よろず屋寸話録から「世界的バブル崩壊の話...2024年6月8日」

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世界的なバブル崩壊 政治・経済

よろず屋寸話録から「世界的バブル崩壊の話...2024年6月8日」

その時期は2025年かもしれない

 先日、テレビ東京系列の「ガイアの夜明け」で加熱する株価や不動産を取り上げていて、とても興味深かったです。
 日経平均株価は、一時バブル期のピークである3万9千円を超えて4万円に達しました。これを見て、政府の後押しもあり、新NISAを始める人が増えているといいます。
 番組では、これからも株は上がっていくという強気派と、そろそろ天井で、これから崩壊が始まるという弱気派がはっきり分かれていると紹介していました。
 強気派は、1980年代の日本のバブルとその崩壊を経験していない若い人たちで、弱気派はバブルの崩壊を経験した年配の人達だといいます。
 もちろん、株だけでなく、不動産も高騰しています。
 森永卓郎さんによれば、東京23区内のマンションの平均価格は、1億3000万に達したといいます(これは平均値であって、高値物件ではありません)。
 森永さんは、男性の生涯賃金が2億2000万なので、1億3000万のマンションを買えるはずがなく、この値段は異常だといいます。
 私もそう思います。
 バブルの時は、バブルだと気づかないのです。
 日本のバブル時の異様な熱気を体験した私は、「バブルの時は、バブルだと気づかない」は名言だと思っています。
 番組では日本の不動産や株が上がってきた理由として、中国のバブル崩壊が大きく影響していると紹介していました。
 中国のバブル崩壊により、中国市場から避難した富裕層が、次は日本の株と不動産だとばかり、資金を日本にシフトしてきているといいます。
 私は、ここに「バブルの時は、バブルだと気づかない」という名言が当て嵌まると見ています。
 なぜなら、今日本に投資している中国の富裕層は、バブルの崩壊を経験していない世代だからです。

 もし日本が戦後のめざましい経済発展を遂げているときのような好景気なら、株価や不動産が高騰するのは納得できます。
 しかし今は、日本人の6人に1人が貧困と言われている時代です。(好景気だと言われている)アメリカはもっとひどく、(ヤスの備忘録のヤスさんによると)全人口の約40%が貧困状態にあるか、「ワーキングプア」に分類されていると考えられている」、そうです。それなのにNYダウは史上初の4万ドルを超えました(5月17日)。
 私には違和感しかありません。

 今回は、バブルの崩壊が迫っているという話題です。
 「(バブルは必ず崩壊するが)それがいつ起こるかを予想することはできない」と巨匠ガルブレイスは言ったそうです。
 後半で、そのバブル崩壊の時期についても話題にします。

 まず、日本のバブル崩壊でひどい目に遭った人の話です。
 『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』(森永卓郎、鈴木宣弘著、講談社新書)から抜粋して紹介させていただきます。
 森永卓郎さんが語っています。


 ・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p101~p102から抜粋開始>・・・

 東京だと暑いからエアコンをガンガンかける。もちろん熱中症で死なないためにそうするしかないわけですが、エアコンが吐き出す熱で東京はますます暑くなってしまうという悪循環。にもかかわらず、東京のマンション価格はとんでもない暴騰を続けている。
 2023年に売り出された港区の「三田ガーデンヒルズ」には一物件45億円という部屋もあるそうです。
 いまの若い人たちはバブル崩壊を経験していない。だから不動産バブルと言われてもいまいちピンと来ないのかもしれません。
 私の同級生に芸能関係の仕事をしている女性がいました。同期では一番金持ちだったんですが、バブルのとき、借金して青山にビルを買いました。でもバブルが崩壊してしまい、銀行からは担保割れだから借金を返せと言われ、困ってしまった。全財産をはたいても借金が残ってしまい、結局青山のビルは売って、その後十数年のあいだ、ただただ借金を返す人生になってしまった。けっこう稼いでいたのに、悲惨でしたよ。
 バブルが崩壊して経済の大転換が起これば、また同じことが起きます。それももっと大規模に。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 森永さんは、以下のようにも言っています。

