高橋洋一・政治経済ホントのところ【25年度税収が過去最高】円安の恩恵、国利益に
円安の恩恵で「財務省の財政が危うい」という論理は成り立たない
財務省は、2025年度の国の一般会計税収が84兆2226億円だったと公表した。24年度比で12・0%増と6年連続で過去最高を更新。物価高や好調な企業業績が税収を押し上げたと報じられている。
実は最高税収の根本原因は円安だ。筆者は円安上等と言い続けているが、多くの人には分からないらしい。円の価値を勝手に日本の強さと勘違いしている人が多い。かつては円高不況と言われていたが、この方が正しい。
いずれにしても、円安の経済効果は、古今東西知られた「近隣窮乏化」や、国際機関の世界経済モデルに基づくものだ。例えば、日本で10%の円安で1%程度の成長率アップが見込める。近隣窮乏化が成り立つのは、自国通貨安が輸出関連企業や既に海外投資した企業収益に恩恵を与えるからだ。それらは世界市場で活躍するエクセレントカンパニーだが、そこに恩恵を与えるのは国全体の利益になる。
国際機関の世界経済モデルは英語と数式の羅列なので、一般の方には難しいだろうが、09年度の経済白書には、OECD(経済協力開発機構)の世界経済リンクモデルの解説があり、自国通貨高による各国のGDP押し下げの計量的分析結果が要領よくまとめられている。自国通貨高を自国通貨安に読み替えると、各国のGDPを押し上げる結果になる。
こうした研究成果は至る所にあるにも関わらず、一部オールドメディアではマクロでなく、個別の説明で円安が問題と言うが、何が問題なのかさっぱり分からない。
円安になるとGDPがアップし、GDP成長率が算出できる。その結果、GDP成長率に税収弾性値をかければ、税収伸び率が算出されて税収が分かるという単純なロジックだ。
円安で税収は過去最高になるのは予想通りだ。具体的に言えば、円安で名目成長率が4%になり、税収弾性値は3程度なので、税収伸び率は12%程度と推計できる。前年度税収は75・2兆円程度なので、12%増となれば、84・2兆円程度となるわけだ。
円安は外為特会の含み益も60兆円程度に増やし、円安になると株高が同時に起こるので、日銀の保有するETFの含み益も60兆円程度になっているはずだ。これらの一部は、税外収入として、外為特会、日銀納付金などから相当額があるので財政が危ないはずない。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)
実は最高税収の根本原因は円安だ。筆者は円安上等と言い続けているが、多くの人には分からないらしい。円の価値を勝手に日本の強さと勘違いしている人が多い。かつては円高不況と言われていたが、この方が正しい。
いずれにしても、円安の経済効果は、古今東西知られた「近隣窮乏化」や、国際機関の世界経済モデルに基づくものだ。例えば、日本で10%の円安で1%程度の成長率アップが見込める。近隣窮乏化が成り立つのは、自国通貨安が輸出関連企業や既に海外投資した企業収益に恩恵を与えるからだ。それらは世界市場で活躍するエクセレントカンパニーだが、そこに恩恵を与えるのは国全体の利益になる。
国際機関の世界経済モデルは英語と数式の羅列なので、一般の方には難しいだろうが、09年度の経済白書には、OECD(経済協力開発機構)の世界経済リンクモデルの解説があり、自国通貨高による各国のGDP押し下げの計量的分析結果が要領よくまとめられている。自国通貨高を自国通貨安に読み替えると、各国のGDPを押し上げる結果になる。
こうした研究成果は至る所にあるにも関わらず、一部オールドメディアではマクロでなく、個別の説明で円安が問題と言うが、何が問題なのかさっぱり分からない。
円安になるとGDPがアップし、GDP成長率が算出できる。その結果、GDP成長率に税収弾性値をかければ、税収伸び率が算出されて税収が分かるという単純なロジックだ。
円安で税収は過去最高になるのは予想通りだ。具体的に言えば、円安で名目成長率が4%になり、税収弾性値は3程度なので、税収伸び率は12%程度と推計できる。前年度税収は75・2兆円程度なので、12%増となれば、84・2兆円程度となるわけだ。
円安は外為特会の含み益も60兆円程度に増やし、円安になると株高が同時に起こるので、日銀の保有するETFの含み益も60兆円程度になっているはずだ。これらの一部は、税外収入として、外為特会、日銀納付金などから相当額があるので財政が危ないはずない。
(たかはし・よういち=嘉悦大教授)


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