「小泉米」の「カビ毒検査」は小売のモラルに委ねられる場合も 密かに行われていたルール変更に「ドン・キホーテ」の回答は

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備蓄米の販売 食糧問題

「小泉米」の「カビ毒検査」は小売のモラルに委ねられる場合も 密かに行われていたルール変更に「ドン・キホーテ」の回答は

古古米、古古古米のカビ毒アフラトキシンは肝臓がんの原因になるが、すぐに市場に出ている備蓄米は検査が不十分でそのまま流通している可能性がある。

2025年06月11日

「検査が“任意”に」 

 政府の備蓄米を随意契約で小売業者に払い下げ、「5キロ2000円台以下」で店頭に並べることに成功して脚光を浴びる小泉進次郎農水相(44)。

だが、その陰で、実は備蓄米に関する重大なルール変更が行われていた。もしかしたら、私たち消費者は知らぬ間に「カビ毒」を口にしてしまうかもしれないのだ。

実際、備蓄米の販売を始めたドン・キホーテの運営会社に「週刊新潮」が取材すると、驚きの実態が明らかになった。

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テレビのワイドショーやSNSでは、小泉農水相が払い下げを決めた備蓄米、通称「小泉米」の話題で持ち切りとなっていて、スピーディーな施策を展開した小泉氏は一部で「英雄扱い」されている。

だが、光あれば陰あり。その「速さ」の裏で、ひそかに「ルール」が変更されていたことはこれまで全く報じられていない。しかも、それはコメの安全面を巡るものだというのだ。

 

コメの大手卸関係者が明かす。

「備蓄米を出荷する際にはカビ毒が発生していないかを調べるため、農水省が、約1センチ四方の網目の金属製メッシュに全量を通して検査する、という決まりがあります。備蓄米はいかにいい環境で保存しても結露やカビが発生する可能性がある。だからカビの塊がないかどうかをメッシュの網で確認するわけです。しかしその検査がいつの間にか“任意”になっているのです」

「回答を控えさせていただきます」

実際、農水省のHPには、

〈 メッシュチェックを行わずに引き渡すことも可能〉

 と、確かに書かれている。 

 「メッシュチェックなしで引き渡された場合、カビ毒検査をするかどうかが備蓄米を販売する小売業者のモラルに委ねられているのです。

大手卸は小売業者から精米の依頼が来ると、全量検査を推奨しています。しかし今回の小泉米は中小規模の小売との契約もあり、そうしたところがカビ毒検査をどう考えているのかは分かりません」(前出の大手卸関係者)

 6月1日、小泉農水相は備蓄米の販売を始めた「MEGAドン・キホーテ大森山王店」を視察した。そのドンキの運営会社に、カビ毒検査を行った上で備蓄米を販売しているのか問うたところ、「お問い合わせいただいた内容につきましては、回答を控えさせていただきます」

 との回答があった。

 「筋書きがあるのではないか」
 

さらに、前出の大手卸関係者はこう語る。

「小泉さんがドン・キホーテさんに視察に行く直前という絶妙なタイミングでドン・キホーテさんの運営会社から小泉さんに対して『意見書』が出されたのは偶然なのでしょうか。そこには小泉さんの主張に沿うような内容が書かれており、筋書きがあるのではないか、と疑ってしまいます」

 その「意見書」ではコメの流通の問題点について、

〈五次問屋なども存在する多重構造によって、中間コストに加え、マージンがそれぞれに発生することが、最終的な小売りの仕入原価に反映されることになる〉

 と指摘している。

“五次問屋”などと聞くと、やはり「コメの流通は複雑怪奇」(小泉農水相)なのかと思わされてしまうが、コメ問題に詳しい宇都宮大学農学部助教の小川真如氏は、

「“五次問屋なども存在する多重構造”というのは、一般的な話ではないと思います。等級が低いコメや古米をかき集めようと思えば、間にいろいろな業者が入ってくるのは当然です」 

  6月12日発売の「週刊新潮」では、小泉農水相によって、コメ価格高騰を招く“抵抗勢力”に仕立て上げられた卸業者側の反論などを含め、複数の専門家の見解を交えながら「コメ問題」について4ページにわたって特集する。 

  また、関連記事【備蓄米の放出で倉庫業者が“廃業危機”報道も…「大量に保管していたのはJA」との指摘 “江藤米”の流通が遅れた真の理由とは】では、備蓄米放出がもたらす倉庫業者への甚大な影響や「JAが大量に保管していた」という情報などについて詳しく報じている。

週刊新潮 2025年6月19日号掲載

 


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アフラトキシンカビ毒と肝臓がんの因果関係

 アフラトキシンカビ毒は、熱帯から亜熱帯地域に生息するアスペルギルス属のカビによって生成される毒素であり、特にアフラトキシンB1はその中でも最も毒性が強いとされています。

この物質は肝臓がんのリスクを高めることが知られており、国際がん研究機関(IARC)によって「グループ1(ヒトに対して発がん性がある)」に分類されています。

アフラトキシンは肝臓で代謝される際にエポキシドという物質を生成し、これがDNAと結合して遺伝子変異を引き起こすことで発がん性を発揮します。

このメカニズムにより、アフラトキシンは肝臓がんの発生に直接的な因果関係を持つことが科学的に確認されています。 

また、中国での研究では、B型肝炎ウイルス(HBV)感染が肝臓がんの主な原因とされていますが、アフラトキシンの摂取もリスクをさらに高める要因として報告されています。

このように、アフラトキシンは単独でも、また他の要因と相互作用することでも、肝臓がんの発症に寄与すると考えられています。 

平成7年(1995年)以降の肝臓がん患者数の増加地域
平成7年以降、日本国内で肝臓がん患者数が過去のデータと比較して突出して増加した地域は、西日本、特に九州地域です。

この増加には、2008年のアフラトキシン古米騒動が関連している可能性が指摘されています。この騒動では、アフラトキシンに汚染された古米が問題となり、特に焼酎の消費が多い九州地域で影響が顕著だったとされています。

実際に、九州地域ではこの時期に肝臓がんの患者数が増加したとの報告があります。 

結論
因果関係: 

アフラトキシンカビ毒(特にアフラトキシンB1)は、DNAに作用して遺伝子変異を引き起こすことで肝臓がんのリスクを高めることが確認されており、IARCによって発がん性が認められています。
増加地域: 平成7年以降、肝臓がん患者数が特に増加した地域は西日本、とりわけ九州地域であり、2008年のアフラトキシン古米騒動が一因として考えられています。

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