 「近い将来訪れる次のバブル崩壊は、もしかすると史上最大のバブル崩壊になるかもしれません。そのときは資本家だけでなく、庶民も確実に巻き込まれます。1929年の世界恐慌ではそうなりました」

 私も全く同感です。
 なぜなら、これから起こるであろうバブルの崩壊は、「資本主義の終わり」を意味すると思うからです。
 これまで起こったオランダのチューリップバブル、イギリスの南海バブル、アメリカ発の世界大恐慌、そして日本のバブル崩壊と、大きな事件ではありましたが、体制崩壊には至りませんでした。
 これから起こるバブル崩壊は、社会の体制そものが崩壊するものとなるはずです。
 逆にそうでなければ、新たな世は登場して来ません。

 では、森永卓郎さんと鈴木宣弘さんのバブル談義を見ていきましょう。


 ・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p72~p77から抜粋開始>・・・

 「エブリシング・バブル」は崩頓する

鈴木 しかし、あと2年ぐらいで本当に大転換が起きるのでしょうか。

森永 きっかけになるのはバブルの崩壕だと思っています。「エブリシング・バブル」と呼ばれていますが、いまはありとあらゆるものがバブルなんですよ。株だけじゃなく、絵画とか宝飾品もそうだし、暗号資産、石油や天然ガスなどの資源、穀物・食用油など食料、木材もバブル。でもバブルはいずれ必ずはじけるんです。
 この200年間で大きなバブル崩壊だけでも70回ほどあるんです。バブルというものは一つの例外もなく、崩壊します。
 ただ、それがいつ起こるかを予想することはできない。ガルブレイスという経済学者が人生を懸けて研究しましたが、わからなかった。ガルブレイスは、いつはじけるかはわからないが、バブルは必ずはじけると言い残しました。
 SINIC理論(管理人注)では次の転換点を2025年と予想していますが、私は案外これが当たるような気がします。中国ではすでにバブルがはじけて、デフレになりつつある。いま、欧米諸国は金利をどんどん引き上げています。
 リーマンショックの前もバブルでした。その後景気が悪化し、金利が下がっていきましたが、その過程では、まだバブル崩壊には結びつかなかったんです。金利が下がれば景気が良くなるとみんながまだ信じているからです。でも金利が2パーセントまで低下したところでドーンと株価が下がることになった。
 アメリカの金利は2024年から下がりはじめると予想されています。2025年という予想ともまあまあ合致する。そのあたりで「エブリシング・バブル」の崩壊があるんじゃないか。
 そうなれば、金に金を稼がせて巨万の富を得ていた人たちがみんなやられてしまう。そのタイミングで世界は変わるんじゃないかと思っています。
 バブルが崩壌すると、これまでは世界中の中央銀行が金融緩和を行い、お金を大量に供給して再びバブルを引き起こすことで世界経済を救ってきました。でも、いまは「世界インフレ」の時代です。この状況で大規模な金融緩和を行えば、インフレが再燃してしまう。だから今回はバブル崩壊後に金融緩和を行うのは難しいんじゃないかと思っています。
 ちなみに、中央銀行が破綻するということはありません。2022年にオーストラリアの中央銀行が債務超過に陥りましたが、何も起きませんでした。2023年にアメリカのFRBも実質的な債務超過に陥りましたが、やはり何もなかった。自国通貨を発行する国の中央銀行はそのくらいでは微動だにしません。危ないのは市中銀行です。

