポテチにも波及 中東危機、包装用の供給停滞 カルビー、農水省に変更説明」)。

日本経済全体の供給網リスク

週刊エコノミストOnline、5月2日「『ナフサの7割は中東から』日本経済どうなる?」は、ナフサ不足を個別商品の問題ではなく、日本経済全体の供給網リスクとして捉えている。

by Gettyimages
イメージギャラリーで見る


毎日新聞、5月10日「『コロナより危機感』資材の高騰や不足 ケーキ店は保冷剤足りず」は、ナフサ不足が中小の小売・製造業者に与える切迫感を、ケーキ店の事例から描いている。

このように、さまざまな分野で問題はすでに生じている。そして、それらは、放置することができない。この事態に、政府はどのように対処するのだろうか?

なお、朝日新聞、4月8日付「【社説】石油不足の懸念 需要抑制に舵切るとき」は、石油備蓄があるから当面は安心だとする政府の姿勢を批判し、長期化を見据えて無理のない範囲での需要抑制策に舵を切るべきだと主張した。そして、ガソリン補助金の段階的縮小や、国民への節約・省エネ協力の呼びかけを求めている。

コメント

タイトルとURLをコピーしました