緊迫する中東情勢の影響か “牛タンショック”襲来 焼き肉の定番が高騰 輸入牛肉の価格は過去最高に 【福岡発】
仕入れ価格は、オープン時の6年前と比べると倍以上の価格になっている
独特な歯ごたえとジューシーな旨味がヤミつきになる『牛タン』。長引く中東情勢の緊迫化が、焼肉の定番、牛タンにも影響を及ぼしている。
コロナ前から200%上がっている
ご飯のお供にも、お酒のつまみにも人気の牛タンだが、いま異変が起きている。

福岡市中央区の『田中精肉店』を訪ねると店内のショーケースには牛タン、上牛タン、厚切り牛タンの3種類が、ずらりと並ぶ。

ずらりと並ぶ牛タン(『田中精肉店』福岡市中央区)
店で扱う肉は国産が中心だが、牛タンは主にアメリカ産だ。国産に比べ価格が抑えられ、味も良いことから、取り扱う店も多いというが、その販売価格は100グラムあたり、税込み951円、厚切り牛タンは1500円を超えている。

田中精肉店の田中健太郎さんは「1月、2月に比べて120%アップ。コロナ前からいくと200%まで上がっているので、決して安いものではなくなっている」と話す。仕入れ価格の高騰を受け、2026年に入って販売価格を100グラムあたり約100円引き上げた。

来店客は「牛タンは食べたいから、ちょっと上がりすぎると困るなというのはある」(男性)や「高くなったら、カルビとかやっぱ安いのに、いきたくなるかな」(女性)と一様に困惑顔だ。

「価格高騰は、ここまでは初めて。今年中にまだ上がるのではないかという不安はある」(田中精肉店 田中健太郎さん)。
牛タンが手の届かない存在に?
福岡市中央区の牛タン焼専門店『ヨコマサ』。仙台の人気店で修業した店主が、厚切り牛タンを炭火で焼き上げ提供している。 牛タン焼専門店『ヨコマサ』(福岡市中央区)

オープン当初からメインで使っているのは、国産ではなくオーストラリア産の牛タンだ。

オーストラリア産は、手頃な価格で脂乗りも良く、本場、仙台の専門店でも主流だというのだ。しかし「仕入れ価格は、オープン時の6年前と比べると倍以上の価格になっています。かなり大変です」(牛タン焼専門店『ヨコマサ』横田正俊さん)という。

オーストラリア産もアメリカ産同様、高騰が続いていて、オープン当初は税込み約1600円だった定食を現在は、倍近い3120円で提供している。

ヨコマサの横田正俊さんは「売値を上げないと結局、元が取れなくなってしまうので、心苦しいですが致し方ないかなと思います」と話すが、2026年から新たに1000円ほど安く提供できる牛タンの仕入れを始めた。イギリス産の牛タンだ。

イギリス産は、オーストラリア産と比べると脂乗りはやや控えめで、価格は1割~2割ほど安いという。
値上がりは今後も続く可能性
農林水産省によると、4月13日から15日に全国のスーパーなどで販売された輸入牛肉の平均価格は100グラム当たり424円と、過去最高値を更新した。

アメリカでの干ばつによる牛の生産減少に加え、世界的な需要の高まりもあって相場が上昇。更に円安や中東情勢の悪化による燃料費や輸送コストの上昇も追い打ちとなっている。

県内の食肉卸売業者は、牛タンを含む輸入牛肉の値上がりは、今後も続く可能性があるとみている。
(テレビ西日本)


コメント