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米・イランがペルシャ湾で交戦、4週間の停戦揺らぐ-原油急伸

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ホルムズ海峡 ホルムズ海峡

米・イランがペルシャ湾で交戦、4週間の停戦揺らぐ-原油急伸

イランの標的に対する攻撃再開を求める声が上がるとともに、4週間続いていた停戦の行方に疑問が生じている。

米国とイランが4日、ペルシャ湾で交戦し、アラブ首長国連邦(UAE)も巻き込む形で衝突が再燃した。イランの標的に対する攻撃再開を求める声が上がるとともに、4週間続いていた停戦の行方に疑問が生じている。

  米軍はホルムズ海峡で米船籍の船舶2隻の通航を支援する中、イランのドローンやミサイル、小型武装艇による攻撃を撃退した。米中央軍のクーパー司令官が4日の記者会見で明らかにした。

  トランプ米大統領は同日、「われわれは小型ボート7隻を撃沈した。彼らは『高速艇』と呼んでいる」とトゥルース・ソーシャルに投稿。ヘグセス国防長官が5日に記者会見を開くと付け加えた。ヘグセス氏は、ケイン統合参謀本部議長と共に国防総省で記者団へのブリーフィングを行う予定だ。

  アラブ首長国連邦(UAE)は4日、イランの巡航ミサイルを迎撃したと発表。フジャイラ港で発生した大規模な火災について、イランのドローン攻撃が原因だと非難した。この火災で3人が負傷し入院した。UAEはさらに、米国とイランの停戦が約1カ月前に発効して以来初めて、住民に対してミサイル警報を複数回発令した。

US and Iran Trade Fire, Jolting Four-Week-Old Ceasefire
米国とイランが4日、ペルシャ湾で交戦し、アラブ首長国連邦(UAE)も巻き込む形で衝突が再燃した。ブルームバーグのデレク・ウォールバンク記者が解説。

  これに先立ち、UAEのアブダビ国営石油会社が所有する石油タンカーが、ホルムズ海峡の外海側でイランのドローン攻撃を受けていた。

  イランがフジャイラ港を攻撃し、海峡内でタンカーが再び脅威にさらされているとのニュースを受け、原油相場は急伸した。ホルムズ海峡は、2月末の戦争開始前には世界の原油および液化天然ガスの約5分の1が通過する要衝だった。

  国際的な指標である北海ブレントは4日、約6%上昇し1バレル=114ドルを上回る水準で取引を終えた。米ウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は4日、4%余り上げ、106ドル近辺で終了した。

  今回の衝突は、4月8日の発効以降おおむね維持されてきた停戦を揺るがしている。

  米国とイスラエルがイラン攻撃を再開するべきだとの声も出ている。これまでの6週間にわたる戦闘で数千の標的が攻撃され、イランの最高指導者や政府高官らが死亡。ホルムズ海峡は事実上封鎖され、世界のエネルギー価格を急騰させた。

  共和党のリンゼー・グラム上院議員は4日、Xへの投稿で、イランがUAEや貨物船を攻撃したことについて、「イランの戦力にさらなる打撃を与える大規模で強力、かつ短期的な対応を十分に正当化する」と述べた。

  イスラエルのベネット元首相は、イランによるUAEへの攻撃について「地域全体における米国とイスラエルの同盟国に対する戦争再開の宣言」に等しいと、ソーシャルメディアに投稿した。

  米中央軍のクーパー司令官は、停戦が破られたかどうかについての質問への回答を控えた。4日の別の会見で、米国のウォルツ国連大使は、停戦「違反の宣言についてはホワイトハウスに委ねる」と述べ、「状況は流動的だ」と語った。

  イランのアラグチ外相は4日夜のXへの投稿で、米国との協議は「進展している」と述べたが、米国とUAEは「悪意を持つ者たちによって再び泥沼に引きずり込まれないよう警戒すべきだ」とも指摘した。

「プロジェクト・フリーダム」

  トランプ大統領は3日、戦略的要衝であるホルムズ海峡の通航再開と、ペルシャ湾内で足止めされている船舶の退避を支援する計画「プロジェクト・フリーダム」を発表した際、複数の国が自国船救助で米国に助けを求めたと説明した。

  作戦は4日に開始され、米軍は誘導ミサイル駆逐艦や航空機、ドローンの活用を含む軍事支援を約束。米中央軍によると、これまでに米船籍の商船2隻が海峡の通過に成功した。一方、イランは米軍がホルムズ海峡に入れば攻撃するとしていた。

  トランプ氏は4日午後、世界中の商船が身動きできない状況に追いやられていたが、「われわれが対処している」と述べ、イランによる核兵器保有を米国は容認しないとあらためて強調した。

  4日の衝突は、米国とイランが長期的な合意に至れていないこともあらためて浮き彫りにした。

  ブルームバーグ・エコノミクスの防衛担当アナリスト、ベッカ・ワッサー氏は4日の調査リポートで、「これらすべてが、米・イラン間の停戦が脆弱(ぜいじゃく)であることを浮き彫りにしている」と指摘。「われわれの見解では、最も可能性の高い結末は、緊張が続き、散発的な戦闘によって原油価格が高止まりする長期的な紛争だ」と記した。

  焦点は、イランがほぼすべての船舶の航行を阻止しているホルムズ海峡だ。イランは、米国が対イラン海上封鎖を解除しない限り、海峡を開放しないとしている。

  ホルムズ海峡に敷設されたイランの機雷について問われたクーパー司令官は、米国の「精緻な技術で通路を確保できないほど広範囲ではない」と述べた。そのために米国は「低観測性能力」を使ったと付け加え、水中ドローンの使用を示唆した。

  2月28日に米国とイスラエルの対イラン軍事作戦が始まって以来、イランとレバノンを中心にこれまでに5500人以上が死亡した。

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