 「世界大恐慌の再来」の可能性もある

森永 バブルが崩壊すると、世界からお金が消えてしまう。だから資産をお金として持っている人は危ない。経済評論家の三橋貴明さんは、講演会で「いま何に投資をしたらいいですか?」と聞かれ、「農地」と答えたそうです。
 実際、彼は長野県の飯田市に土地を買って、将来はそこで農業をはじめるそうです。よく農業委員会を通りましたねと言ったら、農地として買ったわけじゃないので大丈夫なんだそうです。彼はたくさんお金を持っているから買えるんです。
 投資商品を買うより、農地を持っているほうが安全です。飢え死にしませんからね。政府はNISAを拡充して貯蓄から投資へと言っていますが、それに安易に乗っかるとひどい目に遭うと思います。
 1929年の10月24日、ニューヨーク株式取引所で空前の大暴落が発生しました。いわゆる暗黒の木曜日です。ただ、株価の下落はその後も続き、底値に達したのは1932年の7月です。3年弱でダウ平均株価は約10分の1になった。
 「それは昔の話。いまそんなことが起こるわけない」と金融業界の人たち言いますが、果たしてそうでしょうか。
 つい数年前まで、メディアは「これからはBRICSsの時代だ」と宣伝していました。BRICSとはブラジル・ロシア・インド・チャイナ・サウスアフリカの頭文字ですが、その話に乗ってロシアファンドを買った人がたくさんいました。いまどうなったでしょうか。ウクライナ戦争の影響で10分の1に値下がりしてしまいました。投資の世界ではこういうことも十分あり得るんです。
 一生懸命貯蓄したお金が10分の1になったら大変です。でも、農地ならこんなことは起こりません。

鈴木 これまで収奪的に儲けてきた人たちが、次のバブル崩壊で痛手をこうむるということですか。

 「バカ高い不動産」は買うべきではない

森永 エコノミストもそうですけど、体制に従っていた人って、構造転換の時期には弱いんです。いままでの流れでしか物事を見ていないから。
 でも一歩引いて見ると、世界経済が追い詰められているのは間違いないわけです。なのにどうして気づかないんだろうと思いますが。
 たしかにこれまでは投資をやっていれば儲かりました。厚切りジェイソンさんの『ジェイソン流お金の増やし方』という本が2022年の経済書ベストセラーでしたが、私は2回か、3回くらい彼と話したことがあるんです。
 アメリカ株全体を買うインデックスファンドがあるんですが、余ったお金はすべてそれに投資すべきと言っていました。それでも平均で年6パーセントものリターンがあると。私は、いずれバブルがはじけますよと言ったんですが、彼は、「いいじゃないですか。下がったら、同じお金でもっとたくさん株を買えるチャンスです。バブルがはじける心配ばかりしていると、いつまで経っても株を買えませんよ」と。
 ただ、安いときに買って高いときに売るのは投資の大原則です。だからいまのバカ高い相場には手を出せないと思います。とくにそう思うのは不動産。東京23区の新築マンション価格はいまや平均で約1億3000万、首都圏全体でも約9000万です。男性の生涯賃金が2億2000万、女性が1億6000万ですから、1億3000万のマンションなんて買えるはずがない。この異常さに気づかないのは、単に感覚が麻痺しているだけだと思います。

 ・・・<抜粋終了>・・・


(管理人注)
 ネットでは次のように説明されています。
 「SINICとは“Seed-Innovation to Need-Impetus Cyclic evolution”の頭文字を取ったものです。基本的な考え方は、科学・技術・社会が相互に影響を与え合いながら発展していくということ」


 巨匠ガルブレイスが生涯をかけて研究してもわからなかったバブルの崩壊時期ですが、一般庶民が塗炭の苦しみを味わうことになるのですから、とても気になります。
 そんな折、第2回の「未接種の会」に参加された方から、あの松原照子さんがバブルの崩壊について語られていると教えていただきました。
 2024年5月15日付けの「世界同時不況」というタイトルの記事だそうです。
 一部抜粋させていただきます。


 ・・・<『松原照子さんの記事』、から抜粋開始>・・・

     過去の主な経済危機と比較しても、

     ダントツの株価の下落を目にする日が来ることでしょう。

     好不況の波が荒れる日はそんなに遠くない気がしています。

     私は世界経済のことはわかりませんが、

     世界の貿易がかなり縮む日が来るのを感じます。

     これからの中国、インドもプラス成長は見込まれません。

     輸出入が6割以上、7割も減少したら、

     世界経済はどうなるのでしょうか。

     金融危機に対処しようとする各国の動きでも、

     政策金利の大幅な引き下げで乗り切れるのだろうか。

     日本はどうなる、アメリカより落ち込む、そんな思いもいたします。

     この世界同時不況の原因が自然災害だけではないと思えるのが恐ろしいです。

     いつ何が起きてもおかしくないのが今の世界経済。中国が沈む日、

     世界はどのような時代になっているのでしょうか。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 もし松原さんが言うようにバブルが崩壊して世界の輸出入が6~7割減少したら、世界で一番割を食うのは日本だと言われています。
 日本は輸入で国が成り立っているからです。
 つまり、バブルの崩壊で株や不動産に投資していた人々が大損するだけでなく、日本国民全体が危機に直面することになります。
 それは、東京や大阪のような大都会に暮らす人々から始まるようです。


 ・・・<『国民は知らない「食料危機」と「財務省」の不適切な関係』、p77~p79から抜粋開始>・・・

 農業、食についてもみんな感覚が麻痺しているんですよ。37パーセントという食料自給率は、先進国の水準と比べると異常な数字と言わざるを得ません。
 冷静に考えれば、たとえばキュウリが全部まっすぐで、虫もいなくて、プレーンな味がすること自体がおかしいんです。それをおかしいと思わないのは感覚が麻痺している証拠なんですよ。

 「キラキラした都会人」が真っ先に飢え死にする

鈴木 日本はもともと、飼料穀物の輸入が非常に多いので、それが37パーセントという低い自給率に反映されている。ただ、化学肥料についてもほぼ100パーセントが輸入だということは考慮されていない。もし肥料の輸入が止まれば、まっすぐなキュウリの生産は止まってしまうでしょう。
 ほか、野菜の種の9割は海外の畑で種取りしたもの、要するに輸入しているんです。また、米の種は現状輸入していませんが、将来的に輸入に切り替えられる可能性はある。もし米の種まで止まってしまうと仮定すると日本の真の自給率はカロリーベースで9.2パーセントに下がる。37パーセントどころの騒ぎじゃないんですよ。
 有事には食料輸入だけではなく、肥料など生産資材の輸入も止まる。その対策が必要なのは明白なんですよ。マイクロ農業のように、自然の摂理にあった、持続可能な農業の仕組みを模索しなければならない。

森永 有事で農薬や化学肥料の輸入が止まった場合、ふだん使っている農家でも、無農薬でやれないことはないんです。農地さえあればね。ただ、効率はドンと落ちてしまう。そうすると生産量ががくっと落ちるから、やっぱり都会の人に食料は回らない。いま、「勝ち組」と言わんばかりにキラキラした暮らしを謳歌している都会人は、みな飢え死にするんですよ。
 一方、都会の人たちが内心ちょっと格下に見ている農民は生き残る。

鈴木 そのことを理解していませんよね、いま。

森永 そうですね。ただ、そのときになれば社会はきっと大転換をはじめるでしょう。やっぱりこれまでの資本主義のあり方、都会の金持ちの暮らしや考え方は間違いだったんだと。

 ・・・<抜粋終了>・・・


 森永さんは、バブル崩壊の時期を来年(2025年)と見ているようです。
 松原照子さんは、バブル崩壊の時期を「そんなに遠くない気がしています」と言われています。
 私は、食料危機が起こると言われている今年の夏あたりにも始まる可能性があると思っています。
 私達は、バブル崩壊と、それに伴う危機に備える必要があるように感じます。

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